ホークス鉄壁リリーフ陣を支えた10年目岩嵜、芽生えた誇りと捨てた憧れ

ホークス鉄壁リリーフ陣を支えた10年目岩嵜、芽生えた誇りと捨てた憧れ

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  • 更新日:2017/10/13
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ソフトバンク・岩嵜翔【写真:藤浦一都】

球団新記録となる72試合に登板、46ホールドポイントでタイトル確定

2年ぶりのリーグ奪還を果たしたパ・リーグ王者のソフトバンク。様々な強さの要因がある中で、リリーフ陣が極めて安定していたところが、その最大の要因になるだろう。9月16日の西武戦(メットライフD)でリーグ優勝を決めた時点で、6回終了時点でリードしていた試合の結果が74勝1敗だったという事実だけで、それがよく分かる。

シーズン最多セーブのプロ野球記録を更新し、前人未到の50セーブに到達した守護神・サファテを擁する勝利の方程式は、とにかく強力の一言だった。その勝利の方程式の一角を担い、サファテに繋ぐ8回を任されたのが、岩嵜翔投手だった。

昨季、和田毅の復帰に伴い、21から17へと背番号へと変えた右腕は、チームに不可欠な存在となった。46ホールドポイントを記録し、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞も決定。セットアッパーという役割上、どうしても目立たないが、サファテに勝るとも劣らないほどの働きぶりだった。

2010年の攝津正投手を越え、球団新記録となるシーズン72試合登板を達成。46ホールドポイントは歴代10位の数字。球団記録の登板数となったことで、9月27日に出場選手登録を抹消。これはクライマックスシリーズに向けて休養させるためだった。

セットアッパーとして、1年間奮闘した岩嵜。2年ぶりのリーグ制覇を果たした2017年のシーズンを「たくさん投げたなと思いますし、その中である程度内容もしっかりできたので、よかったのではないかと思います」と振り返っている。

昨季は先発、中継ぎ両方で登板していた右腕だが、9月に入って中継ぎで安定した投球を重ね、シーズン最終盤には勝利の方程式に組み込まれた。今季も春キャンプの頃は、先発、中継ぎ双方の可能性があったが、自身の中では方向性は決まっていたという。

「僕の中では正直、去年の終わりくらいには(中継ぎでと)決めていた部分がありました。秋のキャンプで(投手統括コーチの)倉野さんとはそういう話はしました。春のキャンプ中に倉野さんから今年は中継ぎ1本でいくと、第1クールくらいに話がありました」

「チームの中で自分というポジションを確立できた1年」

2007年の高校生ドラフト1位でソフトバンクに入団。150キロ超の真っ直ぐを誇り、長らく先発ローテの候補として期待されながらも、2011年の6勝が最高だった。なかなか芽が出ないままに、今季が10年目。華麗なる転身で、一気にチームに欠かせぬ存在となった。

シーズン当初は「50、60試合投げられればいいかなという感じだった」というが、気付けば、その数は70を超え「まさかこんなに多くなるとは思わなかった」と自身ですら驚く。だが、この70を超える登板数が、岩嵜のチームにおける信頼度の証だ。

「やっと自分のポジションを掴めたというか、チームの中で自分というポジションを確立できた1年だった。先発への思いはなくなりました。将来はどうなるかは分かりませんけど、今は全く先発に未練はないです。自分のポジション、やりがいのあるポジションを見つけられたと思っている。(これからも)中継ぎ1本でいきたい気持ちが強いです」

投手であれば、持っていてもおかしくはない先発への思い、憧れ、未練は捨て去った。中継ぎとして、その地位を確固たるものにした岩嵜翔。胸の内には、セットアッパーとしての矜持が芽生え始めている。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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