免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブは非小細胞肺がんに効く?

免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブは非小細胞肺がんに効く?

  • MEDLEY
  • 更新日:2017/11/14
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アテゾリズマブ(商品名テセントリク®)はがん治療薬です。免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。ある種類の肺がんに対する効果を試す研究が行われました。

免疫チェックポイント阻害薬とは?

免疫チェックポイント阻害薬は体の免疫のしくみを利用して治療効果を現します。さらに細かい分類として、抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体が免疫チェックポイント阻害薬に含まれます。2017年11月時点で日本で承認されている免疫チェックポイント阻害薬の例として以下があります。

抗PD-1抗体

ニボルマブ(商品名オプジーボ®)

ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ®)

抗PD-L1抗体

アベルマブ(商品名バベンチオ®)※未販売

抗CTLA-4抗体

イピリムマブ(商品名ヤーボイ®)

このうちニボルマブは「切除不能な進行非小細胞肺癌・切除不能な再発非小細胞肺癌」を効能・効果のひとつとし、以前に化学療法(抗がん剤治療)を受けたあとの人に対して使用可能です。

ペムブロリズマブは「PD-L1陽性の切除不能な進行非小細胞肺癌・PD-L1陽性の切除不能な再発非小細胞肺癌」を効能・効果のひとつとしています。がん組織の検査で「PD-L1陽性」であることが重要になります。

アテゾリズマブは抗PD-L1抗体です。

化学療法後の非小細胞肺がんに対するアテゾリズマブ

多国籍の研究班が、アテゾリズマブの効果と安全性についての研究結果を医学誌『Lancet』に報告しました。

この研究は、アテゾリズマブをドセタキセル(商品名タキソテール®など)と比較しています。

ステージIIIBまたはステージIVの非小細胞肺がんの患者で、以前にプラチナ製剤を含む化学療法(抗がん剤治療)を受けている人が対象となりました。PD-L1陽性かどうかは区別せず参加可能とされましたが、効果判定のためにPD-L1の検査は行われました。

対象者はランダムに、アテゾリズマブを使用するグループと、ドセタキセルを使用するグループに分けられました。

効果判定のため、治療後の生存期間を比較することと決められました。

生存期間が延長

2グループ合計で850人の対象者のデータが解析されました。治療から次の結果が得られました。

ITT集団において、全生存期間はドセタキセルに比べてアテゾリズマブで改善した(全生存期間の中央値は13.8か月、95%信頼区間11.8-15.7 vs 9.6か月、8.6-11.2、ハザード比0.73、95%信頼区間0.62-0.87、P=0.0003)。

ドセタキセルを使ったグループでは、半数の人が9.6か月以上生存しました。アテゾリズマブを使ったグループでは、半数の人が13.8か月以上生存しました。アテゾリズマブのほうが統計的に生存期間が長いと見られました。PD-L1陽性の人でもそれ以外の人でも、アテゾリズマブがドセタキセルに勝る結果でした。

薬の副作用やその他の原因によって現れた症状などで、治療に関連すると思われ、かつ入院が必要な程度または命を脅かす程度のものは、アテゾリズマブのグループで15%、ドセタキセルのグループで43%の人に発生しました。ドセタキセルのグループで1人が治療に関連すると思われた呼吸器感染症で死亡しました。

アテゾリズマブは非小細胞肺がんに有効?

非小細胞肺がんに対してアテゾリズマブを試した研究を紹介しました。

アテゾリズマブ製剤のテセントリク®は2017年11月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として承認了承されました。今後アテゾリズマブが、非小細胞肺がんに対する初の抗PD-L1抗体として治療選択肢に加わることが考えられます。

アテゾリズマブをどう使うかを検討するうえで、こうした研究のデータを参照することが助けになるかもしれません。

◆参照文献

Atezolizumab versus docetaxel in patients with previously treated non-small-cell lung cancer (OAK): a phase 3, open-label, multicentre randomised controlled trial.

Lancet. 2017 Jan 21.

[PMID:27979383]

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