西田征史氏、脚本家&監督として語る高畑充希の魅力

西田征史氏、脚本家&監督として語る高畑充希の魅力

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2017/12/07
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脚本家、監督として向き合った高畑充希の魅力について語る西田征史氏(撮影・村上幸将)

<映画「泥棒役者」西田征史監督インタビュー2>

脚本家の西田征史氏(42)が、監督2作目の映画「泥棒役者」公開にあたり、ニッカンスポーツコムのインタビューに応じた。2回目の今回は、脚本を担当した16年のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に主演し、今作にも出演した高畑充希(25)について、そして映画の元となった06年の舞台版で主人公の泥棒を演じたラーメンズ片桐仁(44)が演じたユーチューバーに込めた、ネット社会が進む現代に対して思うことを語った。

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高畑は「泥棒役者」で、主演の関ジャニ∞丸山隆平(34)演じる町工場の職員・大貫はじめ(丸山)とささやかな同居生活を送る恋人藤岡美沙を演じた。きまじめなはじめに寄り添い、不器用なはじめを支える役どころだ。

-高畑充希が、とにかくかわいい

西田氏 僕は、かわいいと思っていますので(笑い)接点は「とと姉ちゃん」でしたが…そう言っていただけると、うれしいです。本人が輝いているんで、そう撮っただけです。芝居もうまい。

-「芝居がうまい女優さん」という目で、こちらは見てしまうが、今回はナチュラルなかわいさが光った

西田氏 おっしゃるとおり、彼女はうますぎて、やれちゃう部分がある。僕も一時、彼女を見ていて危惧したのは、うまさが鼻につく時期が若干あった。現場で、そういうのが出ていたら抑えたかもしれないですけど…ご本人も、その段階から抜けた部分があったと思います。自分が導いたというよりも、彼女が持ってきた芝居がすごく肩の力が抜けた、テクニックではない芝居だったので、すばらしかったですよ。

-最後の場面は、ああいう女の子がいて欲しい願望が、世の中に広まりそうなほどホッとさせられた

西田氏 いい芝居でしたよね。本人も、ここまでフィーチャーされる作りになるとは思っていなかったみたいで。台本は読んでいましたけど「こんなに印象深く、おいしくしていただけるとは思っていなかった」とおっしゃっていました。

-高畑演じる美沙を除き、登場人物は二面性を持った人ばかり…今の世の中を見て、こう描いた?

西田氏 そうですね。最近も悩むのは、人間って何%、本当の姿を見せているのかなぁと…常々、考えていますね。

-世の中は、さらに難しくなっている

西田氏 この5年は、大きく変わった気がしますね。やっぱり、自分と違うものへの批判が、より許されるじゃないけれど、みんな積極的にそうするような…。昔は、自分と違うものは存在していると、もっとすみ分けがはっきりしていた気がする。ネットで情報が回るからか分からないですけど、自分と違うものに対して攻撃的に…自分と同じじゃないものを認めないようになった気がしますね。

-片桐演じるユーチューバーは、その象徴的な存在。自身の動画を撮ることに自己陶酔し、周囲にその邪魔をするなとクレームをつけるなど他者を認めない

西田氏 (ネット社会、SNSなどの普及で)同じ意見を持った人が、形になって分かりやすい。「ほら、同じ考えの人が、こんなにいるじゃない」って、なるじゃないですか。その方が多数なのか、どうか分からなくて…でも声を上げた人だけ目についた場合、多数派だと思い、また勢いがつくという…。

-そうした時代に作品を作るのは難しい?

西田氏 どうしても、世の中の意見は意識しないといけないですね。でもユーチューバーもそうですが、夢を追って引き戻せないことって、あるじゃないですか? あの辺の感情は、芸人時代の仲間を見ても思うところはありますね。夢を追うことだけが正しいとも思わないし、夢は必ずかなうなんて全然、言うつもりはないんですけれど、その先にある苦悩を描きたかった。彼にとっては(ユーチューバーを)辞めることが幸せかも知れませんから…でも、ちょっとだけ希望は見せたかった。

-登場人物は癖はある一方、どこかに優しさがある。性善説を貫いている

西田氏 そこは、ずっと貫いているつもりです。人を裏切ることも出来ますけど「世の中捨てたもんじゃないな」と思うことで明日も頑張れるなら、それがいいなと思うんです。原作ものだったり、自分のオリジナル作品でも、ものによっては、そうでないもの(性悪説の作品)を書く瞬間、書きたい日も来ると思う。心の中で映画2作目として、もうちょっと、今までとは違う、暴力描写もあったりする作品を作るか迷ったりもしたし、相談もしたんですけど、僕の作品を期待してくださる方が求めるのは、こっちかなと思って、貫いたのもあります。人としては、ずっとそう(性善説だと)思っています。

-ますます生きづらくなる現代の日本は、この作品をどう受け止めるだろうか

西田氏 丸山君は、ずっと「こんな時代だからこそ、見て欲しい」と言っていますね。全部、日本を変えてやるとか、そんな大層なことは思いませんが…こんな作品、どうでしょうか? という感じですね。

-恋人2人のその先は見てみたくなるような終わり方。続編の可能性は? テレビや舞台で見せることも出来るのでは?

西田氏 自分としては、考えていないですけどね。想像したら、あの2人は面白そうですけどね。美沙の物語を掘り下げたら、また、ちょっと違う物語があるかも知れませんね。でも、今は考えていなかったです。その(映画以外でやる)発想は1こ、ありますね。その後の人生の時間は続いているという意識ではありますけど、どこかで出そうとは思っていなかったです。1つの作品にするとなると、その作品で何を描くかになってくると思う。それよりは、今は新しい作品を作りたい気持ちが大きいかも知れません。

次回は、今後の創作活動について、そしてオンデマンド時代に突入した現代におけるドラマ、映画製作の現状、難しさと創作者としてどう向き合うかについて聞く。【村上幸将】

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