米国をまねたい中国が「コピーできないもの」

米国をまねたい中国が「コピーできないもの」

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/07/12
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中国は米国から、さまざまなものをコピーすることができる。ビジネスモデルやテクノロジー、そして政策もまねることが可能だ。だが、中国が決して自国で再現できないものがある。それは、米国の経済システムの中核をなす政府と市場の偉大なコンビネーションだ。

米国は”理想的”ではないとしても、政府と自由市場の素晴らしい組み合わせを生み出し、維持してきた。フランスの政治思想家アレクシ・ド・トクヴィルが記したように、米国では自由市場が民間の財・サービスを、政府が国民のための条件の平等を作り出している。

米政府は国民の人権と経済の自由を保護する。米国民が自らをどのように見るかにかかわらず、国民は全て、自由市場がもたらした経済的な機会と、公正で効率的、かつ透明な政府がもたらした生活の質を享受している。こうしたことが、米国に革新と繁栄の好循環のようなものをもたらしてきた。

ダロン・アセモグルとジェイムズ・A・ロビンソンが共著「国家はなぜ衰退するのか」で結論づけたように、国民に必要なのは真の繁栄につながる、革新とより良い富の分配、経済成長の好循環を生み出す包括的な制度だ。

中国に欠けるもの

中国の経済システムには、こうした繁栄のための循環の背後にある自由市場と政治制度の偉大なコンビネーションが存在しない。

中国では、民間が財・サービスを創出するための経済的リソースを政府が配分する。中央政府と省政府はいずれも、究極的には地主であり起業家であり、経営者だ。そして、規制機関でもある。主要銀行はほぼ全てが政府によって運営されており、国有企業(SOE)も郷鎮企業(TVE)も、その銀行から融資を受ける。

中国には人権と経済的自由を守る公平で透明な政府がない。その代わりに、開かれた経済システムとそれに立ち向かう閉鎖的な政治体制という危険な組み合わせを持った制度が作られている。

これは産業と自然を戦わせるものであり、中国が1978年に改革開放路線に転換して以降、実現してきた進展の全てを帳消しにし、中国国民の経済的機会と全般的な生活の質を損なう危険性を持ったものだ。中国は世界でも自動車事故や労働災害、環境汚染において上位に入る一方、経済的自由においては最下位に近い。

結局のところ、1978年以降の中国の経済体制は、それまで中国になかった経済成長をもたらしたが、中国にはその成長を持続させるための理想的な組み合わせがない。国民が効率的かつ効果的な市場、そして公正で効率的な政府によって提供される生活の質を享受できる体制がないのだ。これらを作り上げることができるまで、中国では豊かな人も貧しい人も同様にこうした制度を求め、米国をまねようとするだろう。

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