浦和、「ミシャ哲学」への挑戦 10年ぶりアジア制覇に立ちはだかる“最後の壁”

浦和、「ミシャ哲学」への挑戦 10年ぶりアジア制覇に立ちはだかる“最後の壁”

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  • 更新日:2017/11/25
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ペトロヴィッチ前監督を彷彿させるアルヒラル・ディアス監督の哲学

浦和レッズは25日にホーム埼玉スタジアムにアル・ヒラル(サウジアラビア)を迎え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦に臨む。そのアル・ヒラルの前日記者会見でJリーグ初代得点王のラモン・ディアス監督が雄弁に答える姿は、浦和にとって少し“懐かしさ”を感じさせる光景だった。

ディアス監督は、浦和に対する印象や警戒すべきポイントなど、相手チームにフォーカスした言葉を一切口にしなかった。その代わりに、いかにして自分たちが攻撃的に戦うのか、その哲学は何なのか、そして個の能力に依存しないグループが武器のチームであることを雄弁に語っている。その姿は、今年7月末まで浦和の指揮を執ったミハイロ・ペトロヴィッチ前監督の記者会見を思い起こさせるものだった。

ペトロヴィッチ前監督は、浦和の監督に就任以降、自分たちが最高のパフォーマンスを出すことに集中し、それができれば勝利できるという姿勢を崩さずにチーム作りを徹底。日本人選手の能力を信じ、前線のタレントに依存しないチーム、ボールを圧倒的に保持して敵陣に押し込むスタイルを堅持してきた。そして、記者会見の場ではその哲学を隠すことなく披露してきた。ディアス監督の言葉は、そのペトロヴィッチ前監督のそれに酷似していた。

「ポゼッションが私たちのスタイルであり、攻守にハイ・インテンシティーでプレッシャーをかける。ボールを保持して主導権を握る。私たちのチームはグループだ。どんな強固なディフェンスも打ち砕くことができる自分たちのスタイルを貫けば、勝利することができる」

“過去”との戦いを制することができるか

18日の初戦でのプレーを見ても、これまでに浦和がACLで対戦して勝ち上がってきたチームの中で、これほどボールをつないで攻撃してきたのは準々決勝で対戦した同じJリーグの川崎フロンターレくらいだろう。他の東アジア勢の多くのチームは、前線に核となる外国人選手を配置してシンプルボールを預け、その能力に頼るスタイルだった。しかし、アル・ヒラルはそれを否定するようなポゼッションサッカーを披露していた。

浦和はペトロヴィッチ前監督の後任として堀孝史コーチが昇格したが、そのアプローチ方法は大きく変わってきた。DF槙野智章の言葉を借りれば「自分たちの良さを出すために、相手の良さを消す」という方向で試合前の準備が行われ、ポゼッション志向ではあるものの、そこにこだわることもなくなっている。第1戦でも、サイドのスペースをシンプルにFWラファエル・シルバが持ち前のスピードで切り裂いてアウェーゴールを奪い取った。今の浦和は、低いブロックからのカウンターという選択肢も躊躇なく採用するチームに変化してきている。

浦和にとってディアス監督が率いるアル・ヒラルとの対戦は、ある意味ではペトロヴィッチ前監督が積み上げてきた5年半の哲学に類似したものと相対することになると言えるかもしれない。結果に対して最大限のフォーカスをする現在の浦和と、その勝ち方にまでこだわろうとするチーム。その対戦の行方は、埼玉スタジアムにどのような光景と結果をもたらすのだろうか。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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