クラウドファンディング挑戦中なのに、すでに類似品が市販されていたという問題あるある

クラウドファンディング挑戦中なのに、すでに類似品が市販されていたという問題あるある

  • @DIME
  • 更新日:2017/10/13
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クラウドファンディングの影響力は、今や多方面に及んでいる。

この仕組みは、要は「世界中の人から1ドルずつ集めたら巨額の金を捻出できるのでは」という発想から来ている。インターネットが普及する以前、これは現実的に不可能だった。「集めた資金」よりも「資金を集めるための費用」が上回るからだ。

しかし、今は違う。世界中とオンライン接続し、金銭のやり取りもそこでできるようになった。余分な経費がかからなくなったわけだ。

素晴らしいアイディアには資金が集まり、それを元手に具現化される。字面で書けば、素晴らしいことだらけの状況だ。

しかし、たとえばこんなことが起きているとしたらどうだろうか?

ある製品プロジェクトが資金を集めている最中に、別の会社がそれと同様のものを市場投入してしまった場合である。

「折り紙」を取り入れたまな板

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筆者がこの記事を執筆しているのは2017年10月1日。『Kickstarter』で『Oriboard』という製品が資金調達キャンペーンを行っている。

これは、日本の折り紙を参考にしたというキッチン用品。まな板としての使用が主なものだが、折り目通りに曲げれば水切りザルになる。この製品を発明したのは、フランスのスタートアップ『ZUNIK』。いわく、水切りザルはどこに置いてもかさばってしまうという。

確かにその通りだ。そもそもキッチン用品というのは、ザルに限らずスペースを取ってしまうデザインのものが多い。

Oriboardは、すでに目標金額を越える資金を集めている。ノルマ9000ユーロ(約120万円)に対し、期限残り19日で1万3000ユーロ(約170万円)の達成額だ。

筆者はこのOriboardを、19ユーロ(約2500円)で予約した。送料は別途5ユーロ(約660円)かかる。

これを踏まえて、話を進めたい。

■同一コンセプトの別製品が静岡市内のホームセンターに!

「Oriboardと全く同じものが静岡市内のホームセンターで売られている」

その一報を受けたのは、筆者がOriboardの予約を取ってからしばらく後のことだった。

早速、某ホームセンターに行ってみる。その製品はすぐに見つかった。それが以下の写真である。

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デザインは違うが、そのコンセプトはまったく同じ。「水切りザルになるまな板」である。メーカーはイギリスの『Joseph Joseph』。製品名は『Rinse&Chop Plus』という。こちらの製品はOriboardとは若干折り方が異なり、決して盗作というわけでないとはわかる。ここではどちらがアイディアを盗んだかということを話題にするのではなく、クラウドファンディングで起こりがちな現象について取り上げたい。

「もしも誰かが、そのアイディアをすでに具現化していたら」という現象である。そしてその上で、OriboardとRinse&Chop Plusを比べてみよう。

■機能面はOriboardが優勢だが...

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台所用品としての機能は、Oriboardのほうが明らかに勝っている。

というのも、こちらは2種類の容量に可変できるのだが、Rinse&Chop Plusはあくまでも一通りのみの形状である。そしてOriboardは栓抜きと小型のおろし金が内蔵されているが、Rinse&Chop Plusにはそれがない。

それだけ書くと、Rinse&Chop Plusにはまったく優位性がないようにも思える。

だが、Oriboardの販売予定価格は32ユーロ(約4250円)。筆者は送料込み24ユーロで予約したと書いたが、これはあくまでもKickstarter限定の投資枠である。

一方で、ホームセンターで売られているRinse&Chop Plusは税別2500円だった。

その上、Oriboardの出荷予定は来年3月だ。この製品は現時点で、まだ生産ラインに乗っていない。一商品として影も形もない状態なのだ。

Oriboardを開発したZUNIKは、いささか気の毒かもしれない。栓抜きとおろし金がない分だけ、Oriboardよりも確かに安いのだ。Kickstarterでのキャンペーンには成功したが、今後のセールスでは苦戦を強いられるのではないだろうか。

■「アイディアが被る」という偶然

そしてこれは、クラウドファンディング出展で最も気をつけなければならないことでもある。

資金調達キャンペーン開始からその製品が出荷されるまで、多くの場合半年以上のタイムラグがある。その間に類似品が市場に出てきたらどうするのか、という問題だ。

たとえば、筆者が以前取り上げた電源不要iPhoneスピーカー『MUKUNE』は、見た目だけなら何とかコピーできるかもしれない。しかしその細部では最先端の木材加工技術が投入されているため、完璧な模倣はまず不可能だ。

では、斬新なアイディア一本槍の製品はどうだろうか?

しかもそのアイディアが、たまたま同時期にふたつの会社によって提案されていたら?

このあたり、製品開発者にとっての「永遠の課題」であるのかもしれない。

【参考】
Oriboard :The amazing origami multifunctional cutting board-Kickstarter

取材・文/澤田真一

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