「JKビジネス」女子がみんな欲しがるモノ

「JKビジネス」女子がみんな欲しがるモノ

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  • 更新日:2018/01/12

性風俗で働く人のための無料生活・法律相談サービスを行っている「風テラス」。その活動に携わる弁護士の安井飛鳥さんより、近年メディアなどで関心が高まっている「社会的養護」の現状と、性風俗との関係について語っていただいた。「セックスワーク・サミット2017」第3部より。 第2回〈児童福祉と少年司法の狭間で苦しむ子ども達〉に続く第3回。

●「風テラス」でしていること

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風テラスの実践についてお話します。風テラスでは弁護士とソーシャルワーカーがタッグを組んで、性風俗の世界で働く女性たちの法律問題から生活の悩みまで幅広く相談を受けています。誤解されがちですが、決して性風俗をやめさせて公的支援につなぐための取り組みではありません。性風俗で働いていることを前提とした相談で、あくまで本人の目の前の困りごとに対応する、というスタンスで関わります。支援をする中でその人が性風俗をやめるという選択をするのであればその選択を尊重しますが、こちらから強く促したりはしません。

性風俗で働く女性の相談というと、何やら凄惨な、貧困の極致みたいな相談があるのではないか、といったイメージを持たれる人がいるかもしれませんが、実際の相談内容自体は、借金、離婚、子育て、養育費の請求、就労など、普段私たちが日頃の相談業務で受けているようなものとほとんど変わりがありません。そもそも性風俗で働いている女性が皆生活に困窮しているわけでも、支援を必要としているわけでもありませんし、嫌々働いているわけでもありません。

また性風俗で働く女性たちは、福祉につながる機会がなかった人と思われがちですが、必ずしもそうではありません。むしろ、過去に何かしらの相談機関に関わっていたり、既に弁護士に依頼をしている人も少なくありません。ではなぜあえて風テラスに相談するのかというと、性風俗で働いていることを福祉機関や弁護士には言いづらいから。性風俗で働いていることを否定されるかもしれない、悪く思われるかもしれないという不安から状況がややこしくなっているという方が多い印象です。つながっているはずの支援者がつながり切れていない、支援者側が性風俗を蔑視しすぎることが、かえってそこで働く人たちを支援から遠ざけて生きにくくさせてしまっているようにも思います。また、相談される女性の中には生活保護や福祉制度を利用したいという人もいるのですが、こうした人たちが実際に制度を利用しようとするとこれがなかなか使いづらい。福祉機関側の支援者に性風俗の就労実態が理解されていない。性風俗が就労と認められない。福祉の制度や支援が性風俗で働く人たちのニーズにマッチしていない。社会福祉と性風俗の溝の深さを感じます。

●「JKビジネス」で働く女の子たちが欲しがっているものとは?

私がもともと子ども・若者領域を専門としていることもあり、風テラスの取り組みを続けていく中で、いわゆるJKビジネス、派遣型リフレと呼ばれている業態で働いているより若い年齢の女性たちへのアプローチができないかと考えるようになりました。

現在、JKビジネスと呼ばれている多くの店舗は、18歳未満の「アンダー」と呼ばれる少女たちではなく、18歳を超えている「オーバー」と呼ばれている若者たちが働いています。正確に言えばJK「風」ビジネスですね。違法ではない業態です。派遣型リフレでは、待機部屋がない無店舗型のお店も増えています。彼女たちは待機中、マクドナルドや喫茶店、ショップを回っていることが多いです。

リフレで働く女性達に限らず、この年代の若者全般にいえることですが、「弁護士やソーシャルワーカーが相談に乗りますよ」とアピールしても、具体的な相談のイメージがないのでほとんど響かないです。そもそも興味関心がないということも。そのため、従来の風テラスの枠組みで彼女たちにリーチすることは難しいと思いました。

そこで、実際に派遣型リフレで働く女の子たちにインタビューという形で話を聞きながら、色々知恵を絞って考えました。そうして、リフレで働く女の子たちにある程度共通したニーズが見えてきました。何だと思いますか?

それは、「スマホの充電器」でした。お店からの連絡は全てスマホのLINEなので、スマホの充電が切れた瞬間に、その日の仕事が終わってしまう。彼女たちにとって、スマホの充電場所の確保は、まさに死活問題です。

そこで私たちがとりあえず始めてみたのは、充電する場所の提供です。駅前の貸し会議室を借りて、彼女たちがフラッと立ち寄れる休憩場所をつくり、そこでスマホの充電や飲食ができるようにしました。利用は無料として代わりに簡単なアンケートに協力してもらいました。

私たちのスタンスは、そこで「被害の救済」だとか「貧困支援」だとかは考えません。ただ、充電する場所を提供するだけ。決してこちらからは踏み込まず、過去も詮索しない。でも彼女たちの気が向いたら話し相手にもなりますよ、という姿勢です。

●「他人には勧めない」仕事をする理由

休憩室では、女性たちはスマホをいじったり、化粧を直したりしています。積極的に話しかけてくる女性もいれば、他の女性が来ると居づらそうになって出ていってしまう女性もいます。地方から出稼ぎに来ている人もいれば、プロダンサーを目指していて、レッスン代を稼いでいるという人もいました。地下アイドルやホストのためのお金を稼ぎたい、という人もいる。とにかく若いうちに稼げるだけ稼いでおきたいという人もいる。

目標が明確な人もいれば、あまり計画性に乏しい人もいる。友達のネットワークを活かしている人もいれば、孤軍奮闘でがんばっている人もいる。どこかよそよそしくて人間不信が垣間見えるような女性もいれば、大学に通い、昼のバイトと兼務して、友人も多数と社交的な女性もいる。リフレで働く女の子といっても、本当に多種多様ということが分かりました。

昨今、JKビジネスで働く女性について、社会的養護や貧困に紐づけた特定のイメージの中で語られがちですが、私が接した女性たちはそういったイメージとは必ずしも一致しませんでした。

また、私が話を聞いた女性達の中で明確な困り感を見せる女性はほとんどいませんでした。強いて言えば、「どうやったら稼げるようになりますか?」という悩みくらい。法律的なことや福祉的なことで今現在困っているという声は出てこない。一方で、金銭感覚がおかしくなっていることや、いつ身バレするか、将来本当に辞められるのかといった漠然とした不安を持っている人は多数いました。

そして、「自分より年齢の低い子がこの仕事を始めると言ったらどのようなアドバイスをするか?」という質問をしたところ、「辞めておいた方がいいよ」「相当厳しいことになるよ」と、否定的な答えをする人が多かったのも印象的でした。リフレで働くことについて「やめるつもりもないし、これからも続けていく」と肯定的に話す人もいたのですが、そういう人であっても「他人には勧めない」と語りました。それはなぜなのでしょうか。

私が聴いたのはまだまだ一部の女性たちの声にすぎないので、今後ももっと色々な女性たちから声を聴いてリフレの実情やニーズをつかんで、子どもや若者に対する社会の認識や支援とのズレを考えていきたいです。

またリフレの女性たちの中には、性被害や性感染症に関する危機意識が低くて心配になる女性もいました。ただ、そこで上から目線で説教しても仕方ないので「何かあったら相談できるよ」「こういうことには気をつけて」とそれとなく情報を伝えて、記憶にとどめてもらい緩く細い糸をつなげる関わりを心がけています。

リフレの女の子たちが安全に働いて生活していけるためには色々な情報が必要ですが、そうした情報が必ずしも彼女たちに十分に行き届いていないと感じます。ですので、今後は、リフレ嬢向けのガイドブックみたいなものを作っていければと思っています。その中には福祉的な視点だけではなく、「稼ぐためにどういう工夫をしていけばいいか」といった彼女たちが欲している情報も入れていきたいと思います。彼女たちが興味を持って手に取ってもらえるようにして、ページをめくっていった先に、法律や福祉の情報もあるガイドブック。そうしたものが広まっていけば、多くの子に情報が届き、細い糸でつながることができるのではないか。その糸が、いずれは違法就労の現場にいてリーチすることが困難なアンダーの子たちにも広まっていってくれれば、と考えています。

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