アマゾン、次の標的は病院 医療品市場への本格参入検討

アマゾン、次の標的は病院 医療品市場への本格参入検討

  • WSJ日本版
  • 更新日:2018/02/14
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米アマゾン・ドット・コムは芽が出たばかりの医療品供給事業を成長させ、米国の病院や診療所にとっての主要サプライヤーになることを目指している。ガーゼから人工股関節まで、さまざまな製品の既存販売業者に競争を挑む可能性がある。

アマゾンはシアトル本社に医療機関の幹部らを何度か招いたようだ。出席した複数の医療関係者によると、直近では1月下旬にこうした会合が開かれた。業界情報を収集するほか、企業間(B2B)マーケットプレイス「アマゾン・ビジネス」を医療機関向けサプライヤーに育て上げることについて意見を聞く狙いだったという。

アマゾン・ビジネスでは既に、縫合糸など限られた範囲の医療品や工業・事務用品を扱っているが、人工股関節のように専門性の高い製品は販売していない。

ある医療関係者の話では、アマゾンが最近、中西部の大規模な医療機関ネットワークへ従業員を派遣した。ここではアマゾン・ビジネスを使って約150カ所の診療所の備品をそろえられるか、実験を行っている。

実験は備品カタログに載っている品物に特化し、各サプライヤーと交渉済みの仕入価格と、アマゾン・ビジネスでの販売価格を比較することができる。

アマゾンはこれらの取り組みに関して、医療機関にサービスを提供できるようになるための技術を構築中で、従来型の購買とは異なる「マーケットプレイスというコンセプト」を売り込んでいく考えだと述べた。病院などは通常、販売業者やメーカーと備品調達契約を結んでいる。

アマゾンは進出を狙う分野を増やしており、医療品供給事業もその1つ。同社の新規参入は、往々にして市場に大きな変化をもたらすことがある。

アマゾン・ビジネスのグローバル・ヘルスケア部門を統括するクリス・ホルト氏は、これまでの医療業界で常識となっている事業モデルをまねるつもりはないとした。「われわれの目標は何か新しいことだ」とし、備品調達を容易にするための「新たな機能や特徴を積極的に作り上げてきた」と述べた。

医療界からは、サプライチェーンの既存の選択肢は時代遅れで、十分な安全性も確実性もないという声が上がっている。これを踏まえてホルト氏は「既にあるものをまねる方法ではなく、医療に関係するあらゆる物の安全性と確実性を捉え直す方法を考えている」と話した。

一部の病院はアマゾン・ビジネスでの備品調達に消極的だ。その理由としては、選択肢が少ないことや、品物の迅速な配達を確実にするための購入・輸送手続き管理ができないことが挙がっている。

医療機関ネットワークのノースウェル・ヘルスで最高購買責任者(CPO)を務め、アマゾンのシアトル本社での会合に出席したことがあるフィリス・マクレディー氏は「備品を切らすことは絶対にできない」と述べた。

同氏によると、大抵の病院は常に備品を注文できることや、確実な配達を定めた備品調達契約を結んでいる。「6号サイズの洋服の在庫がないのとはちょっと違う。6フレンチ(というサイズ)のカテーテルを切らすわけにはいかない」と語った。

ノースウェルのビジネスサービス担当上級バイスプレジデント、ドナ・ドラモンド氏は、以前から使っている製品と全く同じものを調達することも極めて重要と指摘した。医師や看護師は使い慣れた製品の仕様を知り尽くしている。ドラモンド氏は、オンラインで一番安い物に飛びつけば、異なる仕様の製品を仕入れることになりかねないと説明。ノースウェルとしては「現行モデルから移行する用意はできていない」としつつ、「競争の盛んな市場には前向きだ」と付け加えた。

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