天皇杯・大宮戦へ「食ってやる」。J注目の筑波大3年生トリオが快進撃の裏側を語る

天皇杯・大宮戦へ「食ってやる」。J注目の筑波大3年生トリオが快進撃の裏側を語る

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2017/09/15
No image

インタビュー後に3人での撮影に応じてもらった。2年後にはそれぞれがJクラブで活躍を見せているはずだ。写真:安藤隆人

No image

鈴木徳とともにU-17W杯出場歴もある会津。Jクラブ仕込みの技術とインテリジェンスを活かしてサイド攻撃を牽引する。写真:飯嶋玲子

No image

最終ラインの大黒柱として君臨する鈴木大。筑波大の最終ラインを統率する。写真:飯嶋玲子

No image

ボランチの鈴木徳は攻守の要として欠かせない存在だ。写真:飯嶋玲子

No image

筑波大が誇る注目の「3年生トリオ」鈴木徳(6番)、鈴木大(5番)、会津(14番)。それぞれユース年代から注目されてきた存在だ。写真:飯嶋玲子

筑波大蹴球部が快進撃を続けている。先の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでは、準決勝で優勝した法政大に惜敗したものの、9月16日から後半戦が開幕する関東大学リーグ戦では、前半戦を終え2位に勝点4差をつけて首位をキープ。平山相太(現仙台)を擁して栄冠に輝いた2004年以来、13年ぶりの優勝へ向けて好位置につけている。

そして、大きな衝撃と言えるのが、ジャイアントキリングの連続で勝ち上がった天皇杯での大躍進だ。1回戦でJ3のY.S.C.C横浜を2-1、2回戦ではJ1の仙台を3-2、3回戦でJ2の福岡を2-1と、いずれもJクラブを90分で下し、ベスト16に駒を進めた。

この快進撃の原動力となっているのが、昨年からチームの主軸を担う期待の『3年生トリオ』MF鈴木徳真、DF鈴木大誠、DF会津雄生の3人だ。彼らは1年時から注目を集める選手たちだった。鈴木徳と会津はU-17日本代表として2013年のU-17ワールドカップに出場し、ベスト16に輝いた。そして鈴木徳と鈴木大はそれぞれ前橋育英と星稜のキャプテンとして、2014年度の第93回全国高校サッカー選手権大会決勝で激突。延長戦の末に4-2で鈴木大が率いる星稜が優勝を果たした。

ユース年代で輝かしい実績を残した3人がチームメイトとなり、筑波大の屋台骨を形成。昨年はインカレ優勝にも大きく貢献し、今年はより逞しくなり、天皇杯やリーグ戦での躍進を支えている。3人ともすでにJリーグのクラブに練習参加するなど、早くも来季の獲得レースは熱を帯びてきている。

そんな躍進のキーマンとなってきた3人に、注目を集める天皇杯の快進撃の裏側と、9月20日に行なわれる4回戦・大宮戦に向けて話を聞いた。――天皇杯の相手は大宮に決まりました。対戦相手としてはいかがでしょうか?

鈴木徳真「大宮はリーグ戦で調子が悪い分、リーグ戦と天皇杯を平行して戦うのは大変だと思うし、リーグ戦にベクトルを向けて来るという予想から、僕らはいいコンディションで試合に臨めれば、次のステージに進めるんじゃないかなと思います。もちろんそんな甘くない世界なので、自分たちも隙のない準備をしないといけないなと思います」

鈴木大誠「抽選会の前に、たぶんJ3の長野とやったら、やりづらいなと思ったんです。カテゴリー的により上のチームとやった方が、「食ってやる」という気持ちになれるし、仙台戦から続くチャレンジャー精神を良い形で表現できると思っていました。なので、J1のチームが良いと思っていたし、その方が自分たちにとってもプラスになると思っていました。大宮に決まった時は、『もう1回チャレンジャー精神を100%に持って行ける』と思ったので、すごく嬉しかったですね」

会津雄生「僕はとにかくJ1とやりたかった。もちろんより上のステージに行きたいという気持ちもありますが、この先、僕もプロのステージに行くと思っているので、少しでもJ1を経験したかった。僕は浦和、鹿島が相手でもすごく喜んだと思います。もちろん、大宮も素晴らしいチームなので、すごく嬉しいです」
――これまでJ1、J2、J3と、Jリーグすべてのカテゴリーを破っています。ここまで勝ち上がれた要因は?

鈴木徳「仙台戦の前半は正直、相手のスピードなどに戸惑ったのですが、後半になると慣れてきた。自分の中の感覚がしっくり来て、相手の動きもよく見えるようになりました。でも、一番の印象は『強かった』ですね。逆に福岡戦は、僕は怪我で途中出場なのですが、外から見ていてもウチのペースでやりたいことができて戦えたと思います」

鈴木大「僕は最初から『J1相手ではやれないもの』と勝手に思い込んでしまっていたんです。自分たち大学生がJ1、J2の選手たちと対峙して、『勝てる訳がない』とはっきりと思っていたので、試合の時は開き直って、チャレンジのみのマインドでプレーしました。そうしたら意外とチームとしても、個人としてもやれることが多いなと試合をしながら感じることができた。相手とマッチアップしても、自分が思っていた以上にやれることが多くて、それが前向きな姿勢に繋がって、思うようなプレーができたと感じました」

会津「僕は大誠とはまったくの逆で、最初から『やれるものだ』と思っていました。高3の時に柏U-18で2種登録をしていて、プロの選手とずっと練習をやって来て、プロのレベルというのは大体分かっているつもりでした。そこから僕も成長しているので、自信があったし、逆に『ここでやれなかったら、この先はないな』と思って挑みました。どれだけ通用したのかは分かりませんが、手応えはありました」

鈴木徳「確かに2種の経験は大きいね」

鈴木大「でも徳真だって、高校時代にプロの練習には参加している(※千葉の練習に参加しオファーを受ける)でしょ?」

鈴木徳「参加したけど短期間だし、感触は……残っていないかな」

鈴木大「俺は2人と違って、高校時代にプロのレベルを肌で感じる機会もなかったし、大学に入っても、昨年の天皇杯で札幌と戦ったくらい。しかも試合に出ていないメンバーで来た札幌に対し、0-3でボコボコにやられた。それもあったので、『俺はまだまだ通用しない』と思ったし、自分が花開くのは4年生になってからだと思っていたので、今の状況はこれまでの自分の中の常識が一気に覆された感覚です。もちろん、良い意味で(笑)」
――昨年はプロの実力を見せつけられた?

鈴木徳「僕はあの札幌戦のイメージをずっと持ち続けたまま、この1年間を過ごしてきました。あの経験を尺度に、自分のレベルを上げることを意識し続けました。なので、大誠は余計な気持ちをすべて取っ払ってやったと言いましたが、僕は前の年の経験から、プロと同じ目線に立って取り組んで、1年間の経験の積み重ねがあった上で、『じゃあ1年経ってどこまでできるようになったか』を試すという気持ちで試合に入ったんです」

会津「いま思うと、昨年の札幌戦はチームとしてまだまだ未熟でしたね。2部から1部に上がって、僕ら2年生が中心になっていて、いろんな意味で未熟だった。僕的にもサイドバックをやり始めて間もない時期だったので、試合中に戸惑うことの方が多かった。本当に難しかった印象が残っています。でも、あの試合から1年間、筑波大として成長できたと思います」

――◆――◆――

昨季天皇杯の札幌戦での惨敗をしっかりと力に変え、チームは大きな成長を遂げている。今回の快進撃は3人に言わせると、『必然』のことであった。

そして、9月16日に再開される関東大学リーグの後半戦最初の相手は、奇しくも夏の総理大臣杯で苦杯を舐めた法政大だ。早くも訪れる絶好のリベンジの機会に筑波大はいかなる戦いを見せるのか。
「周りは大宮戦に注目するけど、リーグも獲りたいし、インカレに向けて100%の準備をしたい」(鈴木徳)
「シーズンを通して筑波大が良いチームであることを証明したい」(鈴木大)
「天皇杯でJを倒しているけど、大学生相手じゃたいしことないと思われたくない」(会津)

3人のモチベーションも、相手を選ばず相当に高い。果たして、プロ化以降大学勢初の天皇杯ベスト8進出はなるのか。そして、リーグ戦の今後の行方は……。筑波大「3年生トリオ」のパフォーマンスに注目だ。

取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

Jリーグカテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
「自分の意思ではなく勝手に...」劇的V弾の植田、歓喜の輪の中心に
元日本代表GK曽ヶ端、まさかの“よそ見”で失点 シュートに反応遅れる痛恨の凡ミス
【J1採点&寸評】清水1-3広島|攻守に奮闘した水本が勝利の立役者!2点に絡んだジョーカーも採点「7」
川崎、痛恨の勝ち点1=Jリーグ
G大阪、ハリル御前試合で奮闘も公式戦4戦勝ちなし
  • このエントリーをはてなブックマークに追加