急成長するクラウドファンディングと投資家に求められる〝目利き力〟

急成長するクラウドファンディングと投資家に求められる〝目利き力〟

  • @DIME
  • 更新日:2017/08/12
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インターネット上で個人や企業が資金調達を行なえる「クラウドファンディング」。群衆という意味である「Crowd(クラウド)」と資金調達という意味である「Funding(ファンディング)」が組み合わさった造語であり、資金調達したい人に対して、共感し応援しようと思う投資家が投資できるプラットフォームのことをいう。矢野経済研究所の調査が示しているように市場規模は右肩上がりで拡大し、ビジネスパーソンとして必ず押さえておきたいキーワードである。

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毎年100億円をこえる速度で市場が成長してきている。金額の規模では貸付型クラウドファンディングが8割強を占めていることがわかる。2017年度は600から700億円の規模になるだろう。

引用元:株式会社矢野経済研究所(国内クラウドファンディング市場の調査実施より)

https://www.yano.co.jp/press/pdf/1573.pdf

従来の資金調達方法には、銀行からお金を借りたり、ベンチャーキャピタルから出資を受けたりする方法がある。革新的なアイディアを思いつき、資金を集めて製品化しようと思ったのに信用力が足りずに銀行の審査が通らない。ベンチャーキャピタルから出資を受けるには金額規模が小さすぎる。そういった悩みを解決してくれるのが「クラウドファンディング」なのである。

■5つに分類できるクラウドファンディングのうちサービスサイト数が多いのは「購入型」

クラウドファンディングには「寄付型」「購入型」「金融型」の3種類のタイプがある。そのうち「寄付型」と「購入型」は直感でわかりやすい。

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クラウドファンディングの3種類の分類

ここではリターンの有無や種類ごとに分類した。金融型はさらに3つのタイプに分類される。サービスを提供するサイト上で必ずしもこの分類を示しているわけではないので、どの分類のクラウドファンディングか自分で確認する必要がある。

「寄付型」はその名の通り、特定のプロジェクトに対して資金を寄付するだけで見返りはない。

「購入型」は特定の製品開発や映画などのコンテンツ制作に対して投資し、見返りとしてその製品やコンテンツの鑑賞券などが受け取れる。投資するタイミングでは製品などが出来上がっていないので購入を予約するイメージだ。

寄付型や購入型は、資金調達に関して金融商品取引法などの金融関連法令による規制を受けることがない。ゆえにサービスが立ち上げやすいためか、新聞社やコンテンツ系企業なども続々とサービスを立ち上げておりサイト数では購入型が一番多い。

運営元の知名度で投資家が集められ、調達した金額に対する一定割合を手数料で受け取れるので投資家を集めれば集めるほど収益が上がるビジネスモデルでもある。

■クラウドファンディングの例

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(1)寄付型(READYFOR Charity)

READYFOR Charityで募集されている病院支援プロジェクト。本プロジェクトのように、ふるさと納税の税額控除が受けられるものがある。

引用元:https://readyfor.jp/projects/hirono-med

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(2)購入型(Makuake)

新技術を使った新しいプロダクトの開発資金を募集し、見返りとして商品が受け取れる。出資した金額に応じて受け取れる見返りの商品が異なる。当然プロジェクトが失敗した場合は商品は受け取れない。

引用元:https://www.makuake.com/project/kunkunbody/

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朝日新聞社も購入型クラウドファンディング「A-port」を運営している。

■「金融型」は扱う「金融商品」の種類によって分類される

次に「金融型」について見てみよう。「金融型」は「株式型」「融資型」「ファンド型」の3つに分けられる。それぞれ取り扱う金融商品によって分類されていると考えればわかりやすい。

・「株式型」:証券取引所に上場していない中小企業の株を募集する
・「融資型」:お金を借りたい企業や個人に対して「融資」の形式で資金を募集する
・「ファンド型」:会計期間を定めた「匿名組合」などの投資ファンド形式で資金を募集する

商品の特徴を考えれば、株式型は「株」に投資するので5年を超えるような長期の投資に向いている。未上場の株は売買し辛いので、配当金を見返りとして受け取るが金額は大きくないためだ。

融資型やファンド型は数カ月から3年程度の投資に向いている。見返りとして設定する年利を考えると、長期間にすればするほど比例して金銭の大きくなるので、商品やコンテンツのライフサイクルに合わせて期間を設定する必要があるためだ。

■金融型クラウドファンディングの例

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(1)融資型(AQUSH)

不動産を担保に設定した中小企業などが借り手となる融資型クラウドファンディング。投資家が投資したお金が中小企業に貸し出され、借り手から支払われる利息が見返りになる。

引用元:https://www.aqush.jp/invest/hosho

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(2)ファンド型(セキュリテ)

プロジェクトの売上に応じて分配金が積み上げられ、プロジェクト期間が終了するとそこまでに積み上がった分配金が見返りとして受け取れるのがファンド型クラウドファンディング。当然売り上げが上がらなければ分配金はゼロになる。セキュリテでは投資額に応じ、商品などの見返り品が追加で受け取れることもある。

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セキュリテの分配シミュレーション。当初立てた事業計画に対して売り上げ目標が設定されそのときに受け取れる分配金がわかる。

引用元:https://www.securite.jp/fund/detail/3524

ちなみに、「金融型」の「株式型」以外ではすべて「プロジェクト」に対する資金調達であることにも注目しておこう。例えば「購入型」では「〇〇株式会社に対する資金調達」という表現ではなく、「〇〇株式会社の△△製品開発プロジェクト」という風に資金調達の対象が限定されている。限定することで資金調達する方から見ればリスクが限定できるというメリットがある。

クラウドファンディングの市場規模が伸びていく一方で、投資家には優良な投資対象を見つけるという目利き力が必要になってくる。プラットフォームの運営者やその実績などを吟味し、面白いけどいつも失敗しているような企業や、それを利用するプラットフォームへの投資は避けるようにしたい。

文/ぺったん総研

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