プロ野球の契約更改、査定項目は凡打や空振りにも及ぶ

プロ野球の契約更改、査定項目は凡打や空振りにも及ぶ

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2016/11/30
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1プレーたりとも気は抜けない

プロ野球界は現在オフシーズン。選手たちは“契約更改”というもう一つ大事な闘いに挑んでいる。景気のいい話題で契約更改シーズンの口火を切ったのは、史上初となる2年連続トリプルスリーを達成したヤクルト・山田哲人(24)だった。

「球団側から1億2000万円増の3億4000万円を提示されたと大々的に報じられた。ヤクルトの日本人選手では史上最高額。7年目の野手としてはイチロー(43)以来の3億円超えとなります」(担当記者)

一方、巨人の内海哲也(34)は野球協約の減額制限を超える2億円ダウン(50%減)の年俸2億円でサインした。契約更改で明暗がくっきり分かれた格好だ。

個人事業主であるプロ野球選手の年俸は、球団との個別交渉で契約が結ばれる。誰がいくらでサインしたかが大きく報じられる一方、“どうやって額が決まるのか”はほとんど知られていない。そもそも、「年俸の交渉ができる選手」はごく一部に限られる。阪神タイガース球団社長を務めた野崎勝義氏はこういう。

「ファームの若手や一軍経験のない選手は、球団が一方的に金額を書いた統一契約書を提示してハンコをつかせるだけ。場所も二軍寮の会議室などで管理部長が1人で対応し、1日に20人ぐらいを一気に片付けます。拒否すれば解雇されるので、保留はありません」

準レギュラーにもなると、交渉の余地が出てくる。1人ずつ球団事務所に呼び出され、球団本部長クラスの交渉役が査定担当を同席させて対応する。

さらに中心選手や大物スターの場合には、事前に下交渉、予備交渉をするケースが多い。本番の更改をできるだけスムーズに終わらせるためだ。冒頭のヤクルト・山田の金額も下交渉の数字が報じられたものだ。

そうした交渉のなかで球団側は“選手の評価”を示すことになる。選手一人ひとりについて、全試合を網羅した査定資料を用意するのだ。前出・野崎氏が続ける。

「各球団には査定担当がいて、全試合を観戦し、厳しく採点しています。凡打一つとっても進塁打かどうか、空振りも盗塁を助けるものかどうかなど、実に事細かにチェックする。同じヒット1本でも、先取点につながる1本やサヨナラ勝ちの決定打かで評価が変わる。マイナスポイントになるのはサインの見落としや併殺ぐらいで、基本的には加点方式です」

選手を“説得”する材料だけに詳細なデータとなる。ある在京球団関係者は「査定項目は260以上にも及ぶ」と証言した。そうして積み上げられたポイントが年俸増減の基準になる。

「もちろん、入団2年目の選手の1000ポイントとベテランの同じ1000ポイントでは、やはり10年選手の方が評価は高くなる。年功序列の要素もあって、基本的には前年比でポイントが増えたか減ったかを見ていきます」(野崎氏)

査定項目については、選手側からの要望を吸い上げて変わってきた経緯もある。

「中継ぎ投手が“得をするのは先発ばかり”と訴えた時期がありました。常に臨戦態勢をとる中継ぎは、肩を作っても出番のないことが多い。その主張を認めて、ブルペンでの練習投球数も査定対象にした」(前出の在京球団関係者)

1年間のプレーが詳細にデータ化された上で、いよいよ交渉が行なわれる。

※週刊ポスト2016年12月9日号

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