料理がダメな人でも、料理上手な人を「簡単に」超える方法がある

料理がダメな人でも、料理上手な人を「簡単に」超える方法がある

  • ハーバービジネスオンライン
  • 更新日:2019/05/23
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たまTSUKI「テキトー料理」の数々

◆料理ベタでもなんとかなる鍵があった!

料理が苦手、嫌い、からっきしわからない、という男性は多い。ドラマや映画によく出てくる離婚した男性のシーンは、妻が家を出て行った後にはコンビニやスーパーの惣菜だけの食事になるとか、電子レンジでチンしただけ、湯を注ぐだけの食事、なんて姿になり果てている。味も素っ気もなく、虚しく見すぼらしい暮らしになる……という感じだ。

俺のオヤジもそうだった。冷蔵庫すらまともに開けられず、鍋は焦がし、オフクロによく「お父さんは家では何もできない」なんてボヤかれていた。

女性でも、料理に親しめない環境で育ったなどの理由で、外食や冷凍食品だけに頼る人も少なくない。今回は、まったくキッチンに立ったことがない人でも、テキトーで簡単に美味しい料理はできるのだということをお伝えしたい。その方法とは……。

a) 普通の調理とは常識がからきし違う。

b) だから何もできない人ほどとっつきやすい。

c) 普通の料理とは土俵が違うので、比較されないし、バカにされない。

d) ゆえにむしろ「すごいね」「ヘルシーだね」「エコだね」とリスペクトされる。

というものだ。ちなみに俺は30歳までコメを研いだことすらなかったし、目玉焼きも焼けなかった。野菜の名前もわからないし、肉や魚はキモくて触れなかった。しかし、34歳の時にオーガニックバー「 たまにはTSUKIでも眺めましょ 」を開店した。バー とはいえかなりの料理メニューがある店だ。1人で営む店だから、当然仕込みも調理も俺が担った。

試行錯誤していく中で、料理の素人がまったく努力せずに「料理上手」だと言われる人の料理を超える道があることに気づいた。それは「マクロビオティック」「重ね煮」「伝統製法の本物の調味料」「安心のオーガニック素材」といったものだ。

◆一般的な料理とは常識がまったく違う「マクロビオティック」

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筆者作、山芋豆乳グラタン

マクロビオティックとは、「マクロ=大きな」「ビオ=生命」「ティック=術・学」が組み合わさってできた言葉で「自然に即した命のあり方」を意味する。主に穀物・野菜・海藻などを使った、日本の伝統食をベースにした料理で、自然と調和した健康な暮らしを実現する。

と言うと、難しい感じがするに違いない。料理が上手な人がさらに高みを目指す道のようにも見える。だが実は簡単なのだ。いい所取りをしてしまえばいい。

そもそも、マクロビオティックは現代の一般的な料理とは常識がまるで違う。例えば、野菜の皮は剥かない。根もヘタも棄てずに、すべて使い切る。ということは、包丁が苦手な人でも問題ない。野菜を洗うだけでいいわけだ。

だから、無農薬・無化学肥料で栽培されたオーガニック野菜を使うのがいい。農薬などが皮や根に残っていないからだ。

本来は、それらの捨てられる部分にこそ栄養がある。根は地中へと掘り下げて栄養を吸収する場所だし、皮は外敵から身を守るための力を蓄えている。ヘタはすべての栄養の通り道。普通の調理では「汚い」とか「見た目が悪い」と言って捨てられてしまう場所だ。

こんなウンチクを語りながら料理を出せば、説得力もあることながら、普通の料理と土俵が違うので比べられない、ダメ出しもされない。

◆野菜の切り方を知らなくても、包丁さばきの技術がなくてもOK

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タマネギの回し切りの手順。『わらのごはん(船越康弘・かおり著)』から引用

包丁での切り方も難しくない。料理の素人からすれば「いちょう切り」「ささがき」「桂剥き」などは難しそうだ。野菜によって切り方も変わる。

だがマクロビオティックの場合は、繊維に沿って切ることがいちばん大事。その作物としての育ってきた特性を考えて、彼らが力を発揮しやすいように切ってあげるだけだ。野菜が植わっている状態を思い浮かべて、育つ方向に包丁を入れて、繊維を切断しないように、どんな切り方がいいか考える。

例えばタマネギなら、縦半分に切り、芽を上、根を下にして、中央から放射線状に縦の繊維に沿って薄く切る。玉ねぎを回しながらだと切りやすい。こうすることで1片の中に上・下・外・内がすべて入り、バランスが良い。

また、マクロビオティックでは肉や魚をあまり使わないので、魚がおろせない、肉の下処理がわからない、という人でも心配いらない。

ということで、いちいち野菜や肉魚ごとに切り方を覚えたり、包丁さばきの技術を高めたりする必要はないのだ。何もできない人ほどとっつきやすいじゃないか。

「ね〜、その切り方、変じゃない?」と言われても、「これはね、調理の常識とは違うけど、野菜の繊維を傷つけず、彼らがなるべく痛がらないようにその特性を活かしてあげる切り方なんだよ」なんて言ったら、バカにされるどころか「へ〜、そうなんだ、知らなかったよ、優しいんだね」なんて感心されるだろう。

大根を回しながら薄く皮を剥いていく「桂剥き」のようなハードルの高い技術がなくても、それを一段階飛び越した形でリスペクトされちゃうのである。

◆切って重ねて煮るだけの、誰にでもできる「重ね煮」

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マクロビオティックの料理方法の一つに「重ね煮」というものがある。まず、いくつかの野菜を、皮を剥かずに細かく切る。そして、油も敷かず水も入れずに鍋の下から野菜を重ねていき、一番上に塩を振る。そこに蓋をして、焦げないように超弱火で時間をかけ、火が通るまで煮る。火力の節減になってエコなうえ、切って重ねて煮るだけなので誰でもできる。

地上の高いところに実る野菜ほど下に、地下深くで実る野菜ほど上に、という順番で重ねる。地上で上に伸びて行こうとする性質の野菜は、火をかけられると鍋の中でも再び上方向に。地下に伸びて行こうとする性質の野菜は火をかけられると再び鍋の下方向に。そうやって上下それぞれの野菜が自然の摂理に従って特徴を発揮し、鍋の中の真ん中に向かって旨味を調整していき、バランスと調和が図られる。

アクも旨味になるので、アク抜きなどしない。皮も剥かず野菜丸ごとだから、生命力が発揮されて旨味になってくれるのだ。出汁や化学調味料を入れなくても、野菜のエキスがそのまま旨味になる。

蓋をするのは、野菜の水分が逃げないようにするためだ。水道水などを入れれば傷みやすくなるし、入れた水に野菜の旨味が移行して、野菜そのものの味が落ちてしまう。水分を入れないからこそ旨味が逃げないのだ。油も使わないから、酸化して味が落ちることもない。肉や魚や油を使わないので、洗剤を使わずに洗い物ができて、下水も汚さない。

ちなみに「魚介や肉を使うな」ということではない。それらを入れるなら鍋の一番上に重ねる。全体に火が通ったら、鍋の中を混ぜ合わせて、臨機応変に使う。マッシュしてコロッケなどの揚げ物にしてもいいし、春巻きにしてもいい。醤油とごま油を和えてきんぴらにしてもいいし、混ぜ合わせただけのサラダにしてもいい。味噌汁の具に使ってもいいし、リゾットやパスタにもアレンジできる。

外部から余計な不純物が入っていないから、冷蔵庫で保管しても長く持つ。これほど簡単で、アレンジが幅広い調理方法はない。誰でもできて、美味しいのだ。

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◆自然塩に含まれるミネラルが野菜の旨味を引き出してくれる

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調理中の野菜。本物の調味料を使えば、余計な調味料はいらない

味の決め手は、調味料にかかっていることは当たり前だ。今や、本物の調味料は巷ではなかなか手に入らない。本物でないものが“本流”になってしまった。

巷でよくみる「食卓塩」などの精製塩は、電気分解によって塩化ナトリウム100%近くに精製されている。しかし、本来の自然塩には微量ながらも20種類以上のミネラルが入っていて、そのバランスが大切なのだ。

人間のルーツは海だ。自然界にあるものを摂取して生存進化してきた。「高血圧の原因は塩」だから「塩分を控えろ」というのが常識だが、自然界にない人工的なものを体内に入れても吸収しづらいから、体にさまざまな弊害をもたらすのだ。

同時に、生活習慣病の原因として「慢性的なミネラル不足」と言われるが、本物の塩を摂っていれば不足分は改善される。自然塩には塩化ナトリウムだけでなく、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどさまざまなミネラルが微量ながらもバランス良く入っているから、自然界の作物と調和して旨味も引き出してくれる。

◆本物の調味料を使えば、味が一発で決まる

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「 たまTSUKI」で人気だった「いろんな野菜のお醤油焼き」。伝統製法の醤油だけで味が決まる!

醤油も味噌も、みりんも酢も、すべて時間をかけて発酵させたうえで作られるもの。しかし現在は、コスト削減、効率化、製造期間短縮のために、本来の製法とは違う方法や違う材料によって作られているものがほとんどだ。しかしそれでは味が整わないから、さまざまな添加物を加えて本物の調味料の味に近づける。だが、これでは本物とは言えない。

伝統製法で本来の時間をかけてつくられた本物の調味料を使って料理すれば、味が一発で決まる。14年間営んだ「たまにはTSUKIでも眺めましょ 」の料理は、ほとんどが塩と醤油だけで味つけしたものだった。化学調味料は一切使わない。それなのにお客さんたちは「素材の味が引き出されていて美味しい」と言ってくれた。「どんな醤油、どんな塩、どんな調味料を使っているのか」とよく聞かれもした。

油もそうだ。伝統的な焙煎・圧搾方法で作られた国産の菜種油などは、香りだけでもうっとりする。巷のサラダ油やキャノーラ油などは、アメリカやカナダなどで栽培された遺伝子組み換え大豆やアブラナ科の作物などから精製されている。香りなどもほとんどしない。そもそも自然界にないものから作られているわけだ。

本物の調味料を手に入れるには値が張る。そうでないものは安い。だが、安いもので味つけしても良い味にはならないから、他の調味料がたくさん必要になる。結局は買う物が増え、キッチンは調味料だらけになり、掃除もたいへんでゴミも増える。

本物の調味料を使えば、他に買う必要はない。買い物頻度は減り、掃除も楽になり、ゴミも少なくなる。トータルコストで言えば、本物を使ったほうが安いということになるのだ。しかも何より、料理が美味しく仕上がる。

◆野菜と本物の調味料で作った料理にはメリットがたくさん

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マッシュじゃがのカツ風

料理を美味しく感じるには、見栄えも重要だ。「自分には盛りつけのセンスがない」と嘆く人が多いが、これも簡単にできるのだ。その方法を3つお伝えしよう。

1)料理に対して、大き目で柄がシンプルな皿を用意する

2)真ん中を高く盛る

3)目立つ色を上部か前面に出す。

これだけ気をつければ、必ず美味しく見えるはずだ。

美味しい料理が簡単に作れることがわかれば、自分で料理をする頻度が高くなる。すると、自然とエンゲル係数(食費比率)も減らすことができる。そして、さらに重要な変化に気づくことだろう。例えば、翌日の調子が良い、大小便が臭くなくなる、体臭や口臭が改善する、体のダルさがなくなる、疲れにくくなる、頭や五感が冴えてくる、ポジティブになる……など。

30歳までの俺は、毎日のように「ダルい」というのが口癖だった。本物の食材・調味料を使った美味しい料理を食べる頻度が上がっていた35歳の時、たまたま近くにいた人が「今日、ダルいんだよな〜」と言った。そこで「はっ」と気づいた。「あれっ。俺、この数年『ダルい』と言ってねえじゃん!」。「ダルい」という感覚は久しくなくなっていたのだ。そして、48歳の今でもダルさを感じることはない。

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おからサラダ

巷には冷凍食品・加工食品が蔓延している。それらは製造過程で例外なく煮沸消毒を行う。水で煮てしまえば、素材の旨味も栄養素も水の中に逃げてしまう。そのため、多くの添加物を加えなければならなくなる。

冷凍食品・加工食品をいっさい使わず、野菜と本物の調味料だけで料理を作った時、最高に美味くて充足感に浸れる料理ができ上がるのだ。

【たまTSUKI物語 第16回】

<文/髙坂勝>

1970年生まれ。30歳で大手企業を退社、1人で営む小さなオーガニックバーを開店。今年3月に閉店し、現在は千葉県匝瑳市で「脱会社・脱消費・脱東京」をテーマに、さまざまな試みを行っている。著書に『次の時代を、先に生きる~まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ』(ワニブックス)など。また、筆者の「誰にでも簡単に美味しい料理ができる」調理方法とレシピをYoutube「タマツキテキトー料理 動画&レシピブック」で公開中。

【sosa project】

<写真/えーびーしーでぃーしょっぷ>

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