「やっぱり、私は2番目の女?」男の狡い思惑に、ハマってしまう女

「やっぱり、私は2番目の女?」男の狡い思惑に、ハマってしまう女

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  • 更新日:2019/11/20

女には少なからず人生に一度、“大人の男”に恋する瞬間がある。

特に20代前半、社会人になりたての頃。

ヒヨコが生まれて初めて見たものを親だと思うように、先輩や上司に恋焦がれ、社内恋愛にハマる女性は多い。

だが場合によっては、その先にはとんでもない闇が待っている場合も…なくはないのだ。

◆これまでのあらすじ

別れを告げた次の日、咲希の元へ悠から電話がかかってきて復縁を求められるが、圭太に「好きだ」と言われ悠とは完全に別れてしまった咲希。

しかし大好きな職場の先輩の梨江子とランチに行き、実は圭太と梨江子が付き合っているという事実を聞かされた

圭太と付き合うつもりでいた咲希は目の前が真っ暗になるが……。

No image

―実はね、企画部の吉沢圭太くんと付き合ってるんだ。内緒だよ。

梨江子と圭太が実は付き合っていると聞いたランチから1週間が経過した。圭太に好きと言われ、もうすぐ付き合うことができると思っていた咲希は、やり場のない気持ちに困惑していた。

しかし夏休み前で仕事も一気に忙しくなったタイミングと重なったこともあり、圭太や梨江子のことを考えている余裕がなくなっていた。

そんなある金曜日の午前中、咲希の元へクライアントからクレームの電話がかかってきた。

月曜日から残業続きで終電帰りだった咲希は、疲労もピークに達していたのか、普段なら絶対にしないようなミスをしてしまっていたのだ。

電話口の相手の剣幕に押され、パニック状態に陥る。必死に謝罪の言葉を並べるが、聞く耳を持ってくれない。梨江子は休暇を取っていて会社には来ていなかった。

どうしようと困惑した表情のまま顔を上げるとデスク越しの圭太と目が合う。

圭太は優しく笑いながら、俺につないでと口パクで合図してくれた。それを見た咲希は慌てて電話を圭太に取り次ぎ、解放された安堵感からほっと胸をなで下ろしていた。

電話は予想よりも早く、そして穏やかな雰囲気で終わった。電話を切った圭太は咲希の元へやって来て、梨江子の椅子に腰を下ろした。

先ほどまでの笑顔はなく真剣な表情でニコリともしない圭太に、咲希も自然と姿勢を正す。

「高宮さん、ちょっといいかな」

どうしよう、怒られるのかなー。

少したじろぐ咲希に圭太は向かい合って目を細めた。

「電話終わったよ。相手の方も許してくれた」

「ご迷惑をおかけしてすみませんでした……。私のミスなのに……」

咲希はミスをしてしまったショックと、クライアントの怒声を思い出し暗い表情で答えた。

「やってしまったことは仕方ない。でもね、こういう時は、ただ謝るんじゃなくて相手が何をしてほしいのかなって想像して話してみるとうまくいくよ」

圭太は、真剣な表情で話す。男女関係以前に、咲希にとっては一人の先輩として尊敬できて頼れる存在だった。

「ちょっとだけ反省して、次から気を付けてね」

そう言って立ち上がると、圭太は自分の席へと戻って行った。

圭太の真剣な表情や甘くない声が咲希の心を締め付ける。

それでも久しぶりに話せたという喜びは少なからずあり、圭太のアドバイスを胸にいつもよりも何倍も集中して仕事に取り組んだ。

その日の午後、休憩室でコーヒーを飲んでると、圭太がやってきて隣に座った。

圭太に対して少し怖い気持ちを抱く咲希の元へ、再び圭太がやってきて放った言葉とは

「咲希ちゃん、大丈夫?さっきちょっとキツく言っちゃったかな?」

そう言う圭太の声は柔らかく優しかった。先ほどまで抱いていた圭太へのちょっとした怖さのようなものが解凍されていく。

「いえ、全然。むしろありがとうございました」

「うん、それなら良かった。最近忙しそうだね」

圭太はそう言いながら手に持っていた缶コーヒーを開けた。その指は綺麗で、視線が吸い込まれていく。

「そういえば咲希ちゃん、今日うちにおいでよ。明日は休みだし」

「えっ……」

その瞬間、梨江子の顔が浮かぶ。大好きな先輩にとっての邪魔者にはなりたくなかった。

咲希は圭太との甘い時間を記憶の端っこに追いやり、必死で答えた。

「すみません、今日は仕事が遅くなりそうなので…」

「いいよ、待っててあげる」

咲希の決死の抵抗も虚しく圭太はあっさりと答える。

「いや、本当に今日はもう…」

「あ、そうだ!咲希ちゃんが前食べたいって言ってたケーキ買ってるんだけど?」

圭太は被せ気味に言った。

その瞬間、それまで必死に築き上げてきた決壊が崩れるようだった。笑顔で覗き込む圭太の眼差しに、咲希は完敗した。

「よしじゃあ……」

No image

「お邪魔します」

もう何度も足を運んだことがあるはずの圭太の家だが、今日は何だか違う人の家に来ているような気分だった。

圭太に座って待っていてと促され、リビングのソファに座る。ふと畳んである洗濯物に目をやった。

「あれ、これって……」

―梨江子さんのお気に入りのハンカチ…?

記憶を手繰り寄せるほどのこともなく、それは梨江子のハンカチだとわかった。それは入社したての頃、仕事で失敗をして休憩室で一人泣いていたときに梨江子が貸してくれたものだった。洗って返すために一度持ち帰っているからよく覚えている。

その瞬間、どこかで嘘であってほしいと思っていた梨江子と圭太が付き合っているという事実が、現実味を帯びてきた。

そう思うと、初めて来た頃は圭太らしいと感じたこの家も、どことなく梨江子の存在を訴えているような気がした。

「咲希ちゃん?そんなに怖い顔してどうしたの?」

圭太が差し出したハイボールは、綺麗なペアのグラスに入れられていた。そういえば、初めて来た日に出された紅茶もペアのマグカップだったー。

突然、圭太に騙されていたという感覚が胸を埋め尽くす。

私って、遊ぶためだけの存在?2番目の女?会うといっても圭太さんの家だけだったし…。そう思うと咲希は圭太に確かめずにはいられなくなり、重い口を開いた。

「あの……人から聞いたんですけど圭太さんって実はー」

梨江子さんとお付き合いしているって本当ですか?そう言おうとしたのだが、言い切る前に圭太に抱き寄せられた。

圭太に本当のことを聞き出そうとした咲希を抱き寄せ、囁いた言葉とは?

「咲希ちゃんと久しぶりにこんな風にできて嬉しい。咲希ちゃん好きだよ」

そしておでこに、軽くキスをされる。

「あ、ごめんね。何か言おうとしてたよね?」

圭太は抱き寄せていた咲希を離して問う。しかし、完全に圭太の雰囲気に飲まれてしまった咲希は何も言えなくなっていた。

何かを言いかけては口を閉ざす咲希に圭太は苦笑する。そしてその口を圭太の唇がふさいだ。

「そうだ、仕事も落ち着いたし、今度美味しいもの食べに行こうか。恵比寿に連れて行きたいお店もあるし」

両手で頰を挟まれ笑顔で言われた。突然デートに誘われた咲希からは、先ほどまで抱いていた“それだけの関係”という感情は見事に消えて無くなった。

咲希の頭は、圭太から発せられる心地よい言葉だけを解釈し、それだけで甘いストーリーができあがるようになっていた。

「変なことは考えないでいいよ。俺は咲希ちゃんが好きなんだから」

そう言いながら圭太は、咲希の唇を再び塞ぐ。今度はすぐには離れず、圭太の暖かさの中に溶けていった。

その日は珍しく、次の日の朝まで圭太と過ごした。もう圭太の家からは梨江子の存在は感じなくなっていた。

No image

次の日は化粧もそこそこに圭太の家を出て、咲希は家へと向かっていた。そこに大学時代の友人の晴香から着信があった。

「咲希、聞いて。めっちゃ辛いねん」

そう言う晴香は泣いているようだった。どうしたのと聞くと晴香は話し出した。

「付き合ってる彼氏に浮気されてん。しかも、浮気相手が私の知り合いで。最低やと思わへん?」

晴香の話を聞いて、咲希は息が詰まるような感覚になる。

私も同じことをしているのではないかー。

逃げようとしていた現実を突きつけられ、罪悪感で胸が苦しくなった。

「咲希?聞いてる?」

「あ、ごめん聞いてる!来週夏休みで大阪帰るし、その時ゆっくり話そう」

そう言って電話を切ったが、咲希の心臓はまだ音を立てていた。圭太とは来週デートをすると約束してしまっていた。

咲希は一人、ジリジリと照りつける太陽の暑さを感じていた。

咲希と圭太の関係が始まる前―。

「ねえ圭太、営業部の新卒の咲希ちゃんってわかる?」

圭太の家のソファで梨江子はお土産に買ってきたお揃いのマグカップでコーヒーを飲みながら聞いた。

「あぁ、わかるよ。結構可愛い子だよね」

圭太は興味なさげに答える。

「最近よく相談に乗ってるんだけど、咲希ちゃん、大阪にいる彼氏とうまくいってないんだって。連絡しても返ってこないって。遠距離ってやっぱり大変なのかな」

そう言いながら、梨江子は圭太の肩にもたれた。

「距離が離れちゃうと難しくなるのかもね。でも俺たちは離れたりしないから大丈夫だよ。俺、梨江子のこと好きだし」

圭太はそう言いながら梨江子の肩を抱き寄せおでこに軽く口づけをした。

▶︎NEXT:11月21日 木曜更新予定
圭太に本当のことを聞こうとするが、うまくはぐらかされてしまった咲希。大好きな先輩の浮気相手を自覚した上で咲希が取る行動とは?

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