“サバイバーの怪”HBKが王座転落!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第234回(1996年編)

“サバイバーの怪”HBKが王座転落!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第234回(1996年編)

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2016/11/30
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“HBK”ショーン・マイケルズが大穴サイコ・セッドに敗れWWE世界王座から転落。ビンス・マクマホンは“問題児”セッドをチャンピオンベルトをめぐる闘いに起用した(写真はWWEオフィシャル・マガジン表紙より)

それはやや唐突な新チャンピオン誕生シーンだった。“ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズが“伏兵”サイコ・セッドに敗れ、WWE世界ヘビー級王座を失った。

王座移動ドラマの舞台となったのは、11.17PPV“サバイバー・シリーズ96”マディソン・スクウェア・ガーデン大会(ニューヨーク州ニューヨーク、観衆=1万8647人、興行収益=52万9522ドル)。

前日(11月16日)、マンハッタンのマリアット・マーキス・ホテルでおこなわれた“ホール・オブ・フェーム96”授賞パーティーとのカップリングで開催された同イベントは、2日間の共通チケットが125ドルというやや高めの料金設定になっていた。

1987年の第1回大会から数えてちょうど10年めを迎えた“サバイバー・シリーズ”はこの日、“HBK”ショーン対セッドのWWE世界戦をメインイベントに全6試合をラインナップ。カード編成と登場人物の顔ぶれをふり返ってみると、ひじょうに興味ぶかいレイアウトだったことがわかる。全カードは以下のとおり。

①ダグ・ファーナス&フィル・ラファン(ダニー・フロファット)&ガドウィンズ(ヘンリー&フィニアス・ガドウィン)対オーエン・ハート&デイビーボーイ・スミス&リーフ・キャシディ(アル・スノー)&マーティ・ジャネッティ②アンダーテイカー対マンカインド③ロッキー・メイビア(ドゥエイン・ジョンソン)&マーク・メロ&バリー・ウィンダム&ジェーク“ザ・スネーク”ロバーツ対ハンター・ハースト・ヘルムスリー&ジェリー・ローラー&クラッシュ(ブライアン・アダムス)&ゴールダスト

④“ヒットマン”ブレット・ハート対“ストーンコールド”スティーブ・オースチン⑤ベイダー&ファルーク(ロン・シモンズ)&レーザー・ラモン(リック・ボーグナー)&ディーゼル(グレン・ジェイコブス)対フラッシュ・ファンク(2・コールド・スコーピオ)&ヨコヅナ&サヴィオ・ヴェガ&ジミー・スヌーカ⑥ショーン対セッドのWWE世界戦。

第1試合に出場したファーナス&ラファンの元カンナム・エキスプレスは、約7年間在籍した全日本プロレスからECWを経由してWWEと契約。第3試合に出場したR・メイビアはいうまでもなくのちのザ・ロックで、今大会がWWEでのデビュー戦。前WWE世界王者ブレットはこの日が3.31“レッスルマニア12”以来、約8カ月ぶりの戦列復帰となり、ストーンコールドとの対戦もこれが初めてだった。

メインイベントでショーンが保持するWWE世界ヘビー級王座に挑戦したセッドは、10.20PPV“イン・ユア・ハウス11”インディアナポリス大会でベイダーとの次期挑戦者決定戦に勝ち王座挑戦権を獲得。当初はこの試合はベビーフェース対ベビーフェースといった色合いのタイトルマッチになることが予想されたが、いざフタを開けてみたら、ふたりともヒール的なキャラクターを演じていた。じつはこのあたりの“変換”はその後のWWEの長編ドラマを理解していくうえで重要なポイントになってくる。

ショーン自身がそういう状況を望んでいたかどうかはさだかではないが、ショーンはこの日、ニューヨーカーの男性ファンからブーイングの集中砲火を浴びた。HBKというキャラクターの“ターゲット支持層”は女性ファンと子どもファンで、試合会場でHBKグッズを買ってくれるのももっぱら女性ファンと子どもファン。ショーン・マイケルズというレスラーは男性ファン、とくにマニア層にはあまり人気がなかった。

20分超の耐久戦となったタイトルマッチは、セッドがショーンのセコンドの“師匠”ホゼ・ロサリオをTVカメラで殴打。場外で失神KO状態のロザリオをショーンが試合そっちのけで気づかい、そのスキにセッドがショーンをハイアングルのパワーボムでキャンバスにたたきつけて速攻のフォール勝ちをゲットした。王座移動シーンを予測していなかったガーデンの観客は一瞬、シーンとなり、この試合結果に戸惑いをみせた。

次回PPV、12.15“イン・ユア・ハウス12”ではセッド(王者)対ブレット(挑戦者)のWWE世界戦がおこなわれることが発表された。ショーンのまさかの王座転落―ブレットのカムバックでどうやら長編ドラマが大きく動きはじめたのだった。(つづく)

※この連載は月~金で毎日更新されます

文/斎藤文彦 イラスト/おはつ

※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。

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