Wikipediaの謎解明!ウィキメディア財団に「日本人はあまり寄付しないですね」と質問したら、熱い回答が返ってきた

Wikipediaの謎解明!ウィキメディア財団に「日本人はあまり寄付しないですね」と質問したら、熱い回答が返ってきた

  • @DIME
  • 更新日:2017/10/13
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日本、いや、全世界でお世話になったことのない人はいないであろう超絶便利ツール「Wikipedia」。私たちはウィキペディアの便利さを嫌というほど理解しているが、その歴史や運営の仕組みはイマイチ知らない。そこで今回はウィキペディアについて取り上げたい。

しかし! 筆者、いきなりつまずいてしまう。なんと日本には「ウィキペディア・ジャパン」的なものは存在しないのだ。詳しく調べてみると、有志でウィキペディアを支えている人々はいるが、それはすべてボランティア。しかも無償。そのためウィキペディアに関する公式見解が知りたいならば、ウィキペディアを運営する「ウィキメディア財団」に頼るしかない。この財団はアメリカ・サンフランシスコに本部があり、当然日本語は通じない。こりゃまいった。

そこで筆者は知人の通訳者・松澤友子さんの力を借りて、英語で取材を敢行した。ついでに「これぞ良い機会」とばかりに、「ウィキペディア上で編集合戦が起きているが、どう思います?」「日本人はウィキペディアにあまり寄付をしていないですね」など、つっこんだ質問もしてみた。

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■翻訳で垣間見たウィキペディアの文化

ウィキメディア財団からの回答を載せる前に、まずはウィキペディアの誕生についてご紹介したい。ウィキペディアには「ウィキペディア:プレス」というページがある。ここは報道関係者のための情報とリンクを集めているページで、そのひとつに「ウィキメディア財団のプレスルーム」がある。どうやらここもウィキペディアに関する公式見解が書かれているようだ。「ほう」と思い、筆者がリンクを開くと......。

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英語だった......。

筆者の英語力では1万年かかっても翻訳できそうにない。そこで松澤さんに「直訳で構わないので、ウィキペディアの歴史や概要が分かる部分を翻訳してほしい」と依頼した。そして後日、松澤さんから資料が届いた。翻訳が完成したそうだ。資料を開いてみると......。

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13000字......!? しかも「まだ翻訳していない部分があり、必要ならばそこも翻訳します」とのこと。なんて情報量なのか。ここで筆者は思い出した。ウィキペディアを覗いていると、まどろっこしいほど事細かに書かれた文章に出会うことがある。いつも「なぜこんな律儀で細かい文章を書くのか?」と疑問に思っていたが、どうやらそれは脈々と受け継がれるウィキペディアの文化だったのかもしれない。

話がそれてしまった。次はウィキペディアの誕生についてご紹介したい。

■ウィキペディアの誕生

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改めて説明すると、ウィキペディアとは世界最大の無料かつみんなで共有できる百科事典のことだ。誰でもいつでも投稿や編集が可能で、世界中合わせて4000万件以上の記事が掲載されている。毎月150億回以上の閲覧があり、世界で最も人気のあるサイトのひとつだ。

ウィキペディアの歴史は浅い。誕生したのは、なんと2001年1月。その誕生を語るには、ウィキペディアの前身となった百科事典「ヌーペディア」を語る必要がある。

ヌーペディアとは、専門家のみが編集する無料オンライン百科事典のことだ。その誕生は20世紀最後の年、2000年。いわゆる「2000年問題」への関心が高まっていた世間に応えるため、ラリー・サンガーは2000年問題のニュースをまとめたサイトを運営していた。しかし恐れていたような問題は起こらなかった。そこで新たなプロジェクトを模索するためサンガーが何人かにメールを送ったところ、ジミー・ウェールズが返信をした。

その返信にはインターネット百科事典のアイデアが書かれてあり、「この百科事典が世界中の学校で安価に使われるようになることが私の夢です」と熱く語っていた。これがヌーペディア誕生のきっかけだ。

しかしヌーペディアは、ウィキペディアのように誰でもいつでも投稿や編集ができるわけではなかった。専門性が高い故に参加資格が厳しく、編集プロセスも厳格で複雑であったため、ヌーペディアの記事は思うように数を伸ばさなかった。その状態を打開するため、ウェールズとサンガーは話し合い、新しいプロジェクトを開始する。「誰でもいつでも投稿や編集が可能」という新しい百科事典、ウィキペディアが誕生した。

ウィキペディア開始当初は、ヌーペディアの記事の補足的な立場だった。しかし記事の数があっという間にヌーペディアを超え、2001年にヌーペディアから独立。正式にサイトの運用が始まり、やがて世界最大のサイトのひとつとなる。一方、ヌーペディアはその後も記事の数を思うように伸ばせず、2003年に閉鎖された。

以上、ウィキペディアの誕生についてご紹介した。それではお待ちかね、次はウィキメディア財団から返ってきた回答をご紹介したい。

■寄付を促すあのメッセージの意図と編集合戦

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ウィキメディア財団とは、ウィキペディアなどのサイトを運営する非営利組織のことだ。ウィキペディアを支えるボランティアたちを集め、そのサポートをしている。筆者がウィキペディアに関する疑問を思いつくまま質問したので、その質問と財団の回答を載せていこう。

(1)日本にいるウィキペディアを編集する「ウィキペディアンたち」はどのようにして選ばれた?

ウィキペディアはいつでも誰でも編集可能です。承認プロセスはありません。したがって誰もが「ウィキペディアン」になれます。ボランティアライターが時間をかけて作ってきたガイドラインやポリシーがあり、ウィキペディアの要件に合った編集を行うためにポリシーを理解することが大切です。

(2)ウィキペディアンたちに面識やヒエラルキーはある? ウィキペディアを管理する人間になる方法は?

ボランティアエディターはオンラインで連携することが多く、記事の作業を一緒にすることでお互いを知ることがありますが、基本的に個人情報の共有は求められません。

ただ、世界中で様々なイベントが開催され、ウィキペディアのボランティアエディターが直接会い、リアルタイムにつながることもできます。

※補足「ウィキペディア イベント」で検索すると、過去に開かれたウィキペディア主催のイベントサイトが出てきた。興味のある読者は調べてみてほしい。

ボランティアエディターは、基本的に無償で活動しています。ツールやリソースを使ってサイトのコア機能をサポートする許可を得ているエディターもいます。エディターの上位の役割にあたるのが、「ウィキペディアアドミニストレーター」です。アドミニストレーターは、幅広いエディターコミュニティーによって選出され、サイト上で一定の管理ツールの使用が認められています。例えば、ウィキペディアの記事を削除することができます。

(3)外国ではウィキペディアへの寄付がたくさんあるらしいが、日本では少ないらしい。なぜだと思う? 日本での寄付を増やすためにはどうしたらいいと考えている?

昨年、ウィキメディア財団は日本語版ウィキペディア読者の好む寄付について理解を深めるため、リサーチを実施しました。その結果、ウィキペディアが非営利で運営されており、資金が主に読者の寄付であることを日本のインターネットユーザーの大部分が認識していないことが判明しました。この事態に対処するため、財団は日本のコンサルタントと密に連携し、ウィキペディアが営利目的ではないこと、サイトの成長や改善が個人の寄付にかかっていることを、より明確かつ強力に伝えるメッセージを作成しました。それは日本に合うものだったと手応えを感じています。これにより日本語版ウィキペディア読者が寄付をしたいとき、もっと簡単かつ効率的に寄付できるはずです。

(4)日本ではウィキペディアンたちによる編集合戦が起きている。先日も某アニメの監督が「のけもの」にされ、某大手出版社のウィキペディアページが荒らされてしまった。このような闘いがたびたび起きており、まさに泥沼の展開。これは外国でも起きているのか? 財団はこのような事態をどう見ているのか?

ボランティアエディターが記事の内容や構成に同意せず、ウィキペディア上でお互いの編集を繰り返し上書きすることは世界中で起きています。本来エディターはトークページを使って記事への変更を話し合い、記事をどうするのか合意を得てから編集するべきです。ウィキペディアには、編集バトル発生時に対処するためのメカニズムやプロセスがあります。例えば、ウィキペディア上のトピックに同意しないボランティアエディターは、他のエディターに頼んで、中立的な第三者として介入してもらうことが可能です。しかし大半のエディターは、ウィキペディア上で効果的に連携しており、百科事典を改良していくという意図を共有できていると思います。

以上、筆者がウィキメディア財団にした質問とその回答をご紹介した。4つ目の「編集合戦」に関しては、財団としても頭を痛めているようで、回答をはぐらかされてしまったのが残念だった。外国で起きた有名な編集合戦の一例として、2015年のグラミー賞授賞式にてベックが年間最優秀アルバムを受賞し、それを不満に思ったビヨンセファンがベックのウィキペディアページを荒らしてしまった事件がある。このようなウィキペディア事件はたびたび起きており、もはや日常として受け止めるしかないのだろう。その度に駆り出されるウィキペディアンたちが不憫だが......。

■ウィキペディア上に「@DIME」を作りました!

最後に、筆者がウィキペディア上に「@DIME」の項目を作ったことをご報告したい。あえて未完成で残しているので、読者のみなさんで編集し、記事を完成させてもらえればと願う。ただ、荒らすことだけはやめてほしい......。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/@DIME

取材・文=いのうえゆきひろ
通訳者=松澤友子

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