【新車のツボ143】シトロエンC3、これぞアバンギャルド!

【新車のツボ143】シトロエンC3、これぞアバンギャルド!

  • Sportiva
  • 更新日:2018/01/14

フランスのシトロエンが発売した新型C3の実態は、良くも悪くも、ただのコンパクトカーである。しかし、デザイン的にはフランス語でいう”アバンギャルド”そのものだ。

最低地上高が少しだけ大きくて、タイヤハウス周辺がゴツめに装飾されているC3は、ハヤリのSUVにも見える。

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メッキグリルで左右つながった細いLEDがパッと見ではメインライトっぽいが、実際のヘッドライトはその下の楕円形のそれ。その下のフォグランプも合わせると、C3のライト類は上下3段重ねになっているわけで、これもまた背高のSUV感をただよわせている。

さらに面白いのは、C3のデザイン的ハイライトとなっている横っ腹の凸凹パネルだ。これもまたC3のボディを上下に分厚く見せる効果があるのだが、それだけではない。

この樹脂凹凸パネルは”エアバンプ”という名前がつけられたシトロエン独自の技術。見た目もネーミングもスポーツシューズでお馴染みの”エア〜なんとか”のパクリっぽいが、じつは機能もちょっと似ている(笑)。その凸部のひとつひとつはポリウレタン製の空気入りカプセルで、コツンと軽くぶつけた程度ではキズもつかず、ヘコミもしないのだ。

また、よく見ると、前後のバンパーもいちばん飛び出た部分は、少しのキズなら目立たない黒い樹脂……といったC3のデザインにヒザを叩きたくなったドライバーも多いだろう。クルマのちょっとしたキズやヘコミは「気にしなければ支障はないが、どうにも気になる!」という微妙さが、諦めがつく大きなキズや故障よりもストレスが大きかったりするからだ。

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まあ、横っ腹のエアバンプも、日本の駐車場でありがちな隣のクルマによる”ドアパンチ”を本気で防ごうとすれば、その位置や厚みに工夫の余地がありそうだが、そのアイデア自体が、もう目からウロコである。

……と、C3のデザインはことごとく上下に分厚く、背が高く、押し出しのきくSUV風味に、「街中のタフガイ?」なディテールもあしらわれているが、実体はただのコンパクトカー(またまた失礼!)である。

実際の全高は1.5mを切っており、大きめの地上高を差し引くと、ボディの基本プロポーションそのものは分厚いSUV風どころか、どちらかというと薄くて低い。

だから、運転席も特別に目線が高いわけではなく、重心が低いので安定感も高い。シトロエンは歴史的に”フワピタ”な乗り心地を売りにしてきたが、柔らかいのにフラつかず、癒し系なのに安定している……といったC3の乗り心地は、ひさしぶりに「これぞシトロエン!」といいたくなるデキである。

知っている人も多いように、シトロエンは1970年代にプジョーに買収されて、今はプジョーシトロエングループとしてはほぼ一体化している。この2ブランドは技術的な共用化も進むいっぽうで、このC3にしてもプジョー208(第126回参照)と機械の中身はほぼ同じ兄弟車といっていい。

中身はほとんど同じプジョーとシトロエンをどう差別化するか……は、彼らにとって永遠に解決することのない宿命である。正直いうと、時代によっては、成功したり失敗したり……の繰り返しだが、いまは近年まれに見る”成功期”だと思われる。

最近のプジョーは前記の208や308(第102回参照)のように肉食系動物っぽいのに対して、シトロエンはあえて人工的な幾何学デザインとなっている。さらにその幾何学デザインをエアバンプのように機能にも昇華させているのがニクイ。そして、シトロエン全体に漂うオーラはどこか優しげな癒し系だ。

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この優しげな癒し系……というのはC3の走りにも当てはまる印象で、このC3ほど見た目と乗り味のイメージが、高度かつドンピシャに統一された例は最近でもめずらしい。シツコイようだが「これぞシトロエン!」である。

こうしてシトロエンの”キャラ立て”に成功した最近のプジョーシトロエンは、このC3も含めて欧州や中国でヒット作を連発。さらに、昨年には独オペル(=欧州GM)の買収にも成功して、同じフランスの宿敵”ルノー日産”を猛追中である。

そんなプジョーシトロエンの快進撃は、2014年に就任したカルロス・タバレスCEOがキッカケなのは明らかだ。彼はその直前までルノーCEOだった人物(!)で、欧州では当時”史上まれに見る仁義なき移籍!”と話題になった。

いずれにせよ、それまでは日産に対するルノーの独自性をうまく演出していたタバレスCEOだけに、こういう戦略はお手のものなのだろう。ただのコンパクトカーにして、中身はプジョーと一緒……なのに、ここまでキャラを立てるとは見事な手腕である。

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【スペック】

シトロエンC3シャイン

全長×全幅×全高:3995×1750×1495mm

ホイールベース:2535mm

車両重量:1160kg

エンジン:直列3気筒DOHCターボ・1199cc

最高出力:110ps/5500rpm

最大トルク:205Nm/1500rpm

変速機:6AT

JC08モード燃費:18.7km/L

乗車定員:5名

車両本体価格:239万円

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