『ブラックペアン』、視聴率期待外れ...「あり得ない」シーン続出、二宮和也もキャラ微妙

『ブラックペアン』、視聴率期待外れ...「あり得ない」シーン続出、二宮和也もキャラ微妙

  • Business Journal
  • 更新日:2018/04/25
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嵐の二宮和也が主演を務める連続テレビドラマ『ブラックペアン』(TBS系)の第1話が4月22日に放送され、平均視聴率は13.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。

ここ数年、フジテレビの「月9」に代わる新たなブランド枠として定着している「日曜劇場」という点に加え、安定した視聴率が期待できる“テッパン”の医療ドラマの初回ということで、「もう少し高視聴率が取れるのでは」と予想していたが、期待しすぎたようだ。とはいえ、近年の同枠の数字からすると、まずまずの好スタートといえるだろう。

原作は『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)などで知られる、医師で作家の海堂尊氏の『ブラックペアン1988』(講談社)。

主人公の渡海征司郎(二宮和也)は東城大学医学部付属病院に勤める天才外科医だが、キャリアに必要な論文をまったく書かないため、医師の間では完全なる厄介者扱い。しかし、抜群の腕前でほかの医師を寄せつけないばかりか、同僚医師の弱みにつけ込んで高額な見返りを要求し、研修医たちを次々と辞めさせていくことから“オペ室の悪魔”と呼ばれていた。

一方、病院内で絶大な力を持つのが外科教授の佐伯清剛(内野聖陽)。世界で唯一、彼にしかできない難易度の高い心臓手術を行うことで“神の手”と呼ばれていたが、そこに日本外科学会理事長選で佐伯と争っている西崎啓介(市川猿之助)の所属する帝華大学病院から、新任講師の高階権太(小泉孝太郎)が送り込まれてきた。高階はアメリカから最新医療器具の“スナイプ”を持ち帰ってきており、それを使えば「佐伯にしかできない」と言われていた手術が、ほかの医師でも安全に行えるという。

しかし、スナイプを使った高階のオペは失敗する。高階は佐伯にアドバイスを求めるも、「君の患者だ」と言われ相手にされない。そこで渡海が颯爽と登場するが、そもそもスナイプを使った手術が「成功すれば渡海が辞める」「失敗すれば高階が辞める」という約束だったにもかかわらず、高階が受け入れようとしなかったため、このままでは患者の命が危ない事態に。

そんななか、研修医の世良雅志(竹内涼真)が担当患者を助けるため、オペ室を出て帰ろうとする渡海を「いくら払えばいいんですか? いくら払えば助けてくれるんですか!」と引き留める。そして、「お金で助けてくれるなら僕が払いますから」と土下座して懇願。そんな世良の姿を見て、渡海はオペを始め、無事に患者の命を救うことができたのだが、「1億な。払い終えるまでお前は、俺のために一生ここで働け」とニヤリと語り、世良のオペ着にべったりと血の手形をつけてオペ室を出ていった。

●「医療あるある」とあり得ないシーン

ドラマは冒頭から本格的な手術シーンが展開されたが、反響が大きかったのは二宮の「邪魔」というセリフ。ツイッターでは、「私も言われたい」という熱狂的ファンからのツイートが多くみられたが、実際に緊迫した医療現場ではよくあることだ。病院勤務の経験がありオペ室にも入ったことのある私から言わせると、オドオドしていて何もできない新人看護師や、テンパって何もできなくなる研修医など、かなりリアルに描かれており、思わず「あ~こういう人いるよね」と感じた。

また、加藤綾子演じる治験コーディネーターの木下香織と渡海が会食するシーンではフランス料理を食べていたが、実際に私も医療関係者にフランス料理店や高級懐石料理に連れて行かれた経験がある。私の場合は付き添いの立場だったが、こういう医療業界の細かい「あるある」が織り込まれているのはうれしいところだ。

ただ、演出的に残念だと感じたシーンが2つあった。まず、高階がオペ見学会場から抜け出し、実際のオペ室の外で勝手に見ているシチュエーションはあり得ない。多くの医師が佐伯のオペを見学しているといっても、外来や入院患者もいるなど病院自体は稼働しているはずだ。それにもかかわらず、オペ室以外に人がまったくいないし、そもそも外部の人間が侵入できる時点でセキュリティに問題がありすぎる。ここは高階が渡海に見つかり、渡海に「見学してけば?」といったセリフを言わせたほうがしっくりきたのではないだろうか。

そして、もうひとつは輸血のシーンだ。「自分でも安全に手術できる」と予想していた高階が大量の輸血パックを用意しているはずがない。そして、輸血を行うには患者に適応するかどうかの検査が必要なため、すぐにはできない。渡海は高階がオペをする時点でそういったことを予想していたわけだから、「自分で輸血パックを発注しておいた」などと皮肉を言うシーンがあってもよかったはずだ。

また、最大の懸念は渡海のキャラ設定だ。だるそうに登場して「邪魔だ」「死ね」と暴言を吐き、汗をかくほどの過酷なオペをするわけでもなく、ただ縫合だけをして帰っていく……。これでは、できない医師を汚いやり方で蹴落とすという点を除けば、単なる患者の命を助ける腕のいい医師にすぎない。いい奴なのか悪い奴なのかわからないような描写が続けば、今後の展開にもギャップが生まれず、結果的に視聴者をモヤモヤさせる原因になるだろう。

とはいえ、最後に渡海が世良の肩につけた「血の手形」には驚いた。あれは二宮のアドリブだったそうだ。正直、「二宮の華奢な体と身長では、天才外科医は似合わないのでは」と思っていたのだが、緊迫するクライマックスシーンであのアドリブが出たことには脱帽する。これが、二宮が業界から演技力を高く評価されているゆえんだろう。その手形はホームページやポスターにも使われており、ドラマを象徴するアイコンとなっている。二宮が、これからどんな渡海を見せてくれるのか楽しみだ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)

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