ハリル体制初の3失点。世界基準を知る吉田麻也の存在価値を再認識させた日本代表

  • J SPORTS
  • 更新日:2017/10/11

2018年ロシアワールドカップ本番を8カ月後に控え、攻守両面での底上げが強く求められた今回の10月2連戦。6日のニュージーランド戦(豊田)は序盤圧倒しながら決定力を欠き、大迫勇也(ケルン)と倉田秋(G大阪)のゴールで辛くも2−1で勝つことができたが、新戦力のテストは不十分だった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は10日のハイチ戦(横浜)に挑むに当たり、先発の9人入れ替えを断行。代表初先発の杉本健勇(C大阪)や小林祐希(ヘーレンフェーン)を抜擢して、新たな活力を求めた。

守備陣も予選全試合フル出場の吉田麻也(サウサンプトン)が欠場。昌子源(鹿島)と槙野智章(浦和)という初めてコンビを組むセンターバックで挑んだ。GKが代表3試合目の東口順昭(G大阪)、アンカーも不慣れな遠藤航(浦和)ということで、彼らの統率力が強く求められたが、倉田と杉本の序盤のゴールの後、身体能力に秀でるハイチ攻撃陣にアッサリとやられ、失点を繰り返してしまう。

1失点目は遠藤が相手エースFWナゾンにタックルに行ったが、アッサリとかわされ、右サイドのゲリエにつながり、アンカーのラフランスに飛び込まれて決められた。遠藤の後のフォローが皆無に等しく、最終ラインが揃って後手を踏んでいた。「ウチが最初、ワンボランチをやってたんで、航の脇がすごい空いてたんで、1点目もつぶしきれなかった。ワンボランチで一番やられてはいけないやられ方だったかな」と昌子も反省しきりだった。中盤の陣容が遠藤、小林、倉田と不慣れな面々で守備の距離感が微妙にズレていたのもこうした失点を招く原因になったと言っていい。

後半8分の2点目も相手の右クロスに反応したナゾンに打点の高いヘッドを叩き込まれ、33分にも華麗なミドルを決められる。この時点で日本は井手口陽介(G大阪)、香川真司(ドルトムント)、大迫勇也(ケルン)と言った主力級を急きょ出す羽目になったが、相手の引いた守りを崩せず、膠着状態に陥ってしまう。まさにハリルホジッチ監督がやりたかったサッカーを相手にやられるような展開。最終的に香川の後半ロスタイム決勝弾が入って3−3のドローに持ち込んだものの、3失点と言うのはハリル体制ワースト。指揮官が「ブラジル相手だったら10点を取られていた」と激怒するのもやむを得ないほど、守備組織が混乱に陥った。

槙野も昌子も吉田のいる状態では冷静な対応ができるのに、守りの大黒柱がいなくなると弱気になる。そこは今回、浮き彫りにされた課題だった。吉田はオランダ1部・VVVフェンロで4シーズン、イングランド・プレミアリーグで6シーズンを過ごして、卓越した国際経験値を備えている。今季プレミア得点ランキングトップに立つロメル・ルカク(マンチェスターU)や昨季得点王のハリー・ケイン(トッテナム)といった世界有数のFWとの対戦経験があるから、多少のことが起きても動じない。ニュージーランド戦にしても、バーンリーで活躍するクリス・ウッズに打点の高いヘッドを決められたが、リカバリーは早かった。

しかしながら、このハイチ戦は1失点目の崩された方のダメージが大きかったせいか、その後も修正が利かなかった。新たなメンバーがズラリと並び、後半からは初キャップの車屋紳太郎(川崎)も出てくるなど、不慣れな陣容で強固な組織を構築しにくかったのは確かだが、それでもやらなければならないのが、活動時間の短い代表だ。

吉田も「センターバックの底上げは本当に必要」と繰り返し強調しているが、世界基準を知る選手が1人、また1人と出てこないと、ロシアでのリベンジは果たせない。この3失点を糧に国内組DF陣が何を感じるか。そこはしっかりと注視していかなければならない点だろう。

出場機会のなかった吉田も日本代表の苦境を目の当たりにし、自分がリーダーにならなければいけないという自覚をより一層強めたはずだ。ハリルホジッチ監督が彼に頼ってきたのも、やはり足掛け10年間の欧州経験をリスペクトしているからだ。そのキャリアをどのように国内組に還元できるのかは分からないが、言葉やピッチ上のパフォーマンスで伝えていくしかない。

加えて言うと、彼自身ももう一段階上のレベルに到達するために、さらなる努力が必要だ。最近まで離脱していたヴィルヒル・ファンダイクが復帰し、今季加入したヴェズリー・フート、若いジャック・スティーブンスを含め、ポジション争いはより熾烈になる。吉田がクラブで出場機会を失うようなことがあれば、日本代表へのダメージが大きすぎる。それだけは何としても回避してもらわなければならない。さし当たって今月は15日のニューカッスル戦、21日のウエストブロミッチ戦、29日のブライトン戦と中位以下のクラブとの対戦が続く。そこで守りを安定化させ、勝利に貢献し、11月のブラジル・ベルギー2連戦につなげてほしいものだ。

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