時速300kmでも捕まらない!?速度無制限のアウトバーンを本気で走ってみた

時速300kmでも捕まらない!?速度無制限のアウトバーンを本気で走ってみた

  • @DIME
  • 更新日:2016/12/01

ドイツには世界唯一の速度無制限の高速道路、「アウトバーン」がある。アウトバーンは想像通りの道なのか? 本気で走ってみた。

■アウトバーンと聞いて、どんなイメージを持つ?

“速度無制限”という響きは、人の心に無限の想像力の火を着けるようだ。「アウトバーンでは車が浮いて走っていたりするのでは?」なんて、多くの人が空想してしまうのだ。

アウトバーンは日本や韓国の高速道路と変わらない、ただドイツにある高速道路だ。違いがあるとすれば、合法的に最高速チャレンジができるということと、そんな道路を通行料なしで利用できるということだ。

2016年夏、フランクフルトからフライブルク間=往復約550kmの「A5」、「A3」ルートで、アウトバーンを体験してみた。

■アウトバーンの虚と実

フランクフルト空港に着陸する直前、乗っていた飛行機の窓から広い森地帯を横切るアウトバーンを目にすることができた。だが、車が高速道路をぎっしりと埋めている光景にびっくりした。帰宅途中のラッシュアワーのためだろうか。

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これはどうしたことか? 交通渋滞がひどかった、フランクフルト周辺の道路 以下Photoすべて(C)劉昊相

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レンタルしたBMWは、速度情報とナビゲーションがホログラムで表示されるヘッドアップディスプレー(HUD)付きだった

着陸後にレンタカーを借り受けて、すぐアウトバーンに乗った。 滞在先のベンスハイムまでは空港から南に約50kmの距離。40分以内で到着する予定でいたが、走り初めから車は渋滞で立ち往生を繰り返し、しばらく止まってしまうことすらあった。結局、目的地には1時間半をかけて到着した。まさか、こうなるとは思わなかった。

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最高速度を試すなら地方の空いている区間で

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大都市周辺は片側3車線以上、地方では普通、片側2車線である

翌朝はすがすがしい気持ちでフライブルク方面のアウトバーンに乗った。相変わらず渋滞区間があったものの、状況は次第に好転したからだ。一般的にアウトバーンの推奨スピードは130km/hといわれているが、この速度で走る車はほとんどいない。いちばん遅い車線で走る車ですら、最低アベレージが130km/h程度だ。

普段走ることのない速度域で走っていると、最初は不安に感じたが、少しすると感覚が鈍くなり、180km/h以下だとそれほど速いと感じなくなった。人間はやはり適応する動物だったのである。

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2日目も交通渋滞は発生した

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前方に交通渋滞があることを知らせる可変式案内板。電光板ではないのが特徴

ある程度スピードに慣れてきた。すると、一番気持ち良いと思えるのは、速度制限の標識が速度無制限を知らせる、黒い円と5つの斜線に変わる瞬間だと気づいた。まるで自動車レースでスタートの旗が振られたような感じといえよう。この瞬間から、アクセルを深く踏みこんだ車は、急激な加速と共に、あっという間に180km/hを超えていく……この快感を満喫するために、高性能の車が必要となるわけだ。

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追越しは速やかに!

数年前に訪れたミュンヘンでも、「A95アウトバーン」を利用したことがある。その時は走った距離も短く、ほとんど混まない場所だったのでわからなかったが、今回はアウトバーンの問題点も感じることができた。

最終日、マンハイム周辺の道路でのこと、前方の車線がすべてトラックの行列でふさがっており、追い越しのため車線変更して170km/hまで加速をしたのだが、前方のトラックがほかのトラックを追い越すために、いきなり追い越し車線へ入ってくるのだ。

瞬時に多くの考えをまとめ、判断をしなければならなかった。幸い、適切に減速をすることができたのだが、低速車両のドライバーの速度感覚が鈍いと、非常に危険な状況になることがわかった。高速走行時の急なブレーキは大きな事故を招きかねないからだ。速度を出すのが許されてはいるが、突発的な状況が発生した場合でも対応できる、十分な経験が必要だということを感じた瞬間だった。

また、工事区間も問題だ。渋滞の多くが工事区間で発生するが、特に速度制限区間でよく発生する。渋滞の原因が実は通行量だけではなかったことが明白だ。

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ひんぱんに現れる補修工事区間

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速度が80km/hに制限される拡張工事区間

■アウトバーンの存在意義とは?

アウトバーンも周辺国から流入する車両が多くなり、危険区間に対する速度制限が増えた。また、維持補修工事による渋滞が頻発して、実際に速度無制限に走れる区間は、全体の約20%だといわれる。

このような理由から、アウトバーンの有料化を検討しているという話もある。ドイツ自動車業界のロビー活動(反対支持行動)とアウトバーンの象徴性などが絡み、全面的な有料化は難しいという見方もあるが、今後どうなるかは誰にもわからない。

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アウトバーンは、フランス、スイスなど周辺国の高速道路とも連絡されている

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トイレやベンチのほかには何もない休憩所も多い

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レストランやコンビニを備えている休憩所

アウトバーンをリアルに体験してみると、ドイツの自動車産業が世界の頂点に君臨する上で、アウトバーンが多大な貢献をはたしたという考えを持たざるをえない。人々の想像力をかき立て、能力を最大限に導き出すのは常に、規制ではなくて自由であるからだ。

走り続けてずっと頭から離れない思いがあった。それは、アウトバーンはドイツ以外の国で実現できないのだろうか? という疑問だ。

★インフォメーション

アウトバーン(Autobahn)とは自動車(専用)の道路という意味だ。 正式名称はブンデスアウトバーン(BundesAutobahn)、つまり、連邦高速道路である。ヒトラーが作ったことはほとんどの人が知っているが、その当時本格的に建設しただけであり、アウトバーンの構想自体はすでに1920年代のワイマール共和国時代から始まっていたのだ。

1935年にフランクフルト〜ダルムシュタット区間が初めて開通して以来、建設は続いており、2015年現在で総延長が約1万3000kmに達するという。

速度制限がなく通行料がかからないが、トラックは80km/hまでに制限され、通行料も2005年からは12トン以上の貨物車に限って徴収される。ただし、料金所はない。

追い越し車線に進入するときは遠くから来る200km/h以上の超高速車両(普通ライトをつけている)を確認してから、進入しなければ危険だ。

追い越し後、さらに後方から来る高速車両に道を譲るため、追い越し車線から走行車線へ、急な車線変更をするドライバーがいるので、注意が必要だ。

取材・文/劉昊相(ユー・ホーサン)

韓国出身。見知らぬ場所や文化を楽しむ、生まれついての旅行家。イギリス在住時に様々なプロジェクトを経験、Panasonicなど多国的企業での海外業務経験を持ち、英語、日本語、韓国語に通じる。旅行 コミュニティー「Club Terranova」を運営。

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