SUPER GT 第8戦レビュー

SUPER GT 第8戦レビュー

  • J SPORTS
  • 更新日:2017/11/14
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予選上位はチャンピオン候補がGT500、GT300ともに独占!

泣いても笑っても、これが今シーズン最後の戦い。ツインリンクもてぎが舞台となるSUPER GT最終戦には、GT500は5チームが、そしてGT300は4チームがチャンピオン候補として乗り込んでいた。予選では、両クラスともトップ3が候補で占められた。ノーハンデのレースでこそ、本領が発揮されるということなのだろうか。

GT500では、MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリ組がポールポジションを獲得。これにWAKO'S 4CR LC500の大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、そしてポイントリーダー、KeePer TOM'S LC500の平川亮/ニック・キャシディ組が続く。

Q1で松田は「アタックした時、3コーナーのブレーキングでエンジン音が消えるほどロックさせてしまい、あれをうまくまとめていれば……と思ったけれど、次の周に置きに行ったタイムで僕は2番手だったから、きっとロニーならQ2でポールを獲ってくれると信じていました」と語り、そのクインタレッリもまた、「すごくプッシュしました、次生のアドバイスをしっかり受けて。実は僕も5コーナーで同じようなことがあったけど、なんとか止まり切れて、それ以外の走りは自分でもすごく良かったと思ったよ。でも、あんなタイムが出ているとは! 自分でもびっくりしたよ」と、コースレコード更新まで果たして、予選後は興奮冷めやらぬよう。

一方、GT300ではポイントリーダー、グッドスマイル初音ミクAMGの谷口信輝/片岡龍也組がポールポジションを獲得。早くも1ポイントを獲得したことで、どのチームの優勝を許そうとも表彰台に立てば、チャンピオンを獲得できることとなった。2番手はARTA BMW M6 GT3の高木真一/ショーン・ウォーキンショー組が、そして3番手はLEON CVSTOS AMGの黒澤治樹/蒲生尚弥組が獲得する。

「谷口さんがすごいタイムでQ1トップ。いきなりハードル上げてくれましたよね(笑)。できればQ1は3番手ぐらいの方が、アタックしやすいんですけど。しかも、55号車(ARTA BMW M6 GT3)は僕らが想定していた以上に速いタイムを出してきたって、無線で伝えられたから、アタックではイメージよりも攻めまくって。それでようやくポールが獲れました」と片岡。すると、谷口も「僕もQ2行きたかったけど、片岡が昔からもてぎは得意だっていうし、やらせろって気配がプンプンしていたので、譲ることにして。第一関門突破できて、素直に嬉しいです。(チャンピオンを)獲る気で来たので、後ろ向きでいても意味ないし、獲ると決めています!」と喜びを隠せない様子だった。ちなみに、片岡はこれがSUPER GTでは自身で奪った初ポールでもある。

ちなみに、MOTUL AUTECH GT-Rのふたりは勝ってなお、ライバルの動向次第ということもあって、谷口ほど王座獲得に対して強いコメントはなかった一方で、「今年の前半戦は苦労して、ずっと勝てずにいましたから、こうして最後までチャンピオン争いに絡めたからには、とにかく勝ちたいです。それで他車次第」と松田。あくまでも貪欲に勝利を意識していた。

MOTUL AUTECH GT-Rがポール・トゥ・ウィン。王座はKeePer TOM'S LC500が獲得!

決勝レースが行われる日曜日は、爽やかな秋晴れに恵まれた。今シーズン最後の戦いを見守ろうと、訪れた観客は3万6千人。もてぎといえば、コースやピットと、グランドスタンドの距離が遠くて残念がられることも多いが、今回はオーバルコースに仮設スタンドがホームストレート脇に。これが観客にも臨場感を味合わせただろうが、ピット側にも観客の興奮ぶりを直に伝わらせていた。さて、今回のパレードランは栃木県警の白バイ、パトカーだけでなく、デモランのため訪れていたDTMマシンも、GT全車を先導するという、今までになかった風景に。続いて行われたフォーメイションラップ、間もなくスタートというところでハプニングが発生する。最終のビクトリーコーナーで、ブレーキの温まりが悪かったのだろう。グッとブレーキングをしたクインタレッリのMOTUL AUTECH GT-Rのリヤと、カルダレッリのWAKO'S 4CR LC500のフロントがヒットしてしまったのだ。

MOTUL AUTECH GT-Rはわずかな間、白煙が吹くだけで済んだが、WAKO'S 4CR LC500はエアロパーツの損傷で、空力バランスが乱れてしまう。クインタレッリはそのままトップを走り続けたが、ペースが上がらないカルダレッリは、KeePer TOM'S LC500のキャシディ、S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代勝正に迫られる。必死にガードを固めていたカルダレッリながら、4周目の1コーナーでキャシディにかわされてしまう。

続いて千代がカルダレッリに迫るも、抜きあぐねたところをau TOM'S LC500のジェームス・ロシターに「ごっつぁんです」とばかりに、5周目の130Rで先行を許すことに。勢いに乗るロシターは、V字コーナーでカルダレッリさえ抜いてしまう。そのバトルの激しさゆえに後続は、まさに一列縦隊。そんな状況の中で、6周目の5コーナーでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラのフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rに、カルダレッリは追突されて大きく順位を落としてしまう。

8周目、3番手を走行していたau TOM'S LC500が突然ピットイン。ドライバー交代はせず、タイヤが4本交換される。それどころか、右リヤのホイールがなかなか装着できず、いったんガレージに入れられ、これでロシターの逆転チャンピオンの可能性はなくなった。GT300車両との接触で、足回りにダメージを負ったのが原因だった。そんな中、激しくなっていたのがS Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代、ZENT CERUMO LC500の立川祐路による3番手争いだ。同じレクサス陣営のチャンピオン候補2台が権利を失ったも同然だけに、奇跡の大逆転のためにも立川はなんとか前に出たいところだが、千代も完璧にガードを固め続けていた。同じニッサン、ミシュラン勢のMOTUL AUTECH GT-Rの援護、という意味合いもそこにはあったはずだ。

22周目、早くもピットに動きが現れる。上位陣で最も早く戻ってきたのは、2番手のKeePer TOM'S LC500。キャシディから平川に交代し、36秒でコースに送り出される。24周目にはトップのMOTUL AUTECH GT-Rがピットイン。クインタレッリからシートを託された松田も、36秒でコースに復帰して、KeePer TOM'S LC500の先行を許さず。その時点での約3秒差は、この後どうなっていくか。もっとも、後続が迫ってこない限り、もうKeePer TOM'S LC500は無理をする必要はない。このポジションが保たれれば、チャンピオンが手に入るからだ。

40周目を迎えた段階でMOTUL AUTECH GT-Rのリードは14秒、もちろん2番手はKeePer TOM'S LC500だ。3番手はZENT CERUMO LC500の石浦宏明ながら、同じレクサス勢ということを考えれば、空気を読んでいるのは間違いない。結局、そのポジションは最後まで保たれ、今季初優勝をMOTUL AUTECH GT-Rの松田とクインタレッリが獲得し、チャンピオンはKeePer TOM'S LC500の平川とキャシディ、23歳同士のコンビが獲得することとなった。そして4位は、ゴール間際までRAYBRIG NSX-GT、S Road CRAFTSPORTS GT-Rとの死闘を繰り広げていた、KEIHIN NSX-GTの塚越広大/小暮卓史組が獲得した。

まさに感無量の、平川とキャシディ最年少チャンピオンコンビ

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「言葉にならないよ。タイのレースですごいプレッシャーを感じながら勝って、今日のレースも亮の走りを最後なんか、とても見ていられなかったよ。僕はミスや接触のないように、けっこう冷静に走れたんだけどね。SUPER GT2年目の僕を信頼してくれたチームには、すごく感謝しています。チャンピオンを獲れたことは、僕にとって嬉しくもあり、そしてすごく意味のあること。これからも日本でレースを頑張っていきたい」とキャシディ。平川も「なんて言っていいか分かりませんが、本当にみなさんに感謝しています。この順位をキープすればいいのは分かっていたんですが、プレッシャーの中走らなきゃいけなくて大変でした。1年通してミスなく、ニックもいい仕事をしてくれて完璧なシーズンになりました」と、ともに感無量といった様子だった。

「今、振り返ると開幕戦でレクサス勢に6位まで独占されて、苦しいシーズンが始まったと思いつつ、そんな状況の中で僕らは全戦入賞できたし、その状況の中でクルマもタイヤも少しずつ開発を進めていって、最後にこうして合わせ込めたから集大成として、優勝ができたんだと思います。チャンピオンは獲れなかったけど、ロニーとふたりですごく高め合えたシーズンになりました。来年は絶対にタイトルを獲り戻します!」とウィナーの松田は語った。

グッドスマイル初音ミクAMG、ポール・トゥ・ウィンならずも、王座は獲得!

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GT300ではクリーンスタートが切られ、片岡のグッドスマイル初音ミクAMGがトップで1コーナーに飛び込み、これに続いたのは高木のARTA BMW M6 GT3。3番手に予選4番手だったVivaC 86 MCの山下健太が浮上し、LEON CVSTOS AMGの黒澤はオープニングラップのうちに6番手にまで後退。まずは3台でトップが争われるかと思われたが、片岡は早々にピッチを上げて逃げの構えに出る。11周目には高木に対して、6秒3のリードを築いていたが、それ以降は逆に差が縮まっていく。すでにグッドスマイル初音ミクAMGのタイヤは、音を上げていたのだ。そこでミニマムの16周で片岡を呼び寄せ、谷口と交代させるとともにタイヤを4本とも交換する。同じ周に5番手を走行していたD'station Porscheも、スヴェン・ミューラーから藤井誠暢に交代。なんとコースに戻ったのは、グッドスマイル初音ミクAMGの真後ろ! 13秒ほどあった差をリヤタイヤ2本の交換で、一気に詰めてしまったというわけだ。そればかりか、すぐにD'station Porscheの先行を許す。

次の周には、VivaC 86 MCとLEON CVSTOS AMGが相次いでピットイン。それぞれ松井に、蒲生に代わるとともに、タイヤを左2本、前2本だけの交換でロスを最小限として、グッドスマイル初音ミクAMGの谷口の前に出ることに成功。ピットを済ませている車両の中でのトップは松井で、これに藤井、蒲生、谷口という順になる。中でも藤井の勢いは十分、18周目の90度コーナーで松井をもかわしたのだが、好事魔多し。D'station Porscheはそれから間もなく失速、ピットに戻る羽目に。右フロントのタイヤにダメージを負ったためだった。これで松井、蒲生、谷口という順になり、そのまま3台でのバトルを繰り広げていく。

一方、上位陣で唯一ドライバー交代を遅らせ、トップを走行していたARTA BMW M6 GT3が31周目にようやくピットに戻ってくる。高木からウォーキンショーの交代とともに、行われるかと思われたタイヤ交換はなし! なんと21秒でレース復帰、松井を先頭とする集団の前に出ることにも成功する。もう1台、タイトル獲得の権利を残していた、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3も中山雄一から坪井翔への交代を31周目に行って、やはりタイヤ無交換とするが、同じ作戦を採られては差が縮まらず、6番手での復帰に。また、その周の1コーナーでは、ついに蒲生が松井の前に出ていた。

これでグッドスマイル初音ミクAMGの谷口は4番手。現在の位置関係ならチャンピオンが手に入るが、万が一LEON CVSTOS AMGの蒲生が、ARTA BMW M6 GT6のウォーキンショーの前に出たりすれば、逆転を許してしまう。そのため、VivaC 86 MCの松井を何としても抜きたいところ。が、そのガードは極めて固い。「同じヨコハマ勢なのに!」という谷口の叫びが聞こえてきそうだ。しかも、谷口の後ろには、PACIFIC NAC PORSCHE 911のジョノ・レスターまで近づいてきた。ようやく前に出たのは39周目の5コーナー。レスターも松井をかわしていく。これでグッドスマイル初音ミクAMGに、王座獲得の条件は整った。

優勝はLEON CVSTOS AMGが獲得したGT300、「来年僕らはもっと強くなる」と黒澤

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そのことはLEON CVSTOS AMGの蒲生にも、無線で告げられていたはずだ。それでも徐々にトップとの差を詰めてラスト2周で勝負を仕掛け、ARTA BMW M6 GT3のウォーキンショーを1コーナーでとらえた蒲生。そのまま逃げ切って2勝目をLEON CVSTOS AMGが獲得したが、ランキングは2位。「THIS IS RACE。すべてがそれ。タラレバを言っても仕方ないし、僕らの総合力が劣っていただけ。ただ、来年の僕らはもっと強くなる」と黒澤は、すべてを受け入れていた。

そしてチャンピオンは、グッドスマイル初音ミクAMGの谷口と片岡が獲得。「ホッとしています。ポイントリーダーとしてもてぎに入って、勝てなくて悔しいですが、チャンピオンが獲れてすごく嬉しいです。ヨコハマの100周年に花を添えられてよかった。厳しい戦いを強いられていただけに、今は肩の荷が下りたというか、これからじわじわと実感が湧いてくるんでしょう」と谷口が語れば、片岡は「ファンとして見ている分には、すごく面白いレースだったんですが、当事者としてはすごく心臓に悪かった(笑)。僕だけいいところ走って、谷口さんには辛い思いをさせてしまいましたからね。今年はまわりの人たちにすごく助けられて、恩返しには結果を出すしかないので、その結果がチャンピオンで本当に良かったです」と、それぞれレース後には安堵の表情を見せていた。

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