“元プロ棋士”投資家・桐谷氏を救った株主優待

“元プロ棋士”投資家・桐谷氏を救った株主優待

  • MONEY PLUS
  • 更新日:2017/09/25

8月26日に開催された「積立投資1DAYスクール」の中で、「株主優待と配当で分散積立投資?!マニークで相談してみよう」という東海東京証券株式会社によるセミナーが行われました。

セミナーでは元プロ棋士で、現在は株式優待で生活を送っている投資家・桐谷広人氏が登壇。投資家時代に「もうここまでか…」な状況を救ってくれたという優待株での分散投資メリットを語りました。

日本人が投資したがらない理由

桐谷氏:どうもみなさん、こんにちは。今、紹介していただきました桐谷です。今日は積立投資の話なんですけれども、私は積立投資より株主優待のほうが専門なんでそちらのお話を主にさせていただきます。

2012年からアベノミクスが始まりまして、景気を良くしようっていうことなんですけども、どうも働いている方の給料はほとんど上がってないんですね。2016年の賃金は2000年と比べると、名目賃金で10%低くなって、実質賃金では11%低くなっているんですね。

ですから、アベノミクスで株価は上がって企業の業績は非常に良くなったんですけども、それが働いてる人たちに還元されてないような状況がずっと続いてるんです。定期預金の金利がほとんどゼロにもかかわらず、依然として貯金する人が増えているし、タンス預金とかそういうお金を持ってるんだけれども投資をしない方が増えている。

では、投資とはどういうものか。

自分のお金をどこかに預けて、預け先に増やしてもらうというのが投資なんです。しかし、どうも日本人は……。これは1990年に今から20数年前にバブルが崩壊したのと関連があると思うんですけれども、なかなか投資をする人が増えない。

株式投資をしているのは1割ぐらいじゃないかと言われているんです。そういう状況なんです。ですが、今言いましたように、働いても賃金が増えない状態なので、何かしたらいいんじゃないかというヒントを求めて、今日多くの方がこの会場に来られてるんじゃないかと思います。

自分の体験を踏まえながら「投資はいいですよ」というお話をしたいと思います。

自分の稼いで貯めたお金を自分のところに置いていたんでは、泥棒に入られない限り安全ではあります。しかし、どうもお金が増えていかない。できればやはり日本経済に投資をしたほうが私はいいと思うんですね。

世の中にはお金を必要としてる企業がたくさんありますから、そういうところにお金を貸し付けて、有効活用していただく。その結果、配当を得るということをやったほうが自分のためにも、日本経済のためにもいいと思います。

株主優待券だけで生活を送る

私は「月曜から夜ふかし」というテレビに出たことがありまして、それを見ておられる方はご存じだと思うんですけども、全然お金を使わない生活をしています。

最近ベストセラーになった本に『はじめての人のための3000円投資生活』(横山光昭・著)があります。これは去年売り出された本らしいんですけど、私が知ったのは今年初めで、すでにこれがベストセラーになっている状態でした。

この本は1,100円(税別)なんですけども、お金を払って買ったのではもちろんないんですね。ヴィレッジヴァンガードという会社がありまして、ここの株主になっていると株主優待券をくれるんですね。その株主優待券で買ったんです。

去年までは1,000円券が10枚の株主優待がきたんです。1年間で。その1,000円券で買い物ができたんですけども、ちょっと業績が悪くなったので、今年から2,000円ごとに1,000円の買い物券が使えるという具合になりました。

この本は1,100円ですから、これだけを優待券で買うわけにいかない。そのため、何かくっつけて2,000円にしてこの本を買わなきゃいけない。ちょうど2,000円ぐらい買いまして、残りの1,000円は他の会社の優待でくださってる図書カードを使ってこの本を購入したんです。

「3000円投資生活」って、3,000円をどうやって増やしていくのかなと疑問に思ってこの本を購入したんですが、3,000円をどんどん増やすんじゃなくて「毎月3,000円で投資信託をしましょう」という本だったんですね。

投資信託を毎月3,000円ずつ買っていると、長い年月の間にはひと財産になるという本でした。そういう投資信託から始めるのが、初心者には一番いいんじゃないかなと思います。

この本を読んでいますと、定期預金にはほとんど利息が付かないので、毎月3,000円ずつ積み立てて何十年後かにこれだけ元本と利息合わせてなってますよ……とはいえ、現在、1年定期の金利が0.01%ですからほとんど利息が付かない。

そこへいくと投資信託はいいですよ、という本です。初心者から見ると、投資信託から始めるのも一つの有力な方法だと思います。

「株式投資をするな」は本当か?

『はじめての人のための3000円投資生活』で、ちょっと気になることが書いてありました。

この本の中の見出しで「退職した夫が株を買いたいと言い出したら要注意」というものがあるんですね。しばらくいくと「9割が負けて1割が勝つと言われる株式投資の世界で、そうした投資家たちと争い利益を上げるのは、よほど勉強と経験を重ねなければ難しいでしょう」と。だから株式投資するなって書いてあるんですね。

もちろん投資信託するのはいいことなんですけれども、「株式投資するな」は間違った意見だなと私は思うんです。

株式投資にもいろんな投資の仕方があります。以前の株式投資は、値上がりを狙って投資するやり方だったんですね。

昔に比べて、株式の配当は高くなっている

私が株を始めたのは33年前です。その頃はバブルの時代で1年定期で定期預金の金利が6%とか8%とかありました。私の田舎にある郵便局の垂れ幕には「10年で倍」とありました。

ところが今は、定期預金10年してもほとんど利息が付かなくて、逆に株の配当のほうが増えているんですね。当時は株の配当は年間1%未満しかない。株は値上がりして儲けようってことで株を買う人が多かったんですけど、現在は全く時代が逆転しました。株式のほうが配当が高くなっているんですね。

先ほど2000年に比べて去年が、実質賃金が10%下がっているという話をしました。株の配当は平均で2000年に比べて2.7倍ぐらいになってるんですね。上場株式の配当金の総額は毎年増えている状況です。

これは企業が儲かったお金を従業員の給料に回さないで内部留保したり株の配当に回したりしているからなんです。

では、なぜ従業員の給料上げないかというと、従業員の給料を上げてしまうとなかなか下げられないからです。給料を上げてしまうと、またリーマンショックのようなことが起きる。あの頃、どんどん潰れる会社が出てきました。ですから従業員の給料はなかなか増やせない。

そこへいくと株の配当は、儲かれば配当を増やしても景気が悪くなれば配当を減らすことが簡単にできるんですね。

昇給をあてにできないからこそ「優待株の分散投資」

そういうのもありまして、なかなか従業員の給料が上がってこない。ですから会社勤めされている方も自分の給料が増えることをあまりあてにできない。ですから、余っているお金があったら私は株を買ったほうがいいと思ってるんです。

投資信託もいろんな投資信託がありますけども、株を買ってその利益で投資信託の利益を出しているところも多いんですね。そのため、自分で株式投資をやる自信がない人は、投資信託を買って毎月コツコツといくらか積み立ててやるのが、非常に有力な方法なんです。

私が33年間株式投資をやった体験からずばり言いますと、優待株の分散投資をするのが一番楽しくて利益も出るしいいんじゃないかという具合に考えています。

株主優待とは何か?

まず株式とはどういうものか。株を買うと、今はだいたい1単位が100株になっているんですけども、私が始めた33年前は1株で1単位、10株で1単位、100株で1単位などいろいろありました。当時は1,000株で1単位が一番多かったんですけど、単位がバラバラだったんです。

現在、来年の10月までに1単位を全部100株にしようという動きがあります。そして、5万円~50万円ぐらいまでで株を買える具合に東証のほうが調整しているところです。

株主優待の始まりは鉄道会社?

そして株主優待とはどういうものかというと、株は明治時代からあるんですけども、最初に株主優待をやったのが電鉄会社だと言われています。

電車は毎日走っております。電鉄会社が自分のところの株主になったら電車に無料で乗れる券を配りますよ、というのが株主優待の始まりらしいんです。

映画館なんかは、「自分のところの株主になってくれますと、映画がタダで見れますよ」という具合で優待を始めていました。なかなか現金同様に使える優待はなかったわけです。

1990年に日本でバブル崩壊が起こりました。そして日本人の株式投資をやる人が減ってしまったんですね。バブルが崩壊して、みんなが大損しました。平均株価がずっと下がり続けて、ちょうどリーマンショックのときに5.5分の1まで下がってしまったんです。

平均で5.5分の1ですから紙切れになった株も多いし、もっと下がったものもたくさんあったんです。それで日本人は株式投資に懲りちゃって、今はあまりやる人がいなくなってしまったのですね。

現在の株主優待の約半数がQUOカード

会社が資金調達する方法は、主に2通りあります。銀行からお金を借りるか、株を発行して広く資金を集めるか。

銀行からお金を借りますと、もちろん返さなければいけないし、利息も払わなければいけません。そこで株式を発行し、株券を買ってもらってお金を集めるというのが広く行われている手法です。

自分のお金で何かやるのは資金が限られていますから、例えば工場を建てようと思ってもお金がない。そういうときに株を発行して、株券を買ってもらってお金を集めて工場を作ったり、新しい技術を開発する研究所を作ったりする。

ですから、自分のところの株が元気良ければ資金調達が楽なんですね。それがバブル崩壊でものすごく下がり、おまけに日本人で株をやる人が減った。ですから今は、3分の2ぐらいが外国人投資家なんです。

そこで考え出されたのが現在の株主優待制度なんですね。

以前は、「自分ところのものをタダで使わせてあげますよ」が優待制度だったんですけども、バブル崩壊しまして日本人で株式投資をやる人が減って株価が低迷してからは、徐々に現在の株主優待制度……要するに、株主優待を自分の会社とは関係ない、わざわざ優待品を買ってきて株主にあげましょう、というやり方が多くなっています。

現実に多いのは、QUOカードです。今年になって株主優待を新設した会社が70社ぐらいありますけども、半分がQUOカードの優待です。

QUOカードは、カードを作っている会社が1社あるんですけども、そこからわざわざ買ってきて優待品を出すんです。

優待株を分散するのが一番利回りがいい

そもそも配当とは、会社が利益を上げて、それを株主にお金でご褒美としてあげるものなんですね。配当にはいろんなルールがあるんです。「何年間連続上がりだったら出しちゃいけない」とか。

100株持っている人には100株の配当があり、1万株持っている人にはその100倍いくなど、株主の持っている株数によって違うのが配当なんですね。たくさん持ってる人にはたくさん配当がいく。

ところが優待は、9割以上の株主優待が100株持っている1単位なんです。一番少ない単位を持ってる人に一番利回りがいいんです。9割以上の会社が100株持ってても1万株持ってても、10万株持ってても、同じ優待品っていう会社が9割以上なんです。

例を言いますと、1単位の株式10万円の会社があり、年間2,000円配当してて、年間2,000円のQUOカードをくれるところが結構あるんですね。つまり、10万円を持っていると2,000円の現金(2割ほど手数料で引かれますが)、2,000円のQUOカードがもらえるので利回り4%なんです。

ところが、その会社の株式を100万円分持っていると、配当は常に2%で、QUOカードは2,000円しかもらえません。そのため、合わせて2.2%にしかならないんですね。

結局、100株だと4%だったものが、その10倍持っていると2.2%に減って、その10倍持っていると2.02%に減る。持てば持つほど2%に近づいていく。そういう具合にお金持ちにはありがたくないのが優待制度なんです。

だからちょっとだけ株を持っている人にお得なのが優待。利回りがいいんです。ですから私は、優待株を100株ずつ分散投資するのが一番利回りがいいので、初心者の方々におすすめしているし、自分も今そういう投資法をとってます。

プロ棋士だった私が株式投資を始めたきっかけ

株式投資をなかなか始めようと思っても「怖い」と始められないのは、やはり損したらどうしようと思う方が多いからだと思います。

私も「株はギャンブルだからやっちゃいけない」と子どもの頃からずっと思っていたんですけども、25歳のとき、将棋のプロ棋士になったことが株式投資を始めるきっかけを作ってくれました。

最近では藤井四段が29連勝するなど、将棋ファンのみならず、一般社会でもニュースになっています。彼は中学生なんですけど、すごい才能でどんどん勝ち進んでます。中学生でありながら1,000万か2,000万か対局料でそれぐらい稼いでいると思います。

私は18歳で将棋の世界に入り、25歳でやっとプロ棋士の四段になりまして、25歳から給料をもらって将棋で生活するようになったんです。

将棋のプロ棋士は対局して給料をもらいます。対局料、賞金をもらうんですね。その他にもお茶とかお華とかピアノの先生みたいにレッスンに行くようなこともやっています。

私が29歳のとき、東京証券協和会という証券マンの団体の将棋部に、月1回将棋を教えに行くようになりました。そこで証券マンと初めて知り合いました。

私は株はギャンブルだし、証券マンはギャンブラーだと思っていたので、将棋のレッスンが終わると5年間はまっすぐお付き合いしないで帰っていたんです。

しかし、5年ほど経ったときのことです。私が住んでいる町にみお証券会社がありまして、そこの支店長に転勤して来られた方が将棋ファンということで連絡くださって、その支店に行ったのが株をやるきっかけになったんです。

1億円儲けて有頂天、そしてバブル崩壊へ

株をお付き合いで始めたら、ちょうどバブルの時代でどんどん儲かりまして、これは本職よりいいなと思って、信用取引というか非常に力を入れてやりました。しかし、そこでバブルが崩壊しまして……。

みなさんから見ると信じられないかもしれませんけども、バブルのときに1億円ぐらい儲けられたんです。そして有頂天になっていたら、「信用取引をやったらバブル崩壊で1億円ぐらい損した」ということがありました。

それで、しばらく株をやめていたんです。しかし、株価が落ち着いてくるとまたやりたくなりまして。それからは、儲かったり損したりの繰り返しです。

インターネット株取引をきっかけに再開

2000年ぐらいからインターネットで株取引ができるようになりましたので、ノートパソコンを買いました。手数料の自由化により、取引手数料が安くなっていましたから、勝てるんじゃないかと思ったんです。

競輪とか競馬をやる人がいますけど、これは寺銭(場所を提供する者に対して支払われる金銭)が手数料25%も取られていますから、よっぽど才能のある人以外は勝てないんですね。宝くじに一獲千金の夢を託す人もいますけども、これはみんなで集めたお金のうちの42%ぐらいしか賞金になって返ってこないんです。そのため、運が良ければ大儲けなんですけども、長くやっているとだいたい半分も返ってこないので損してしまいます。

その点、株式投資は、これまでは買って売っての手数料が3%でしたが、インターネットが発達してからはどんどん安くなりました。

2000年ぐらいから手数料が安くなったので、これは勝てるんじゃないかと思ったのです。そのため、またちょっと熱心にやるようになりまして、儲けたり損したりしながらやっておりました。

「もうここまでか…」を救ってくれたのは株主優待だった

そして2005年かな、小泉元総理の郵政民営化という無茶苦茶な解散をしたら自民党が大勝しました。政権が安定したことで、外国人がどんどん株を買い、株価が非常に高くなりました。

そのとき、私は非常に利益を得ました。その頃、『日経マネー』という雑誌に「資産3億円ぐらいで悠々自適の桐谷さん」みたいな記事が載り、さらに有頂天になりまして。

2007年に現役引退して「これから将棋の勉強しなくていいから株を一生懸命やろう」と思いました。そして、信用取引にのめり込んでいったんです。

ところが2007年に、サブプライムローン問題が起こりました。これはアメリカで発生したんですけども、あまり収入がない人もとりあえず住宅を買ってローンをつけて、値上がりを待てばいい……という手法が取られていました。住宅ローンバブルが起きたんですね。どんどん住宅も値上がりして、あまり所得のない人もとりあえず借金して住宅を買ってローンを払うようなことをやっていた。

しかし、やはりバブルはいつの時代でも崩壊するんですね。それがサブプライムローン問題です。2007年にアメリカで大変なことが起こったわけです。

ところが日本の評論家は「あれはアメリカの問題だからたいしたことない」と言うんですね。しかし、アメリカより日本のほうが株価の下がり方がひどかったんです。そういうことがありまして、私もだいぶやられました。

リーマンショックから世界恐慌へ

2008年の初めに『日経マネー』の別冊本で株主優待が出ました。

その表紙をめくったら、私の部屋の優待品がカラーの見開き2ページにびっしり載っているんですね。当時は信用取引のやりすぎで3億ぐらいあった金融資産が1億3000万に減りましたから、「これからもう信用取引やめて株主優待専門のほうでいきます」という記事が載ったんですね。

ところがちょうどその頃にアメリカで、全米第5位の投資銀行ベアー・スターンズが潰れそうになったんです。潰れると銀行とか保険会社とかいろんなとこに影響が出ます。だから、その会社の株が紙切れになるんでアメリカ政府が助けたんですね。

助けたら株価がビューッと戻っていったんです。当時の私は信用取引をやめようと思ってたんですけど、株が戻っている様子を見て「やはり損したままじゃ終われない」と思ってしまったんです。

そして今度は、9月15日に全米第4位の投資銀行リーマンです。アメリカ政府が助けようと思っていたのですが、手違いがあって潰れてしまったんです。そして世界恐慌が起こってしまったんですね。

私は命一杯かけて信用取引やっていたんで、また死にそうになりましてね。ほとんど死にかけたんですけども。。

手元に残っていたのは株主優待券だけ

というように、いろんなことがありまして。もうお金がなくなりました。

将棋は引退しているし、まだ厚生年金も入ってこない。本当に困りまして、行き詰まってどうしようかと思っていたんです。東京の家賃も払えないから田舎に帰ろうかなと思ってたら、幸いに株主優待のある会社の株をたくさん持っていたんですね。

優待品がどんどん来るんです。東京に住んでいると優待券が使えます。けれども、田舎に引っ込むと株主優待券が使えない。そのため、何とか東京で頑張ろうと思いました。

当時、家賃が13万ぐらいだったんですけども、株の配当がいくらかあったのと、優待品が来る。家賃と公共料金は現金で払わなければならないんですけれども、それ以外は一切お金を使わない生活を数年間やっていたんです。

そうすると、たまたまテレビに取り上げていただきまして。ありがたいことに視聴率もとれて、いろんな講演の話なんかも来ました。ですから、株主優待によって救われたんですね。

何度も死にかけたから語れる「優待株の分散投資のメリット」

私は33年間株式投資をやってきました。いいときもあれば悪いときもありました。

やはり値上がりを狙って株式投資をするのはギャンブルに近いです。特に信用取引なんていうのは猛獣狩りをやっているようなものなんですね。うまくいくと獲物が捕れて腹一杯お肉も食べられる。

しかし、時々狙った鉄砲の弾とか外れちゃうわけなんですね。そうすると猛獣は襲ってきます。私は、何回もあちこち噛まれて死にそうになっちゃったんですね。バブル崩壊とか山一證券が潰れたとき、リーマンショック、日本航空が潰れたときなど、何回も死にそうになりました。

私の今の考えは、優待株の分散投資がいいと思っています。

先ほども言いましたように、株をちょっと持っている人は一番利回りが高いんですね。ちょっと持っててもたくさん持ってても同じQUOカードが2,000円分、同じ飲食券が3,000円など、そういう具合になってます。そこで私は、優待株の分散投資が一番いいんじゃないかなと気付きました。

大きなチャンスには大きな失敗がつきもの

優待は、農業と似ているんですね。農業は種をまいて肥料をやったり水を掛けたりしなきゃいけない。しかし、定期的に収穫がある。年に1回とか、あるいは2回、収穫物をいただけるんですね。そういう農業的な投資方法が一番いいんじゃないかなと思ったんです。

現在は値上がりを狙った投資をやっていませんし、優待株の分散投資をやってます。

歴史を見ると、人類も最初は狩猟採集で暮らしていたんですね。しかし、狩猟とか採集、木の実を採ったり動物を捕まえたりしても、安定的に収穫物は採れないんです。うまく採れるときがあれば、失敗してひもじい思いをすることもある。そのため、なかなか文化文明が発達しなかったんですね。

ところが人類は1万年ぐらい前から農業を覚えて、定期的・計画的に食べ物が生産できるようになりました。そこから文明もどんどん発達しているんですね。

それで値上がりを狙った投資よりも、優待株の分散投資が一番いいんじゃないかという結論に至りました。今は自分でもそういう投資をやっていますし、みなさんにもすすめてます。

大きな儲けは本業や生活に支障をきたす可能性も

私は2007年まで将棋のプロ棋士でしたが、棋士仲間も多くの人が株式投資をやっていました。バブルのときはみんな儲かるから、「俺は天才だ」と思ってたんですね。

ところがバブル崩壊してみんなやられました。将棋には順位戦という給料に関係ある対局が1年間に10回あります。10回やった結果で、上のクラスに上がったり降級したりするんです。つまり、給料が上がったり減ったりするんです。バブルが崩壊した年は、信用取引で1億円ぐらい損したうえ、将棋の方でも10戦全敗しました。。

将棋の先輩で、フォーバル(旧・新日本工販)の株で数億円ほど儲けた人がいたんですね。その先輩はけっこう上のクラスにいたんですけど、何億か儲けたらばあーっと将棋の成績が下がってきて、一番下まですぐ落っこっちゃったんです。というのは、金が儲かりすぎてうれしくて、将棋に打ち込めなくなっちゃったんですね。

ですから、我々将棋のプロ棋士に限らず、仕事をしておられるみなさんは、値上がりを狙った投資で儲けても本業が疎かになるし、失敗しても金策に走り回ってとても仕事を安心してやれるような状況ではなくなります。ですから良くないんです。株式投資する場合でも、優待株の投資が一番いいと思いますね。

現在、配当と優待合わせて4%以上の利回りがある株はたくさんあります。そういう株に100株ずつ分散投資するのが一番利回りもいいし、楽しいと思います。投資信託をお買いになるのも非常にいいんですけども、そういう優待株の分散投資が自分は一番いいし、ぜひみなさんにもやっていただきたいですね。

優待株は楽しみながら選び、増やす

では、優待株はどうしたら買えるのか。自分で選べばいいんですけど、なかなかそういうのは難しいですよね。

現在、株の月間誌では、毎月20日頃に『日経マネー』と『ダイヤモンドZAi』『ネットマネー』という3誌が出ています。これが4〜5年ぐらい前から優待株の特集をやるとすごく売れるんですね。3年半前に『ダイヤモンドZAi』で私の付録を付けたら、なんか本誌が完売しちゃったことがありました。

優待株の特集をすると非常に本が売れるということで、だいたい、毎月どの経済雑誌も優待株の特集をやっています。1冊700円程度ですが、買っても1冊読むのはなかなか大変なので、本屋に行ってパラパラってめくってみて、自分がいいなと思う優待株を見つけたら、その口座番号を覚えて、買いになるといいと思いますね。

あとは例えば、よく食べに行くレストランがあるとします。吉野家とかね。吉野家も上場していまして、これは今20万円ぐらいかかるんですけども、だいたい配当と優待で4%あります。そういうところの株主になると、年2回優待券が来ます。そういうレストランの株もたくさんあります。

そんな具合で優待株をお買いになり、楽しみながら自分の資産を増やしていくいいと思います。

そして、すべて優待投資生活へ

時間も押してきました。リュックの中身などお見せできないんですけども、だいたい身に付けてるものは全部優待品なんですね。整髪料から服も全部。ただリュックに関しては違うのですね。

キプリングといいう会社の株主優待券2,000円をもらったので買い物に行ったら、そもそも女性用バッグのお店だったんです。女性用のバッグしか売っていなかったので、1,000円のゴリラのアクセサリーをもらってきたんです。それをテレビで見ていたキプリングの方が、今着けているこのリュックをプレゼントしてくださったんですね。

そのためこのリュック以外はすべて優待品です。携帯電話もソフトバンクの優待で、月々の基本料金はタダですし1万円もらえました。ポケットティッシュは日本製紙で無料です。全部優待で生活できます。

だいたい、3000~4000万円ぐらいを優待株に分散投資すれば生活できると言われています。3000~4000万円ぐらい定期預金しても0.01%です。ほんの数千円しか金利が付きません。やはり優待株の分散投資が一番いいと思います。

分散していますと、もし会社が優待をやめたり潰れたりするようなことがあっても、残りの会社が倍になったりすることもあるので大丈夫です。

とりあえずは優待株を1銘柄買っていただく。毎月何千円でも分散投資の積み立てをするようなお金がありましたら、そのお金で優待株を1年に1銘柄でも2銘柄でも買っていくといいと思います。

もし20万円あれば、5銘柄に分散投資し利回りも5%

ホリエモン(堀江貴文氏)がテレビで相談を受けていました。「500円玉貯金で30万貯めたけど、どういう投資すればいいんでしょうか」と質問されて、「30万ぽっちじゃ投資できないよ」と回答してました。それ間違いなんですね。

私は20万円ぐらい入りましたら、優待株を5銘柄ぐらい買って分散投資します。そうすると利回りも5%ぐらいになりますし、いいんじゃないかと、そういう話をしています。

ホリエモンがまた別の質問で「桐谷さんを知ってますか?」と聞かれて、「そんなやつ知らねえよ」と答えておりました。あと「優待投資どう思いますか?」に対しても、「興味ねえよ」と答えをしておりましたけども、優待投資は非常にいいと思います。

今日、私がここへ来させていただいたのはマニークさんの紹介なんです。マニークさんはお金に関するマネープランをいろいろ提案する、今年できたばかりの東海東京証券が運営する新しい店舗です。保険や住宅ローン、資産形成のいろんな分野の相談に応じているし、八重洲地下街にお店があります。

私はマニークさんで一番たくさん講演させていただいていますが、そこでも私は優待の話をしています。優待株は頻繁に売買せず、買うとずっと持っている人が多いので、証券会社にとっては手数料が儲からないから正直あまりおすすめじゃないんですね。

しかし、投資家にとっては非常にいいものなので、ぜひ優待株を買っていただきたいし、優待投資家である私を大事にしてくれるマニークさん(東海東京証券)に、ぜひ足を運んで相談してみられるといいと思います。

では、もう時間が来ましたのでこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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