糖尿病による目の病気をGoogleのディープラーニング技術は専門医よりも正確に見抜く

糖尿病による目の病気をGoogleのディープラーニング技術は専門医よりも正確に見抜く

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  • 更新日:2016/11/30
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ディープラーニング技術の急速な進歩によって画像認識処理の精度が非常に高まっています。Googleがディープラーニング技術を活用して、糖尿病にともなう眼疾患の早期発見において、専門医を上回る成果を見せています。

Accuracy of a Deep Learning Algorithm for Detection of Diabetic Retinopathy | Diabetic Retinopathy | JAMA | The JAMA Network

http://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2588763

Research Blog: Deep Learning for Detection of Diabetic Eye Disease

https://research.googleblog.com/2016/11/deep-learning-for-detection-of-diabetic.html

糖尿病の合併症として起こる糖尿病性網膜症は、成人の失明原因第1位である症状です。放っておくと失明する危険がある糖尿病性網膜症ですが、早期発見で治療できることが知られており、失明を回避するためにできるだけ早く疾患を検出することが重要になっています。

糖尿病性網膜症は、初期段階では網膜に付着する「硬性白斑」と呼ばれるシミが現れ、進行すると網膜の血流が悪化して「軟性白斑」と呼ばれる塊が現れ、さらには虚血を補うために新しい血管である「新生血管」が作られるなど、病気の進行具合に応じて網膜に変化が現れます。眼科の専門医は網膜の状態から糖尿病性網膜症の発症を検出できますが、絶対的に専門医の数が足りていないため、病気の進行が進んで失明してしまう糖尿病患者が増えているのが現状です。

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また、専門医でも糖尿病性網膜症の発症を見抜くには経験が必要であり、たやすいものではないとのこと。そんな状況を打開するべく、Googleのディープラーニング技術の研究者はインド・アメリカの54人の眼科医と協力して、12万8000枚の網膜の画像を使ってディープラーニングで糖尿病性網膜症を検出する試みを行いました。

下のグラフはGoogleが開発したディープラーニングによって9963例の糖尿病性網膜症を検出した試験の結果を示したもの。グラフの横軸は患者が病気にかかっていない場合に検査結果が陰性(シロ)となる確率である「特異度」、縦軸は「検出感度」を表しています。

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結果は、Googleのディープラーングを活用したアルゴリズムは、特異度と検出感度を組み合わせた指標であるF-scoreが「0.95」という数値になりました。この数値は8人の眼科医の平均スコアである「0.91」よりも高かったとのこと。この成果をGoogle Research Blogは「刺激的な結果」と表現しています。

なお、今回ディープラーニングによる画像認識処理がされた糖尿病性網膜症の検出法はあくまで糖尿病性網膜症を発見するための一手法に過ぎず、画像認識の精度自体をさらに高めるだけでなく他のスクリーニング方法を組み合わせるなど、眼科専門医の臨床を補助するためにやるべきことは多いとGoogleは述べています。

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