物理8コアの9900K&9700Kは真のRyzenキラーになるか!?第9世代Core全3モデルを徹底ベンチマーク

物理8コアの9900K&9700Kは真のRyzenキラーになるか!?第9世代Core全3モデルを徹底ベンチマーク

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  • 更新日:2018/10/20
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Core i9-9900Kのみ写真のような正12面体パッケージで提供される。内部にCore i7-8086Kと似たような化粧箱が入っているのも見える。

2018年10月19日22時、インテルは「第9世代Coreプロセッサー」(以下、第9世代Core)の販売を解禁した。具体的な製品名としては「Core i9-9900K」、「Core i7-9700K」、「Core i5-9600K」の3モデルが用意される。Core i9とi7についてはインテル製のメインストリームCPUとしては初めて物理8コアを解禁した製品だけに注目が高まる。

ただ残念なことに14nmプロセスラインの需要逼迫の影響か、同日に販売が解禁されるのは最下位のCore i5-9600Kのみ。Core i9-9900K及びCore i7-9700Kの2製品は1週間遅れの発売となる「見込み」だ。

第9世代Coreの発売は、インテルのCPU戦略にとって2つの意味を持つ。1つめは昨年メインストリームCPU市場に激震を引き起こしたAMDのRyzen、特に物理8コアのRyzen 7に対する対抗策である。長らく「メインストリームは物理4コア」を貫いてきたインテルが、Ryzenに触発されるようにして第8世代Coreでは既定路線ではあったものの、ようやく物理6コアCPUを開放した。

だが6コア版のCore i7でもRyzen 7の上位モデルにはマルチスレッド性能では負けてしまう。第9世代Coreのi9とi7は、そんなRyzen 7に純粋なパフォーマンスで勝ち2018年を終えるというインテルの鉄の意志の表われなのだ。

そしてもう1つは、インテルのこれまでのTick-Tock戦略がさらに拡張されたということだ。長年プロセスルールの微細化(Tick)→アーキテクチャーの改良(Tock)のサイクルを続けてきたが、最近Tockの後に最適化(Tock+)が加わった。第6世代Core(開発コードネーム:Skylake、14nm)がTock、第7世代Core(開発コードネーム:Kaby Lake、14nm+)でTock+と出たが、プロセス微細化(Tick)のめどが立たず第8世代Core(開発コードネーム:Coffee Lake、14nm++)でさらにTock+を継続。

さらに、第9世代CoreでもTick化が先送りになったので、さらにTock+フェーズを続けることになった。プロセス微細化が望めないフェーズの製品なので、コアを増やさざるを得なかったのだ。

さて今回は、第9世代Coreの全3モデルを幸運にもテストする機会に恵まれた。テスト個体はすべてQS(Qualification Sample)版であるため製品版とまったく同じ挙動であるかを保証することはできないが、持てる時間の中で可能な限り検証を進めた。果たして第9世代CoreはRyzenキラーとなり、メインストリームCPUの覇権を取り戻せるのか?

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締切ギリギリでお借りできたトレイ版(BTOメーカー納入用のパッケージ無しモデル)のCore i9-9900Kの表と裏。

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ソケット形状はLGA1151のままだが、Core i7-8700K(写真右)と並べてみると微妙にヒートスプレッダーの形状が変わっていることがわかる。

ソルダリングになった14nm++の第9世代Core

まず簡単に第9世代Coreはいかなるものかをまとめておこう。プロセスルールは14nm++のままで第8世代Coreから変化はないが、3製品のうち上位2モデルは物理8コアとなる。お約束の開発コードネームに関してはインテルから公式に明言されていないが、業界内では“Coffee Lake Refresh”あるいは“Coffee Lake-S Refresh”などと呼ばれている。

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第8世代Coreの同セグメントモデルやCore Xシリーズの8コアモデル「Core i7-7820X」とスペック比較。

既存のラインとスペックを比較してみると、最上位のCore i9-9900Kのみがハイパースレッディング(以下、HT)対応で、他2モデルはHT非対応。Core i5とi7というラインで眺めると、Core i5はコア数据え置きでクロック増のみの進化にとどまったが、Core i7はHT無効化で論理コア数(=スレッド数)は減ったものの、物理コア数は純増という点に注目したい。

以下に第9世代Coreの見どころを簡単に箇条書きでまとめてみた。

1)Core i9-9900Kは8コア/16スレッド、最大5GHz、L3大盛り

パフォーマンス重視派にはCore i9-9900Kは大きな魅力。最近のインテル製CPUはシングルスレッドもマルチスレッドも速いのがウリで、特にグラフィックスボードの性能をフルに引き出すにはインテル製CPUのシングルスレッド性能が欠かせない。重量級ゲーム迎撃用としては非常に嬉しいスペックアップだ。

第9世代Coreのターボブースト(以下、TB)時のクロック変動の仕様は現時点で公式なデータはないが、QS版で試した限り、Core i9-9900Kでは8コアすべてに負荷をかけた場合、4.7GHz動作であることが確認できた。

さらに物理1コアに対するL3キャッシュの容量もi7/i5より多く、値段が高いなりの“特別感”あふれる仕様になっている点は評価したい。Core Xブランドが出る前なら確実に“Extreme Edition”と付けられていてもおかしくない仕様だ。

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「CPU-Z」を使ってCore i9-9900Kの情報を拾ってみた。8コア/16スレッドの表記が眩しい。まだ正式に対応していないためか、Core Xのロゴが出ているのはご愛嬌だ。

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Core i9-9900Kの全コアに負荷をかけた状態でタスクマネージャーを見たところ。16個の論理コアのほか、約4.7GHz(BCLK変動で微妙に下がってはいるが)動作が確認できた。

2)全ラインK付きなので倍率はアンロック済み(OC可能)

3)ヒートスプレッダーとダイの間のTIMがグリスからソルダリングに変更

2)と3)はオーバークロック(以下、OC)でパワーをさらに引き出したい人にとっては嬉しいニュース。第3世代Core(開発コードネーム:Ivy Bridge)以降、ヒートスプレッダーとダイの間のTIM(Thermal Interface Material)が安価なグリスに置換され、OC時の発熱が十分にヒートスプレッダーへ伝わらないことが問題視されてきたが、ソルダリング(はんだ付け)への回帰で熱問題は大きく改善することが期待される。

4)CPU内蔵GPUはIntel UHD Graphics 630のまま

5)公式サポートするメモリーの最大クロックもDDR4-2666のまま

CPU内蔵GPUは従来と同じIntel UHD Graphics 630(以下、UHD 630)。実質的にKaby Lakeから2世代据え置きである。もっともインテルは元AMDのRaja氏を迎え入れ、自社製GPU獲得の野望を再燃させているので、既存の内蔵GPUにリソースを割く考えはあまりないのかもしれない。

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内蔵GPUの情報を「GPU-Z」で拾ってみたが、特別有益な情報は得られなかった。

6)Meltdown V3(Rogue Data Cache Load)とV5(L1 Terminal Fault)にハードウェアレベルで対応

これはすべてのユーザーに恩恵のある改善点だろう。特にこれまでのインテル製CPUで「Meltdown V5」に完全な対処をするにはHTを無効化する必要があったのだが、第9世代Coreではハードウェアレベルで対応したので、性能を犠牲にせずセキュリティーが高められたことになる。ただし、その肝心のHTを利用できるCPUが最上位1製品だけというのはやや残念なところだが……。

7)チップセットはZ390の他にZ370/H370/B360/H310で運用可能

8)Z390搭載マザーボード以外は対応BIOSへの更新が必要

最後にマザーボードの話になるが、第9世代Coreは先日発売されたばかりのIntel Z390チップセット搭載モデルのほかに、既存のIntel 300シリーズチップセット搭載モデルでも動作する。ただし、Z390以外で動かすなら、事前に対応BIOSへの更新が必要だ。秋葉原などのPCパーツショップに並んでいる製品には更新済みを示すシールなどが貼られているものもある。しかし、手持ちのマザーボードを使い回す、あるいは友人から譲り受けるなどの場合は十分注意したい。

そしてもう1つ、ミドルレンジ以上のZ390搭載マザーボードでは、CPUの補助電源の仕様が事実上8ピン以上に標準化していることに注意。最上位のCore i9-9900KのTDPは6コアのCore i7-8700Kなどと同じ95Wに据え置かれているが、インテルが謳うTDPは現実の消費電力に即していないことが多い。

そのため、OCも視野に入れたミドルレンジ以上のマザーボードでは、VRMのフェーズを多めに搭載し、補助電源コネクターのピン数も多くなっている。それなりにOCできそうなマザーボードでは8ピン+4ピンまたは8ピン+8ピンが事実上のスタート地点と言える。

もちろん、8ピン+4ピンや8ピン+8ピン仕様のマザーボードで使う場合でも、メインの8ピン側に電力を供給すれば動作する(設計的にそれを禁じてなければだが)。なので、無理にEPS12Vを2系統備える電源ユニットに乗り換える必要はない。あくまでOCする際の安定性を向上させるためのものだと捉えよう。

第8世代CoreやRyzen 7 2700Xとガチンコ比較

それでは今回の検証環境を紹介しよう。今回は第9世代Core3製品(すべてQS版)が、第8世代Coreのi7-8700Kとi5-8600Kに対してどの程度性能が向上したかをメインにチェックする。もちろん、メインストリームでインテルからベルトを奪ったRyzen 7 2700Xも準備した。

また、メモリー設定はXMP(Ryzen環境のマザーボードではD.O.C.P)を有効化し、各CPUの定格最大クロックで運用する。BIOSのブースト系機能に関しては、すべてマザーボードのデフォルト値で運用することにした。

【検証環境:インテル】
CPU:Intel「Core i9-9900K」(8C16T、3.6GHz~5GHz)、Intel「Core i7-9700K」(8C8T、3.6GHz~4.9GHz)、Intel「Core i7-8700K」(6C12T、3.7GHz~4.7GHz)、Intel「Core i5-9600K」(6C6T、3.7GHz~4.6GHz)、Intel「Core i5-8600K」(6C6T、3.6GHz~4.3GHz)
マザーボード:ASUS「ROG STRIX Z390-F GAMING」(Intel Z390、BIOS 0506)
メモリー:G.Skill「F4-3200C14D-16GFX」×2(8GB×4、DDR4-2666で運用)
グラフィックス:NVIDIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」
ストレージ:Western Digital「WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット:SilverStone「ST85F-PT」(850W、80PLUS Platinum)
CPUクーラー:CRYORIG「A40」(簡易水冷、240mmラジエーター)
OS:Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(April 2018 Update)

【検証環境:AMD】
CPU:AMD「Ryzen 7 2700X」(8C16T、3.7GHz~4.3GHz)
マザーボード:ASUS「ROG STRIX X470-F GAMING」(AMD X470、BIOS 4024)
メモリー:G.Skill「F4-3200C14D-16GFX」×2(8GB×4、DDR4-2933で運用)
※その他のパーツやOSはインテル環境と共通。

基本性能チェックから頭角を現わすCore i9-9900K

では早速「CINEBENCH R15」での力比べから観察していこう。インテルのCore i9-9900K対AMDのRyzen 7 2700Xの頂上決戦のほか、6コア/12スレッドのCore i7-8700Kと8コア/8スレッドのCore i7-9700Kはどちらが上かが見どころとなる。

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「CINEBENCH R15」のスコアー。

8コア/16スレッド対決の結果は、グラフの通りCore i9-9900Kの圧倒的勝利。8コアすべてが4.7GHzで動くだけにスコアーも高い。Ryzen 7 2700XにはPrecision Boost Overdriveというブースト機能があるが、これを効かせてもせいぜい1800cb後半だ。インテルが見事メインストリームCPUのパフォーマンストップを奪還したと言えるだろう。シングルスレッドも215cbと、さらに速くなっている点も見逃せない。

そして、新旧Core i7対決に目を向けると、マルチスレッドテストでCore i7-9700KがCore i7-8700Kを上回った。Core i7-8700Kのほうが論理コア数で4コア多いが、物理コアの数には勝てなかった。HTでコアが増えたとしても、増えたぶんのコアは物理コアよりも性能が劣るというセオリーどおりの結果となったのだ。

一方で、Core i5はスペックに大きな変化はなく、クロックが上がっただけなのでスコアーも微増程度。第9世代Coreの中ではCore i5-9600Kが一番新鮮味に欠ける製品と言わざるを得ない。

続いて総合ベンチマーク「PCMark 10」で様々なシチュエーションにおける性能の傾向を掴んでおこう。テストは全テストグループを実行する“Extended Test”を利用する。総合スコアーだけでは優劣の傾向がつかみにくいので、テストグループ別のスコアーも合わせて比較する。

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「PCMark 10」Extended Testのスコアー。

PCMark 10はマルチスレッド処理を使うシチュエーションも想定されているが、同格のCPUなら動作クロックの高いものが高スコアーになりやすい。総合スコアーでCore i5-9600KとCore i5-8600Kの差が大きいのは、クロック上昇ぶんの効果が大きいと考えられる。また、Core i5-9600KはRyzen 7 2700Xにも勝っているのが興味深い。

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「PCMark 10」Extended Testのテストグループ別スコアー。

テストグループ別のスコアーに目を向けると、負荷の軽い“Essentials”と“Productivity”では、ターボブーストの最大クロックが高いCore i9-9900K&Core i7-9700Kが上位を占めている。Ryzen 7 2700Xはクロックが低いため、この2テストでは第8世代Core i5並みのスコアーに甘んじている。だが、動画エンコードやCGレンダリングを扱う“Digital Contets Creation(DCC)”では、第9世代Coreの上位2モデルには及ばないものの、物理8コアの存在感を示せているようだ。

そして、“Gaming”はCPUの計算力(物理演算テスト)が加味されるため、CINEBENCH R15の傾向がそのままスコアーに反映された。どのテストグループでもCore i9-9900Kが突出していることがわかったはずだ。また、Ryzen 7 2700Xは依然ゲーミングではCore i5より下の存在ということがわかる。

クリエイティブ系処理でも強い第9世代Core

では、実アプリ中心のベンチマークに入ろう。マルチスレッドを生かす作業なら映像制作系のアプリが好適だ。

まずはCGレンダリング系ベンチマークを2本チェックする。1本目はCGレンダラー“V-Ray”のコアを使った「V-Ray Benchmark」、2本目はフリーのCG作成アプリ「Blender」だ。V-RayもBlenderもCPUのみを使うレンダリング時間を比較する。Blenderは公式ブログで公開されている「Cycles Benchmark」のうち“bmw27”、“pavilion_barcelona”、“barbershop_interior”の3本を使用した。

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「V-Ray Benchmark」のCPUレンダリング時間。

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「Blender」+「Cycles Benchmark」のCPUレンダリング時間。

どちらのテストも最速はCore i9-9900K、2番手はRyzen 7 2700Xの8コア/16スレッドCPUが独占した。しかし、3番手はテストによって異なった。V-Rayは物理コア数の多いCore i7-9700Kが僅差でCore i7-8700Kを制したが、Blenderは逆に論理コア数の多いCore i7-8700Kのほうが速い。このあたりは処理の仕組みの差と考えられるが、実はもうひとつ重要なファクターが隠されている。これに付いては後ほど解説したい。

V-RayもBlenderも概ねCINEBENCH R15と同傾向ということがわかったので、次は動画エンコード系の処理を試してみる。

まずは「Premiere Pro CC」で作成した8K動画(4K動画4枚を並べただけのもの)を「Media Encoder CC」を用いて8KのMP4形式に書き出す時間を比較する。ビットレートは50Mbpsとし、H.264は2パスVBR、H.265は1パスVBR(Media Encoder CC側の仕様)とした。また、CUDAを利用した「Mercury Playback Engine」を利用している。これを使わないと処理時間がとんでもなく長くなるためだ。

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「Media Encoder CC」の動画エンコード時間。

H.264に関してはV-Rayなどと同傾向。ここでは物理コア数の多いCore i7-9700KがわずかにCore i7-8700Kをかわしている。一方で、H.265になるとやや傾向が変わる。

首位はCore i9-9900Kで同じだが、H.264では2位だったRyzen 7 2700Xがスローダウンし、Core i7-8700Kとほぼ同着となった。また、Media Encoder CCはThreadripperのようなメニーコアCPUで運用するとコア1個あたりの負荷が上がりきらなくなるので、Core i9-9900K程度のCPUのほうがコスパがいいだろう。

もうひとつ動画エンコード系として「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を試す。再生時間約6分半の4K動画(NVIDIA ShadowPlayでゲームプレイを撮影したもの)をTMPGEncでフルHDに縮小しながら、2パスVBRでMP4形式に書き出していく。エンコーダーはx264及びx265を利用したが、インテル製CPUのみグラフィックスボードを取り外し、CPU内蔵GPUのIntel QSV(Intel Media SDK Hardware)を利用した処理時間も比較した。ビットレートはTMPGEncの推奨値をそのまま利用している。

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「TMPGEnc Video Mastering Works 6」による動画エンコード時間。

こちらのテストではCore i7以上のCPUが上位を独占。ただし、Core i9-9900KとCore i7-9700Kで大きな差は出ていない。また、Ryzen 7 2700XはTMPGEncのエンジンとはあまり相性が良くないこと、H.265の処理がMedia Encoder CCと同様に遅いことなどがわかる。

今度はもう少しライトなクリエイティブ系作業の例として「Lightroom Classic CC」を利用したRAW現像の変換処理を試す。200枚のNEF形式の画像(6000×4000ドット)を読み込ませ、DNG形式に変換する時間と、そのDNGを最高画質のJPEGに書き出す時間をそれぞれ計測した。JPEG書き出し時にはシャープネス処理(スクリーン用、適用量は“標準”)を付与している。

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「Lightroom Classic CC」による200枚のRAW画像処理時間。

まずNEF→DNG変換はCPUへの負荷が軽微であるため、コア数よりもクロックのほうがテスト結果に響くようだが、各CPUでそれほど差がない。Ryzen 7 2700Xが最も遅いのはシングルスレッド性能の遅さに起因すると言ってよいだろう。

そして、DNG→JPEG変換は、変換処理よりもシャープネス処理のほうが重い。全コアほぼ均等に負荷をかけるためコア数の多いCPUが有利だが、Core i9-9900KとCore i7-9700Kはほぼ同着。その下に物理6コアモデルが団子になって続いている。AMDの物理8コアCPUであるRyzen 7 2700XはLightroomの処理に関しては物理6コアの第9世代Core i5並みの性能しか出せていない点に注目。コア数とクロック、コアのIPCの3つが高くないと上位へ食い込むことは難しいだろう。

GeForce RTX 2080 Tiを生かすなら9900Kか9700K

ではゲーム系のベンチマークも見てみよう。今回グラフィックスボードはシングル最速のGeForce RTX 2080 Ti Founders Editionを準備し、極力GPUがボトルネックになることがないように配慮した。ただし、ハイエンドGPUを使って画質を落として遊ぶのは(筆者的に)考えたくないので、テストは最高画質でのパフォーマンスを考える。

まず実際のゲームタイトルで試す前に「3DMark」のスコアーをチェックしてみよう。PCMark 10のGamingテストグループは“Fire Strike”とほぼ同じなのでだいたいの傾向はつかめているが、DirectX12ベースの“Time Spy”や“Time Spy Extreme”などの重量級テストのスコアーをチェックしたい。

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「3DMark」のスコアー。

Fire StrikeのスコアーはほぼPCMark 10の傾向と一致する。PhysicsテストなどでCPUの演算性能がスコアーに加味されるとはいえ、Ryzen 7 2700Xはスコアーが伸び悩む。

一方で、Time SpyなどDirectX12ベースのテストになると、Ryzen 7 2700Xも存在感を示してくるが、トップはCore i9-9900Kで揺るがない。シングルスレッド最速のCPUはやはり強いのだ。ただし、HT非対応でL3キャッシュも少ないCore i7-9700Kもかなり健闘している。

では実際のゲームでの性能を見てみよう。まずはCPU負荷が比較的軽めなFPSタイトル「Far Cry 5」で試す。画質は“最高”、ゲーム内ベンチマーク機能を用いて計測した。

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「Far Cry 5」1920×1080ドット時のフレームレート。

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「Far Cry 5」2560×1440ドット時のフレームレート。

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「Far Cry 5」3840×2160ドット時のフレームレート。

RTX 2080 TiのパフォーマンスがCPUひとつで大きく変化することがよくわかる結果となった。平均フレームレートだけを見ても、フルHDでは1位のCore i9-9900Kと最下位のRyzen 7 2700Xでは36fpsもの差がついた。フルHD環境でなら、Core i9-9900Kを使えば画質“最高”でも144Hz駆動の高リフレッシュレートなゲーミング液晶ディスプレーになんとか見合うフレームレートが得られる。

ただし、解像度を上げて描画負荷を増やすと差が縮まり、4Kではほぼ横一線に並んでしまうのも事実。GPUバウンド率100%に近づく、つまりGPUがボトルネックになるほどCPUの性能は無視されるわけだ。

続いては「Shadow of the Tomb Raider」。今回の検証はOSもゲーム側もRTX非対応バージョンで検証している。APIはDirectX12、画質は“最高”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を用いて検証した。リザルトではかなり細かい数値が出るが、今回は「CPU-ゲーム」、つまりCPUで実行される処理(レンダリング以外)のフレームレートと、ベンチマークのシーン全体のフレームレート(シーンAvgと表記)も一緒に比較する。

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「Shadow of the Tomb Raider」DirectX12モード、1920×1080ドット時のフレームレート。

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「Shadow of the Tomb Raider」DirectX12モード、2560×1440ドット時のフレームレート。

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「Shadow of the Tomb Raider」DirectX12モード、3840×2160ドット時のフレームレート。

まず上のグラフではシーンAvgが実際に画面に表示されるフレームレートを示す。このゲームでは物理コア数のほうが論理コア数よりも効くようで、Core i7-9700KはCore i7-8700Kよりもわずかに上回っている(誤差程度とも言えるが)。そして、CPUフレームレートもこれまで見てきたCPUのパフォーマンスを裏付けるような傾向となった。

なお、解像度を上げるとシーンAvgは低くなるのにCPUフレームレートは高いままになるのは、GPUの処理が詰まってそこがボトルネックになっていることを示している。つまり、CPUが無駄に処理をしてGPUの仕事が終わるのを待っている状態だ。このゲームの場合、WQHDより上の解像度になるとRTX 2080 TiでもGPUの待ち時間が長くなるため、Core i9-9900Kの速さがアドバンテージにならなくなるのだ。

では、直近の超重量級アクションゲームである「Assassin's Creed Odyssey」もチェックしてみたい。画質は“最高”とし、ゲーム内ベンチマーク機能で計測した。ただこのベンチのフレームレートは変動が激しいため、複数回計測して中庸な結果をピックアップしている。

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「Assassin's Creed Odyssey」1920×1080ドット時のフレームレート。

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「Assassin's Creed Odyssey」2560×1440ドット時のフレームレート。

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「Assassin's Creed Odyssey」3840×2160ドット時のフレームレート。

ここ数年、ユービーアイソフトのタイトルはマルチコアCPUを上手く利用したゲームづくりをしているが、本作においてもその傾向は変わらない。ここでも解像度が低くGPUバウンド率が下がるとCPUの力の差が如実に出てくる。また、平均フレームレートでCore i9-9900KとCore i7-9700Kの差が小さい点に注目。Core i9-9900Kの強みであるL3キャッシュの多さも、このクラスのゲームではアドバンテージにはなっていない。

PUBG配信プレイでも圧倒的存在感の第9世代Core

次はPUBGこと定番バトルロイヤルゲーム「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」のフレームレート比較だ。画質は“ウルトラ”とし、マップ“Erangel”におけるリプレイデータ再生時のフレームレートを「OCAT」で計測する。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」1920×1080ドット時のフレームレート。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」2560×1440ドット時のフレームレート。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」3840×2160ドット時のフレームレート。

CPU負荷はかなり軽いほうのゲームだが、フルHDテストにおける平均フレームレートは1位のCore i9-9900Kと最下位のRyzen 7 2700Xでは20fps以上も差が出ている。また、PUBGでも解像度がWQHD以上になれば差が縮まる点はこれまでの検証ゲームタイトルと変わらない傾向だ。

同傾向の結果が続いていささか食傷気味なので趣向を変えて、PUBGの裏にプレイ動画の録画&配信という要素を追加した“メガタスク”状況でのパフォーマンスもチェックしてみた。配信ツールは「XSplit Broadcaster」とし、Twitchへ8000kbpsで配信、ローカルへの録画は“Very High”設定とした。PUBG側の条件は前テストと同じにしている。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」+「XSplit Broadcaster」録画&配信時における1920×1080ドット時のフレームレート。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」+「XSplit Broadcaster」録画&配信時における2560×1440ドット時のフレームレート。

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「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」+「XSplit Broadcaster」録画&配信時における3840×2160ドット時のフレームレート。

プレイのみの時と比べてガッツリとフレームレートが落ちたわけだが、それでもフルHD時はCPUのパワー差がそのまま反映されている。ただし、ここでも論理コアもL3キャッシュも多いCore i9-9900Kは、Core i7-9700Kに対して明確なアドバンテージを出せていない印象だ。

ここで軽くCPU内蔵GPU使用時のパフォーマンスもチェックしておこう。「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク(以下、FF14ベンチマーク)で検証。CPU内蔵GPUの性能に合わせ、FF14ベンチマークの画質は“標準品質(ノートPC用)”とし、テスト解像度も控えめにしている。CPU内蔵GPUを持たないRyzen 7 2700Xは計測対象から外している。

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CPU内蔵GPU使用時の「3DMark」のスコアー。

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CPU内蔵GPU使用時の「FF14ベンチマーク」のスコアー。

負荷の軽い状況では上位のCPUほどスコアーが伸びているが、これはCPU側のクロック増に反応したにすぎない。第8世代Coreと第9世代CoreにおけるCPU内蔵GPUはGPUの最大クロックに至るまでまったく同じなのである。

消費電力測定で見えた謎の挙動の調査

実用アプリとゲームでの性能比較が終わったところで、気になる消費電力のチェックに入ろう。前世代からTDP据え置きとはいえ、消費電力の実測値はTDPと乖離している……というのが近年のインテル製CPUの傾向だが、コア数の増えた第9世代Coreも同じなのだろうか?

そこでシステム起動10分後の安定値を“アイドル時”、「OCCT Perestroika v4.5.1」の“CPU Linpack(64bit/AVX/全論理コア)”を最低15分続けた時の安定値を“高負荷時”、そしてOCCT中の最大値を“最大値”としている。なお、CPU内蔵GPUのみで計測した時の数値も示しておく。

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システム全体の消費電力。

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CPU内蔵GPUのみの時のシステム全体の消費電力。

なぜ消費電力を高負荷時と最大値の2つに分けたかというと、上位CPUは高負荷時の消費電力の変動が非常に大きいためだ。Core i9-9900K及びCore i7-9700Kは消費電力が一時的に大きな値を出すが、大部分の時間は低めで安定する。

具体的にはCPU Linpackでメモリー使用量が最大値を記録してからほんの数秒の区間に最大値が出るような挙動をとる。また、時々急激に消費電力が増える時もあるがすぐに戻る。だがCore i5-9600K以下の物理6コアモデルに関しては、電力の高負荷時と最大値に大きな違いはない。つまり、8コアモデルだけパワーの絞り出し方が違うのである。

そこで「HWiNFO」を利用してCore i9-9900Kにおけるクロックの推移を調べてみると、最大値に近い消費電力を示すステージでは全コア4.7GHzだが、数秒あとには全コアがパタッと4.2~4.3GHzあたりまで落ちる。クロックが落ちれば消費電力が下がるのは道理だ。

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Core i9-9900KをOCCTで超高負荷状態においた時のコア0のクロック推移を「HWiNFO」で捉えたところ。左端の1段高い部分が4.7GHzで、このクロックを出せてもあっという間に4.2GHz、この図では右半分の平らなレベルに落ちてしまう。

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今回のテスト環境では、超高負荷時のCPUコアの倍率はほぼ42倍と43倍を行き来していた。

ではこのクロック低下は何が原因なのか? まず考えられるのは発熱があまりにも大きすぎて、サーマルスロットリングがかかっているという可能性。8コアで動作クロックを盛りすぎたのではないか? 以下のグラフはOCCT中のTcase、つまりCPUパッケージ温度とCPUコアの倍率(8基のうち最も高いもの)を追跡したものである。

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Core i9-9900KでCPU Linpack実行中のCPUパッケージ温度とCPUコアの倍率。

まず倍率からチェックすると、グラフ左端の乱高下している部分は、計算データを準備するフェーズで、その直後に出るフラットなフェーズから本格的な負荷が始まる。グラフの時間軸(横軸)で2分手前までは47倍、すなわち4.7GHz動作を維持するがその直後に43倍動作に落ち込む。この47倍動作時のCPUパッケージ温度の最大値は63℃で、これはサーマルスロットリングがかかるにはほど遠い温度だ。つまり、温度以外の要因によって倍率(クロック)が引き下げられていることになる。

そこで注目したいのが「Power Limit」フラグ。これは文字通りCPUの消費する電力量が過大になると立つフラグだが、このフラグの状態とCPU倍率を観察してみよう。Power Limitフラグは物理コア単位で立つが、8基あるコアのうち1基でもフラグが立っていたら、その区間は“Power Limitフラグが立っていた”と判定して集計した。下のグラフで赤く塗られた領域がPower Limitフラグが立っている時間帯を示す。

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Core i9-9900KでCPU Linpack実行中のCPUコアの倍率とPower Limitフラグの状態。

倍率が47倍から43倍にシフトダウンするトリガーになったのは、間違いなくPower Limitフラグのせいだということがわかる。Core i9-9900KとCore i7-9700K、Core i7-8700Kの“高負荷時”の消費電力が比較的近い(143~162W)のは、TDP95W内に収めようとした結果ではなかろうか。

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Power Limitフラグ(正確にはPower Limit Exeeded)は「HWiNFO」でこのように確認できる。サーマルスロットリングが立っていなくても、このフラグが立てば強制的にクロックが落ちるのだ。

この奇妙な仕様は何が原因なのか? 理由としては「今回テストしたCPUがQS版だから」、「マザーボードの補助電源の電力不足」、「マザーボードのBIOSチューニング」の3つ、あるいはその複合が考えられる。

そこで追加テストとして、16+2フェーズの電源回路を備えるMSI製Z390搭載マザーボード「MEG Z390 GODLIKE」(CPU補助電源仕様は8ピン+8ピン)と、同じMSI製でも最安の部類に入るZ390搭載マザーボード「Z390-A PRO」(CPU補助電源仕様は8ピン)を用意。Core i9-9900Kを装着し、同じ条件でOCCTを実行した時のCPU倍率とPower Limitフラグの推移を追跡してみた。

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MSI「MEG Z390 GODLIKE」+Core i9-9900KでCPU Linpackテストを実施した時のCPU倍率とPower Limitフラグの推移。

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MSI「Z390-A PRO」+Core i9-9900KでCPU Linpackテストを実施した時のCPU倍率とPower Limitフラグの推移。

この2枚のマザーボードではPower Limitフラグは終始立たず、47倍動作で安定した。この結果から、CPUがQS版だからという疑惑は100%解消されたわけではないが、マザーボード側のフェーズ数や補助電源の仕様によるものとは考えにくい。恐らく今回テストに用いた「ROG STRIX Z390-F GAMING」のBIOSがかなり消費電力に関して保守的なチューニングになっているためだと思われる。

無論、「ROG STRIX Z390-F GAMING」は同社の鉄板シリーズの後継製品なので、この状態のまま放置するとは思えない。今後修正BIOSがリリースされることだろう。ROG STRIX Z390-F GAMINGのBIOS熟成が楽しみだ。

さて、ここで強調しておかねばならない点がある。それは今回筆者が使った環境においてでも、Core i9-9900KフルロードでPower Limitフラグが立たなければ実用上「まったく問題ない」ということだ。ざっくりと試した範囲だと、OCCTやBlenderなどの計算を全力で行なうアプリではPower Limitによるパワーダウンが発生しやすいことがわかった。

よってBlenderのレンダリング速度はBIOSが改善されれば、もう少し処理時間が短縮する可能性がある。事実、MSI製マザーボードでCore i9-9900Kを使って“pavilion_barcelona”をレンダリングしたところ、1分前後の短縮が確認できた。

ゲームにおいては超重量級のゲームでも配信をせずにゲーム単体だけを動かすならフラグは立たない。また、マルチスレッド化が進んでいない大半のゲーム(PUBGなど)なら、XSplitで配信させても、CPUの余力は十分残されているのでパワーダウンしない。

ただし、Assassin's Creed Odysseyのように元々CPU負荷の高めなところにXSplitのような処理を重ねると、時々フラグが立つことがあるのでパワーダウンの可能性はあるが、GPU依存が高いので表面的には気づかない……というところに落ち着くだろう。

これだけでは実用性のない情報なので、RTX 2080 Ti FEを使って「Shadow of the Tomb Raider」を10分程度遊んだ時の消費電力の最大値を見てみよう。作業時間の都合上、第9世代Coreの3製品のみに絞って比較する。

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Shadow of the Tomb Raider」プレイ中のシステム全体の消費電力。

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「Shadow of the Tomb Raider」プレイ中のCPU占有率。16基の論理コアすべてに負荷がかかっている。CPUのクロックは常に変動する感じだ。

やはり、Core i9-9900KとCore i7-9700Kの物理8コアCPUは6コアのCore i5-9600Kと比べて、1段高い最大値となった。しかしながら、現在最速のRTX 2080 Tiでも1枚運用ならゲーム中でも500Wは超えない。電源ユニットは750Wクラスであれば十分養えるだろう。

全コア5GHz OCするとどうなる?

最後に全コアを5GHzにOCした時のパフォーマンスを軽くチェックしておこう。第9世代Coreの3モデルに対し、BIOS上でコア倍率を全コア50倍に設定する。コア電圧はOCCTのCPU Linpackで最低15分もつ程度に盛ることにしたが、Core i5-9600Kは今回の作業時間内で最適値を見つけ出すことができなかったことをお断りしておく。

コア電圧の設定値はAutoではなく、ROG STRIX Z390-F GAMINGに搭載されたAI Overclocking機能が推測した5GHz動作のための予測値をベースに調整した。具体的にはCore i9-9900Kが1.29V、Core i7-9700Kが1.39V、Core i5-9600Kは予測値を使わずオフセット+0.12Vとした。

それでは「CINEBENCH R15」、「Blender」、「Media Encoder CC」の結果をまとめてチェックしよう。

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「CINEBENCH R15」のスコアー。

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「Blender」Cycles Benchmarkにおける1フレームのレンダリング時間。

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「Media Encoder CC 2018」の動画エンコード時間。

5GHzにOCすることで各CPUは順当に性能を上げていることがわかる。全コア5GHz動作など、Core i9-9900KではOCのうちに入らない設定であるため、Core i7-9700Kよりも電圧を盛らずに達成できた点はラクだった。

では消費電力も比べておこう。計測条件は前述と同じだ。

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システム全体の消費電力。

8コアCPUにおける消費電力の傾向は定格時と同じような感じだが、OC状態にすると消費電力は下がってもクロック(倍率)は低下しなかった。定格運用でPowe Limitフラグを気にするぐらいなら、いっそのこと軽くOCして安定させてしまうのもアリかもしれない。もちろん、OCは保証外の自己責任行為だが……。

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Core i9-9900Kを全コア5GHzにOCすると、CPU LinpackでもPower Limitフラグが立たずにクロックは5GHzで安定した。

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ちなみに、Core i7-9700KでCPU Linpackが15分もつようにCPUのコア電圧を1.39Vに盛ったところ、CPU温度はたちまち100℃近くまで上がった。

まとめ:Ryzenを蹴散らす物理8コアは圧巻、懸念点は供給量のみ

以上で第9世代Coreの3製品レビューは終了だ。今回はレビュワーズガイドも提供されず、この挙動は正しいのか否かを探り当てるのにかなり回り道をしたが、消費電力以外のパフォーマンスについては、実際の製品とそれほど変わらない値が出たと確信している。

今回最も輝いていたのは、言うまでもなくRyzenからメインストリームCPU最速の座を奪還したCore i9-9900Kだろう。無論、実売価格は6万円台とメインストリームではかなり高価だが、CGレンダリングや動画エンコードといった分野ではとにかく強い。

ゲーム目的ならHTのないCore i7-9700Kも非常に良い選択肢だ。実売価格は5万円台前半なので、同価格帯のCore i7-8086Kを買うならCore i7-9700Kを買ったほうが良い。CPUの脆弱性対策が施されている点も見逃せない。

上位陣の輝きに対し、Core i5-9600Kの存在感は希薄だ。CPUスペック的に変わったのはクロックだけ、という製品なので仕方がないが、これからCore i5で組む人ならともかく、従来のCore i5-8600Kから乗り換える価値はあまりない。ただし、ゲーミング用途ではRyzen 7 2700Xよりも性能が高く、なおかつ2000~3000円ほど安いというかなりコスパの良い選択だろう。

AMDへのカウンターパンチとして登場した第9世代Coreだが、今後供給量が十分確保できるかどうかが懸念事項として残る。10nmプロセスへのスムースな移行に失敗したインテルは、14nmプロセスで踏ん張る構えを見せているが、その判断はあまりにも遅かった。今回の品不足もそれが一因と言えるだろう。生産体制の強化に期待したい。

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インテル

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