お姫様か?すっぴんか?働く女性につきまとうメイクのジレンマ

お姫様か?すっぴんか?働く女性につきまとうメイクのジレンマ

  • @DIME
  • 更新日:2017/08/11

氾濫する玉石混交のコンテンツを前に、世の親たちは我が子に悪い影響が及ぶことがないようにと切に願っているだろう。そこで安心して子どもに見せられるコンテンツとしてディズニー映画などが推奨されることになるのだが、ある専門家によれば過度に“お姫様物語”を見せるのは女児にネガティブな影響を与えかねないという。

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■“お姫様カルチャー”の功罪

ディズニー映画が子ども、特に女児に与える影響について考察した著書『Girls & Sex, Cinderella Ate My Daughter and Waiting for Daisy』で知られる作家のペギー・オレンスタイン氏は、ディズニー映画とその関連商品を“お姫様カルチャー”と定義し、少女に与える悪影響を指摘している。具体的には、自己客観化(Self-objectification)と、自己セクシャル化(self-sexualization)が引き起こされるという。早い話が“おませ”になって、自分自身を性的に見られる対象として意識して身を飾るようになるのだ。

また昨年に発表された米ブリガム・ヤング大学のサラ・コイン教授らの研究では、4歳の時点でディズニー映画などの“お姫様カルチャー”に強く感化された女児は、“女は女らしく”という昔ながらのジェンダー観を早いうちから抱く傾向が高いことを報告している。

「ステレオタイプのジェンダー観に固執する少女は、自分に制限を設けてしまいがちになります。“女の子らしい”ことを最優先する彼女たちは数学や理科などうまくできるわけがないと考えてしまうのです」と、コイン教授は説明している。

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USA Today」より

もちろんディズニー映画の感動的なストーリーや豊かな映像表現は子どもにとって貴重な感動体験になるだろう。また登場する美しいプリンセスを見て美しいと口にすることになんら問題があるわけではない。しかし過度に“お姫様カルチャー”に浸ってしまうことで、女児は自分の将来の可能性を自分で狭めてしまうことが問題視されているのだ。

この問題を扱った「USA Today」の記事では、女児を持つ親に対して専門家からのアドバイスを紹介している。

・子どもが消費するコンテンツが“お姫様カルチャー”に偏らないように注意する。自然科学系の子ども向け番組や映画なども見せるようにしたい。

・色鉛筆やレゴブロック、積み木など創造力がさまざまな形で発揮できるように幅広く玩具やグッズを与える。

・プリンセスの存在価値が美しさや綺麗さではないことをしっかりと伝える。お姫様のコスプレをした娘には「どうしたら民の暮らしを良くできるのでしょうか」、「どうやって人々を助けましょうか」などの質問をしてみる。

・母親は娘の前で自分の体重や体型の不満を言ってはならない。娘が体重や体型を意識しはじめるのは母親の言動によるケースが最も多いといわれており、娘の前ではその種の話をしないことに尽きる。

・美しさは外見だけでなく、内面の美しさがあることを教える。親切心や公への奉仕などの“美徳”を早いうちに教え込む。

娘が喜ぶからという理由だけで“お姫様カルチャー”のグッズばかり買い与えることがないようしたいものだ。

■“すっぴん宣言”も実は巧妙なナチュラルメイク?

どうやら女の子を早いうちから“おませ”にしないほうがよさそうだが、それはもちろん化粧についても言えるのだろう。

日々新たな技術や化粧品、関連グッズが登場しているメイクの分野だが、しかし昨年は一部のセレブの間で“ノーメイク”ブームの動きが起ったことは意外に感じる人が多かったかもしれない。

昨年6月に人気歌手のアリシア・キーズが「ノーメイク宣言」をして、8月に行われた「MTVビデオ・ミュージック・アワード」の授賞式にもノーメイクで出席している。1300万人のフォロワーがいるInstagramでも“すっぴん”の自撮り画像を投稿し、ファンに新鮮な驚きをもたらした。

“メイキャップ・フリー”な生活を送るとして、一切メイクをしないことを公言していたアリシアだったが、メイクの専門家に言わせれば、アリシアの“すっぴん”は「完全なフェイク」だという。

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Daily Mail」より

ビューティー雑誌「VOUZ! Magazine」の編集長、コリーヌ・タデナム・フィン氏は、アリシアをはじめ、モデルのカイリー・ジェンナー、歌手のニコール・シャージンガーはきわめて巧妙で洗練された“ナチュラルメイク”を施していると指摘している。

「彼女の顔が完全にすっぴんであると認めるわけにはいきません。“メイキャップ・フリー”の彼女の顔を作り出すための数多くの製品や技術があるのです」(コリーヌ・タデナム・フィン氏)

イギリスの人気女優、エマ・ワトソンのメイク担当であるドッティ氏もまたアリシアの写真を見て「(このテクニックには)眉を描き加えることと、そばかすを増すこと、頬に薄っすら美容液を塗って暖色で輝かせることが含まれます」と話している。

再びフィン氏によれば、こうしたセレブたちは“すっぴん申告”してSNSで自撮りを投稿するときにも、実はこうしたテクニックのナチュラルメイクをしているということだ。良く使われる美容液は「Oil Mattifier」や「serum」であるという。

はたして、アリシアの“メイキャップ・フリー”は実は巧妙なナチュラルメイクなのだろうか。最先端の美容技術と製品は“すっぴん”と言い張れるほどのナチュラルメイクを可能にするほど進化しているとも言えるのだろう。

■“負担”でもあり“武器”でもある働く女性のメイク

ナチュラルメイクであったにせよ、セレブたちの間でメイキャップ・フリーが盛り上がってくれれば、実社会にも反映してくるのではないかと期待する女性たちも少なくないのだろう。しかし働く女性のメイクについてはいろいろと複雑な事情があるようだ。働く女性にとってメイクは“負担”であると同時に“武器”でもあるという、一種のジレンマを生じさせるものになっているからだ。

2006年の研究では、適度にメイクをした女性は男性から見ても女性から見ても健康的で自信があるように受け止められていることが実験によって判明している。適度なメイクをしている女性は自分自身に適切な“ケア”を施していることを表現していることから、仕事で接する他者にも相応の配慮をしてくれることが期待できるからである。

そして働く女性の場合、メイクをした女性のほうがより稼ぎが多く、よりステイタスの高い職業に就いていると見なされる傾向があることもわかっている。働く女性にとってメイクは何かと有利に働くのだ。また実際にメイクは多くの場合で当人の自信を高めていることも確認されている。

逆にメイクをしていない状態では、自信を持ちにくくなってしまうという。2012年の研究では、メイクをしていない時の女性の44%が自分に魅力がないと感じ、やや不安を覚えることが報告されている。44%の内訳は、16%が自分に魅力がないとと感じ、14%が人目が気になり、残りの14%が裸を晒しているような羞恥心を覚えると訴えている。

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Psychology Today」より

おおむねメイクをすることは女性にとって得をすることが多いと思われるのだが、その一方でメイクに依存してしまうことはさまざまな問題をはらんでいるようだ。2014年の研究では、毎日のように化粧をすることは当人の不安や自意識過剰、従属心と強い関係があることが指摘されている。そしてメイクをする頻度が少ない女性は対社会的な自信が高く、感情が安定しており、健全な自尊心をもっていることが報告されている。

女性にとってまさに諸刃の剣であるメイクだが、そこでこうした女性のメイクにまつわるジレンマを解消できる方法として昨今注目を集めているのがミラー瞑想(Mirror Meditation)である。

1日10分間“すっぴん”の状態で鏡に向かって座り自分の姿を見つめることが標準的なミラー瞑想法だが、これを2週間続けた女性はすっぴんの自分の姿が好ましく感じられ、ノーメイクで外に出ることの懸念が払拭されてくるということだ。またストレスや自意識過剰も低下してくるという。

女性だけでなく男性にもさまざまな効能をもたらすというこのミラー瞑想、気になる人は少なくないのでは!?

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

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