北方領土“2島返還”なら何が変わるのか?

北方領土“2島返還”なら何が変わるのか?

  • 日テレNEWS24
  • 更新日:2016/10/19
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10月19日は、日本とロシアの前身であるソ連が「日ソ共同宣言」に署名してから、ちょうど60年目にあたる。日ソ共同宣言は、日ソ両国が戦後11年たって国交を回復した節目の大切な条約だ。その節目の今年、北方領土問題の進展に期待が高まっている。

■「実際のところ、日本に返すという話だった」

10月19日は、日本とロシアの前身であるソ連が「日ソ共同宣言」に署名してから、ちょうど60年目にあたる。日ソ共同宣言は、日ソ両国が戦後11年たって国交を回復した節目の大切な条約だ。その節目の今年、北方領土問題の進展に期待が高まっている。私たちは今回、60年前にソ連の外交官を務め、実際の交渉に関わっていた人物に話を聞くことができた。

チフビンスキー氏(98)「実際のところ、戦争の結果、(ソ連が)占領した領土を日本に返すという話だった」「今日、両国の関係回復から60年間、我々は同じようなところにいる。これは非常に不幸なことだ」

北方領土は、北海道の北東部に位置する「国後島」「択捉島」「歯舞群島」「色丹島」の4つの島からなっている。日本としては、4島ともすべて日本固有の領土という立場だが、ロシア側は、元外交官の話にあったように、北方領土は“第2次大戦の結果、合法的にソ連の領土になった”…つまり、4島はいずれもロシアのものだという認識で対立している。

■さまざまな案が出されてきたが―

そんな中、この日ソ共同宣言では「ソ連は平和条約を結んだ後に、歯舞・色丹の2島を日本に引き渡す」ことで合意した。しかし、歯舞・色丹の2島は未だに返還されていない。もちろんこの間も、領土問題を何とか打開しようと、他にも案が出されてきた。例えば―

(1)お互いの領土の面積がちょうど同じになるように国境線を引く「面積二等分」案。

(2)北方4島を日露両国が「共同統治」する案。

(3)4島の北に国境線を引き、日本の領土とするが当分の間、施政権はロシアに認める案(これは実際に交渉で提案されたこともある)。

このような案が取りざたされてきたが、いずれも合意には至っていない

■注目の“2島先行返還”案とは―

こうした中、12月には安倍首相とプーチン大統領の首脳会談が予定されている。交渉に進展はあるのだろうか。

プーチン大統領は日ソ共同宣言の内容を重視していて、いま注目されているのは、「2島先行返還案」だ。つまり、歯舞・色丹の2島をまず日本に返還し、残りの2島については切り離して考える、という案だ。政府高官も、4島返還を目指すのは変わりはないが「2島先行返還もひとつの選択肢」と話している。

■“2島返還”だと何が変わるか?

実際に2つの島が返還されると、何が変わるのだろうか。あくまで一般論としてではあるが、以下の3つの観点から考えてみる。

(1)人の往来

現在、日本人は原則として、北方領土へ自由には行き来できない。認められた場合に特例としてパスポートやビザなしで訪問するいわゆる「ビザなし交流」などの手続きが必要だ。かつて北方4島に暮らしていた日本人でさえ、今は島に自由に行き来できない。当時、歯舞・色丹の2島に住んでいた人は現在約2400人いる。2島が返還されると、この人たちも制約がなくなるし、島に住むことも可能になるだろう。

(2)周辺の漁業

次に、島周辺での漁業だが、本来は日本の領海である北方4島の周辺でも、現在は漁業をするには、ロシア側に、例えば今年であれば約2100万円の「協力金」などを支払うルールになっている。島が返還されれば、そうしたお金を払う必要もなくなるだろう。

(3)経済

経済面では、実は、歯舞・色丹の2島に住む人は非常に少なく、目立った鉱物資源などもない。つまり、島の開発を行うメリットはあまりない。確かに地図で見ると、この2島は小さい。

■この場合、残りの2島はどうなる?

そこで今後、焦点となってくるのが、残りの「国後島」と「択捉島」がどうなるかだ。「歯舞」「色丹」の2島が先に返還された、という前提で考えられるのは3つのパターンがある。

(1)国後・択捉の2島の帰属が日本にあると確認されるケース

(2) 協議が継続するケース

(3) 協議継続はなく、歯舞・色丹の2島が返還されただけで交渉が終わってしまうケース。

つまり、残り2つの島が返ってこないという可能性もあるわけで、政府・与党内には否定的な声も根強くある。難しい交渉が待ち受けている。

■「一気呵成(かせい)」を狙う安倍政権?

今回のポイントは「一気呵成?」。今の安倍政権を見ていると、アメリカは、大統領選の真っ最中で、日露交渉に横やりも入れてこないだろうし、元島民の高齢化も進む中、安倍首相とプーチン大統領の強いリーダーシップで、自らの任期中に領土問題を前進させたい…「一気呵成」に合意に持ち込みたいと、意気込んでいるようにも見える。

しかし、ことは国の形を決める「領土交渉」だ。国民を置き去りにせず国際社会にも新たな火種を残すことのない交渉をしてほしいものだ。

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