活況「いちごの日」商戦を支える「国産イチゴ」の超絶進化

活況「いちごの日」商戦を支える「国産イチゴ」の超絶進化

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  • 更新日:2018/01/14

1月15日が「いちごの日」であることをご存知でしょうか。全国いちご消費拡大協議会が「いいいちご」の語呂に合わせて制定したのが始まりとされています。

この記念日を前に、主に外食産業でイチゴを前面に押し出した動きが活発になっています。しかも、多くのイベントが盛況のようで、そのほとんどで国産イチゴが使われています。

どのフルーツも生産者の高齢化や安価な輸入品の台頭によって、国産品の生産量が減少しているのが現状です。ところが、イチゴに限っては国産品が大いに健闘しています。

何がここまで多くの人を魅了するのでしょうか。国産イチゴの人気の理由を探ってみます。

活況に沸く「いちごの日」フェア

冬から春にかけて旬を迎えるイチゴ。例年「いちごの日」である1月15日前後には、外食業界でイチゴフェアが開催されています。ただ今年は、いつもと少し様子が違います。キーワードは「インスタ映え」です。

たとえば、ヒルトン大阪では昨年以上にインスタ映えを意識。動くメリーゴーランドや観覧車、回転するカップケーキなど「動画映え」を狙った苺ビュッフェイベントを1月5日から展開しています(冒頭写真)。

レストランオープン後、最初の5分間は写真タイムを設けており、ビュッフェ台がきれいな状態で写真撮影を楽しめるようになっています。スマートフォンではなく、持参した大きな一眼レフカメラで撮影するお客さんもいるそうで、滑り出しは好調とのことです。

また、東京・上野のビュッフェレストラン「大地の贈り物」では昨年に続き、「あまおう」をかご盛りにして、そのまま頬張る「フレッシュあまおう食べ放題」を開催。お客さんが“殺到レベル”で押し寄せているそうです。そのほかにも、イチゴピザなどインスタ映えを意識したメニューを取りそろえています。

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ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルで提供している「恵方ロール」(税込み692円)

もうすぐやってくる節分の「恵方巻き」ですが、お寿司に混じってイチゴも姿を見せています。ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルでは、スイーツ恵方巻きを他店に先駆けて2010年から販売しています。一般的なお寿司の恵方巻きと異なり、小さな子供から年配の人まで食べやすいサイズで人気を呼んでいます。

国産イチゴが輸入品を圧倒する現状

このようにインスタ映えを意識したイチゴフェアで、各社とも1月15日の「イチゴの日」を迎え撃つ格好です。いずれも国産のブランドイチゴを使用しているのが特徴で、米国産、中国産のイチゴの姿はどこにも見当たりません。

リンゴやオレンジといったフルーツは、主に価格面で輸入品に押されている面が否めません。しかし、イチゴについては輸入が縮小を続けている一方で、国産品が好んで食べられるようになっています。

国産イチゴが好きなのは日本人だけではないようです。冬から春にかけて、イチゴ狩りは訪日外国人に人気の観光オプションとなっています。下図のように、輸出額もここ数年で急激に伸びています。

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好調の背景をたどっていくと、根源的な理由として「イチゴが生産者にとって“稼げるフルーツ”である」という事情が浮かび上がってきました。

“稼げるフルーツ”が生む好循環

下図は、主なフルーツの粗収益から経費を差し引いた生産者の年間所得を示したものです。最新データは2007年と少し前のものですが、メロンやスイカといった“儲かる”イメージのあるフルーツを大きく引き離しています。

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イチゴは基本的にビニールハウスで栽培するフルーツで、温度を安定的に保つために暖房をつけ、美しく育てるためのケアも必要になります。それだけに栽培の腕前が結果に現れやすく、味や見た目が良ければ、かなりの高値で売れるのです。

ブランドイチゴになると売値が1粒1,000円というものもあり、贈答用では値段が高いものほど好まれます。また、イチゴは老若男女を問わず好まれ、クリスマスを中心に強力なシーズン需要があります。

難しいけれど良品を作る腕前をつけることで稼げるという“やりがい”があるのが、イチゴというフルーツの特性なのです。それゆえ、利益の上がった農家がさらに品質向上を進め、それがさらなる利益を生むという好循環を生み出しています。

独自の進化を遂げてきた国産イチゴ

現在のような赤くて大粒のイチゴは、もともと江戸時代の終わり頃にオランダから長崎に持ち込まれたものだといわれています。当時は赤色が血液を連想させるとされ、積極的に食べられることはなかったようです。

明治時代に入ると、米国や英国からさまざまな品種が入ってきました。国産第1号のイチゴは、新宿御苑で生まれました。

近年になり国産イチゴのブランド名が登録され、2000年に入ると「さちのか」「さがほのか」「紅ほっぺ」「あまおう」などの品種登録が続きました。現在では、「イチゴを買う」というより「あまおうを買う」といった指名買いをすることが珍しくなくなりました。

私の経営しているフルーツショップでも、「あまおうよりこちらのほうが好み」と言って、熊本県産の紅ほっぺやひのしずくを購入されるお客様がいます。自分の好みのブランドイチゴを買うという消費行動は、それだけ味に繊細な日本人に合わせてイチゴが進化してきたことの現れでしょう。

このように、日本人の味覚に合わせて進化した国産イチゴですが、それゆえに近隣諸国のフルーツ生産者にとっては垂涎の的にもなっているようです。昨年6月には、日本のイチゴ品種が韓国に流出したことが大きな問題となりました。

日本が海外に輸出していたら稼ぐことができたであろう損失は5年間で最大220億円にも上る、という農林水産省の試算もあります。苗が流出したイチゴを安さに負けて逆輸入、ということにならないよう、水際での流出対策の徹底と絶え間ない品種改良が求められそうです。

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