不祥事続く日本企業、日経平均では見えない実力

不祥事続く日本企業、日経平均では見えない実力

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/10/13
No image
No image

「日本株式会社」が相次ぐ不祥事に揺れる一方、日経平均株価は約20年ぶりの高値を付けた。投資家が見逃していることは何だろうか。

日本企業がらみ最新の不祥事としては、神戸製鋼所が8日、アルミ・銅製品の品質データを改ざんしていたことを認めた。それらの製品は自動車や航空機の部品として使用されることが多く、影響が多岐に及ぶ恐れがある。不正の発表以降、同社の株価は40%余り下落した。

ここ数年、大手企業が不正行為を認めた例が相次いでいる。タカタは複数の死者を出したエアバッグ問題が響き、民事再生法の適用申請に追い込まれた。三菱自動車は燃費試験データの不正操作を認めた。日産自動車は先週、無資格者による完成検査が発覚し、100万台を超えるリコールを余儀なくされた。東芝は長年に及ぶ不正会計問題に揺れている。

それでも各統計を見る限り、日本企業は好調なようだ。企業景況感は大幅に改善し、輸出は回復。鉱工業生産も上向いている。4-6月期の法人企業統計では経常利益が過去最高を更新した。いずれも今年の株高を支える要因となっている。

もっとも、日本企業の「稼ぐ力」に問題があったわけではない。事実、内部留保はこの10年でほぼ2倍に膨らんでいる。問題は資金の使い方だ。従業員に還元しているわけではなさそうだ。現に賃金上昇率は小幅にとどまり、日本が終わりの見えない低インフレから抜け出せずにいる大きな要因となっている。かといって、企業が投資を増やしたわけでもなく、先行きにあまり自信を持てない様子がうかがえる。設備投資水準はほぼ横ばいが続いている。

このところの一連の不祥事は、売上高が急速に伸びている訳ではない中、企業が利益率を高める「近道」に走っている兆候のように映る。少なくとも企業は不正行為を認めており、それについては評価できるとの声もあるかもしれない。しかし現実は、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善があまり進んでいないということだ。安倍政権が2013年以降、企業統治改革を成長戦略の柱の1つに据えてきたにもかかわらずだ。ゴールドマン・サックスの調査によると、不祥事を起こした企業はガバナンスのランキングが低い業種に属していることが多い。

投資家も真の勝者とは言えない。企業の純利益に対する割合で見た投資リターンは増えていないからだ。企業は配当金をこれ以上増やすつもりはないということだろう。日本に関してはいつもそうだが、物事の表面ではなく中身を見ることが肝要だ。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
企業とデザイナーが組んでデザインの視点から素材の可能性を引き出す企画展がスタート
エキスパートたちが明かす“隠れホワイト企業”の見極め方「“最低条件”は5つ」
王者セブンを焦らせる、ファミマの「ファストフード」売上28%増
「タペストリー」に改名のコーチ、 より激しい競争に直面へ
シチズン時計、デイバックシリーズをイメージした「OUTDOOR PRODUCTSウオッチ」第2弾
  • このエントリーをはてなブックマークに追加