辰巳芳子さんが叱った!「最近の料理研究家は『簡単に』連発し過ぎです」

辰巳芳子さんが叱った!「最近の料理研究家は『簡単に』連発し過ぎです」

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  • 更新日:2017/11/12
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辰巳芳子(たつみ・よしこ、92)/1924年、東京都生まれ。料理家。フランス、イタリア、スペイン料理の研鑽を積む。“いのちを支える”ものとして「スープ」に着目。啓蒙を続けている(撮影/写真部・馬場岳人)

家庭料理のみならず、独自にフランス、イタリア、スペイン料理も学び、“いのちを支える”ものとして「スープ」に着目。NHK「きょうの料理」でも披露され反響を呼んだ。そんな広い視野で日本の食に提言を続ける辰巳芳子さん(92)に、料理とは何かを聞いた。

【「きょうの料理」に初出演した時に紹介した料理はこちら】

*  *  *

調べていただいて、「きょうの料理」の初出演の料理は「トマトソース」でしたか。イタリアの「サルサ・ポモドーロ・フレスカ」でしょうね。

「きょうの料理」といえば後にも先にもひとりだけ。「辻留」の辻嘉一先生ですよ。感覚的に素晴らしかった。論理的にもきちんと理屈を持っていらした。だから画面に魅力がありましたよ。

「この程度のものは作って召し上がって、季節を楽しんで元気でやってください」

という辻先生のなんとも言えない愛情が画面から伝わってきました。非常に愛情の深い方でしたね。私のような者も大事にしてくださって、

「あんさん、お母さん(料理研究家・辰巳浜子)の後をしっかりやらなあかんと思ってはいけない。あんさんのやりたいようにやりなさい」って声をかけてくださったこともあった。

いまの料理研究家は「簡単に」を連発するでしょう。家庭料理は簡単であってはなりませんよ。しなければならないことを徹底的にするのが家庭料理です。家庭の食事は人生そのもの。いのちそのものですから。

我ばかり強くなって、自然とひとつにならないと人間は生きていかれないということも忘れています。野菜料理を作るとき、もの言わぬ野菜の求めに応えることで美味が生まれます。そして、野菜というものの“いのち”と、人間の“いのち”との関わりも料理の時間を通して知る。「いのち」という観点から料理は考えないとだめです。

しかし、だからといって台所仕事を楽してはいけないと言っているわけではないのです。手抜きはだめですけれど、都合の悪いことは科学的に変えていけばいい。例えば炒めものに使う木べら。私は鍋の直径に対してどういう幅やバランスにすると、自分のかけた労力を逃がすことなく仕事ができるかを考えた。科学的なちょっとした工夫で楽にできるものです。

それよりもあなた、「きょうの料理」の思い出話を集めてどうするの? 北朝鮮のミサイルが飛んで以来、「ミサイルの時代に、日本人はいったいどのように食べていったらいいのか。どういう提案をしたらいいのか」。私はずっと考えていますよ。92歳ですけれどもね。思い出話なんてつまらない。考えるべきは、これからのことですよ。

(編集部・石田かおる)

※AERA 2017年11月13日号

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