KDDIとソラコムのIoT向け回線「KDDI IoTコネクト Air」が12月以降に提供開始。双方の得意分野活かす:週刊モバイル通信 石野純也

KDDIとソラコムのIoT向け回線「KDDI IoTコネクト Air」が12月以降に提供開始。双方の得意分野活かす:週刊モバイル通信 石野純也

  • Engadget
  • 更新日:2016/10/20
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IoT(モノのインターネット)向けの通信サービスを提供するMVNOとして存在感を高めているソラコムが、KDDIとタッグを組みました。それが「KDDI IoTコネクト Air」で、KDDIが12月以降にサービスを開始します。

ソラコムが提供中のドコモ回線を使う「SORACOM Air」は、IoTに特化したネットワークとしてAmazonのAWS上にコアネットワークが構築されています。他のMVNOが専用機器を導入しているところを、ソフトウェアとして、クラウド上に実装したというのが最大の特徴です。

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ユーザー側のメリットとしては、SIMカードの停止や速度変更などの管理がしやすく、大量の機器を扱う必要のあるIoTに使いやすいことが挙げられます。

▲ソラコムの玉川社長とCTOの安川健太氏

一方で、新サービスのKDDI IoTコネクト AirはMVNOではなく、KDDIが自社の回線を提供するサービスに、SORACOM Airを実現する仕組みである「SORACOM vConnec Core」を用いています。簡単に言えば、コアネットワークの部分だけを通信ベンダーとしてソラコムが担当し、KDDIのサービスとして提供するというもの。「クラウド上に携帯通信のコアネットワークを作るところが、ソラコムのコアコンピテンシーで競争力を持っているところ」(ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏)で、得意分野を切り出し、KDDIに提供した格好です。

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▲ソラコムの「vConnec Core」を利用し、KDDIがサービスを提供

料金体系はSORACOM Airに近く、法人向けにはなりますが、1回線から簡単に契約できます。法人向けのIoTサービスは「営業担当を通じて申し込むというのが従来の姿だったが、ネットからセルフで確認できる」(KDDI担当者)ため、ユーザーはスムーズに、しかもスモールスタートで実験的に回線を使うことが可能になります。

料金設定もSORACOM Airに準じており、速度によって料金が異なります。たとえば、32Kbpsであれば下りが1MBあたり0.6円で、上りが0.2円。128Kbpsであれば、下りが0.7円、上りが0.22円となり、最大で2Mbpsまでの速度を出すことができます。なお、細かな料金は以下の表のとおりです。

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▲利用する速度や時間によって料金が異なる

KDDIは今後、このKDDI IoTコネクト Airを自社のクラウドサービスに接続していく方針。通信料の単価は安い一方で、「上位レイヤーの部分もデータであったり、クラウドであったり、AIであったりを組み合わせてご提供できるかが鍵になる。そちらで収益を上げていきたい」といいます。

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▲アプリケーションやクラウドサービスも合わせて提供し、収益化を狙う

ソラコムのサービスと通信料が変わらないのであれば、直接同社が提供するSORACOM Airを使えばいいと思われがちですが、KDDIの法人営業が提供するのが大きなポイントで、これによって、販路が異なってきます。KDDIは、これまでも、ココセコムやトヨタの「G-BOOK」などに通信モジュールを提供してきた実績があります。通信モジュールやスマホ、タブレットなど、ユーザーに提供できそうな端末をすでに持っているところも、強みと言えるでしょう。

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▲15年にわたるM2M、IoTの実績があるKDDI

ソラコムがリーチできなかった企業にも同様の仕組みのサービスを広げられるのに対し、ソラコムは自社のコアネットワークを外販できることになり、ユーザーに対しても「2つの選択肢あることになる」(玉川氏)のがメリット。まさにこのパートナーシップは、ウィン・ウィンの関係と言えるかもしれません。正直なところ、筆者は同様のサービスをMVNOでの関係性を生かし、ドコモが提供すると思っていたため、少々予想外なパートナーシップでもありました。5月の電気通信事業法の改正によって、ドコモの禁止行為規制が緩和され、MVNOとの共同事業も行いやすくなったからです。

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▲KDDIにとってはサービスメニューを広げられるメリットがある

法人向けというと読者にはピンとこない部分があるかもしれませんが、実際には多くのサービスがB2B2Cとして、エンドユーザーにも提供されています。たとえば、十勝バスの事例では、バスの位置情報をソラコムのネットワークを通じてクラウドに上げ、ユーザーは遅延情報などをスマホでチェックすることができます。また、Koboスタジアムで使われている楽天Edyの決済端末にも、ソラコムの回線が使われているといいます。

よりエンドユーザー寄りの製品としては、Engadgetで以前に紹介した「まごチャンネル」に使われている回線も、ソラコムが提供しているもの。通信モジュールを組み込み、ユーザーに回線ごと製品を提供するのが簡単になるのも、SORACOM Airの特徴と言えるでしょう。こうしたサービスや製品を提供する企業が、KDDIのネットワークを選べるようになるのが、この発表のキモと言えるでしょう。

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▲ソラコムのネットワークを使うIoT製品

なお、通信回線の無線部分には「既存のLTEネットワークを使っている」(KDDI担当者)といい、IoT向けに速度を抑え、省電力性や耐久性を高めたNB-IoTなどの規格は採用されていません。KDDIでは、「ライセンスバンドの方は準備を進めているので、準備が整った段階でご案内したい」と述べており、実際、6月にはエリクソンとLTEの「カテゴリーM1」や「NB-IoT」の共同検証をスタートさせています。コアネットワークに加えて、無線部分でもIoT向けの規格が導入されれば、KDDI IoTコネクト Airに接続する側の端末にも、さらに広がりが出てくるかもしれません。

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▲KDDIはすでにLPWAの検証も行っている

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