障害を乗り越えた「全盲のプロサーファー」の情熱に胸が熱くなる

障害を乗り越えた「全盲のプロサーファー」の情熱に胸が熱くなる

  • IRORIO
  • 更新日:2017/09/15

ブラジルの青年Derek Rabelo(デレク・ラベロ)さんは、モンスター級の波で知られるハワイのバンザイ・パイプラインを制覇した一流のサーファーだ。

もちろんそれ自体は珍しいことではない。上級サーファーはいくらでもいる。だが、Rabeloさんは全盲だ。目がまったく見えない。

▼中央左の帽子を被っているのがDerekさん

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Not by Sight – Alem Da Visao/Facebook

サーファーの父に育てられ

Derekさんが生まれたとき、父親のErnestoさんは彼の名前をすでにDerekと決めていた。サーフィンの世界チャンピオン、Derek Hoと同じ名前。

父Ernestoさんは熱狂的なサーファーだった。それだけでなく、Derekさんの伯父もプロのサーファーとして活躍していた。言ってみればサーファーの家系に生まれたわけだ。

父や伯父と少し違ったのは、彼が先天性緑内障で、生まれた時からまったく目が見えなかったことだ。

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Turkish Airlines/YouTube

2歳でボディボードを体験

だが、やはりDerekさんの体にもサーファーの血が流れていたようだ。2歳の時に父親からボディボードをもらい、ブラジル・グァラパリの海岸で乗り始めた。

17歳になると、父親に教わってサーフボードの上に初めて立ったという。父親はサーフィンの基本を教え、息子をサーファーにするという夢を語ったそうだ。それを聞いたDerekさんは、プロのサーファーになることを決心した。

Derekさんはメディアの取材を受けてこう語っている。

僕と父は、毎日早朝から海に出かけて練習しました。それだけでなく、サーフィンのスクールにも通ってコーチから教わり、仲間たちとも練習しました。コーチも仲間も僕が全盲であることはまったく気にせず、ごく普通に接してくれました。

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Not by Sight – Alem Da Visao/Facebook

ハワイの大波を制覇

スクールに通い始めてから1カ月後、彼はハワイのバンザイ・パイプライン制覇を目標に設定する。上級者にとっても難関の大波だ。周囲の人たちは「危険過ぎる」と言って反対した。

だが、彼の情熱は消えなかった。2人の伝説的なプロサーファー、Kelly SlaterとMick Fanningに弟子入りして腕を磨き続け、24才になった今、バンザイ・パイプラインをすでに何度も制覇している。

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Not by Sight – Alem Da Visao/Facebook

ドキュメンタリー映画からプロへの道

2012年に彼のサーフィンを撮影したビデオの1つが話題になり、それに興味を持ったBryan Jenningsという映画監督が彼を主役としたドキュメンタリー映画「Beyond Sight(視界の向こうへ)」を制作。これで有名になったDerekさんに、プロサーファーへの道が開けた。

Derekさんは、他のプロサーファーのように競技会に出場してはいない。

だが、サーフボードや水着メーカをはじめとした企業がスポンサーとして付き、世界各地の海でサーフィンのデモンストレーションをしている。

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Turkish Airlines/YouTube

▼彼を起用したトルコ航空のプロモーションビデオ

聴覚と触覚で波に乗る

目の見えないDerekさんは、単独では海に出れない。波に乗り始めるポイントまでは、介助者に連れて行ってもらう。

だが、そこからはすべて1人だ。傾いた水面に手を触れることで波の動きを感じ取り、音を聞くことでその波がどう変化していくかを推測しているという。

「僕は海を聴き、触れて感じています」とDerekさんは言う。「波の様々な部分が、それぞれ違った音を出します。それを聴くと、波のどちら側に向かっていけばいいかが分かるのです」

目が見えなくてもサーフィンはできる。もしあなたに夢があるなら、自分の力を信じなければいけません。そうしなければ夢は達成できません。人には誰でも神から授かった優れた感覚がある。情熱と忍耐をもってその感覚を伸ばすべきなんです。

現在の彼の目標は、タヒチとインドネシアの波の名所を制覇することだそう。趣味としてスケートボードだけでなく、スノーボードにも挑戦したいという。

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