トランプ氏、党より政策優先の姿勢強める

トランプ氏、党より政策優先の姿勢強める

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/09/16
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【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領が再び重要な政策課題で議会民主党と手を結ぼうとしている。この1週間で大統領は政府債務上限問題に続き、移民政策でも民主党との連携に前向きな姿勢を示した。こうした動きは議会の政治力学にさらなる混乱を引き起こしている。

トランプ氏は13日夜、ホワイトハウスで民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務(カリフォルニア州)、チャック・シューマー上院院内総務(ニューヨーク州)と夕食会を開き、移民政策で基本合意に達した。トランプ氏が、党派内の連携よりも法制面での進展を優先させたい意向であることが明確になった。

民主党は大枠で合意したと表明。一方ホワイトハウスは、夕食会での話し合いは「建設的」だったとしながらも、合意には達していないと述べた。

この新たな動きを受け、税制改革の今後の議論や、12月初めに凍結措置が失効する政府債務上限をめぐる民主党との攻防で、トランプ氏がどのような姿勢をとるのか議会共和党は不安を募らせている。議会は9月初めに夏休みを終え再開されたが、大統領は以前は「議事進行の妨害者」と非難していた民主党との連携に、はるかに積極的となっている。

トランプ氏は先週、債務上限規定を3カ月間凍結することで民主党と合意した。同氏は、税制改革でも超党派のアプローチをとる意向を示唆しており、今週には十数人の民主党議員をホワイトハウスに招き、税制問題で話し合いを行っている。

ただ、トランプ氏と民主党による13日夜の移民政策に関する合意は、先週の債務上限を巡る合意ほどには議会共和党指導部にダメージを与えていない。債務上限凍結では、トランプ氏はスティーブン・ムニューシン財務長官や共和党指導部の反対を押し切る形で、民主党と手を組んだ。

ペロシ、シューマー両氏は13日夜、トランプ氏との間では国境警備の強化とともに、幼少時に米国に不法入国した若者に対し滞在資格を与えることで合意に達したと述べた。国境警備の強化については、ポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)が提唱してきており、同氏の主張に沿ったものだ。ライアン氏は、同日夜の時点では移民政策に関する基本合意についてはコメントしていない。

民主党指導部は、自分たちには一般議員をまとめる力があり、トランプ氏との交渉ではこうした力を利用することができたと話している。一方ライアン氏は、共和党には内部対立があるため、同党指導部の交渉力が弱いことを認めている。ライアン氏は13日、AP通信とのインタビューで、「(内部対立が)われわれの交渉力に影響を与えているのは確かだ」と指摘し、下院共和党の議席数は218だが、「(造反者が出て)218票を確保できなければ、有利な取引をするのは難しい」と話した。

議会が移民政策問題で早急に決着をつければ、共和党は来年の中間選挙の予備選で、移民政策が争点になるのを回避できる。トランプ氏は、幼少時に不法入国した若者を強制退去の対象としない制度を6か月の猶予を設けて廃止すると発表し、その猶予の間に現行制度に代わる制度を議会に策定するよう求めている。そのスケジュールに従えば、議会は来年11月の中間選挙を控えた予備選が始まる来春に、新たな対策について採決することになる。多くの共和党議員は早くも、13日に浮上した大枠合意と同様の案を受け入れる意向を示唆している。

しかしこの民主党との基本合意は、トランプ氏と同氏の保守派基盤との関係に疑問を呼び起こすものだ。大統領選中、不法移民問題に強硬姿勢をとることを公約したことで、トランプ氏は保守派の支持を集めた。一部のトランプ支持者はすでに、大統領が強制送還猶予政策を維持するような法案には拒否権を発動すると表明していないことに不満を示している。スティーブ・キング下院議員(共和、アイオワ州)は13日夜、ツイッターへの投稿で、「信じられないことだ。強制送還猶予は、移民法違反者を赦免することだ」と訴えた。

トランプ氏の友人で保守派メディア「ニューズマックス」のクリス・ルディ最高経営責任者(CEO)はこう予測する。トランプ氏は、先に首席戦略官兼大統領上級顧問を辞任したスティーブ・バノン氏が経営する保守派ニュースサイト「ブライトバート」など保守派メディアから強制送還猶予の容認で批判されるだろうと。ただルディ氏は、トランプ氏が民主党と組んで国境警備の強化策をまとめることができれば、そうした批判も和らぐだろうとの見方も示す。

「スティーブ(バノン氏)とブライトバートは大騒ぎするだろう」とルディ氏は話す。「考えられているような取引が実現すれば、大統領は実際にはほとんど譲歩せずに、民主党の支持を得て国境警備を大幅に強化することになる。一方、大統領に対する共和党の支持は盤石であり、それは変わらないだろう」

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