工藤監督パ最速V キレたサファテに頭下げ絆強めた

工藤監督パ最速V キレたサファテに頭下げ絆強めた

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2017/09/17
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西武対ソフトバンク パ・リーグ優勝を決め胴上げされるソフトバンク工藤監督(中央)(撮影・江口和貴)

<西武3-7ソフトバンク>◇16日◇メットライフドーム

ソフトバンク工藤公康監督(54)が、涙の2年ぶりV奪回だ。マジック1で迎えた西武22回戦(メットライフドーム)で圧勝し、球団はパ・リーグ18度目、1リーグ時代を含めると20度目のリーグ優勝を飾った。7度、宙に舞った同監督は、敵地での優勝監督インタビューで、感極まって涙を抑え切れなかった。昨季は最大11・5ゲーム差をひっくり返されてV逸した屈辱をバネに、チーム崩壊の危機も乗り越え、終盤に怒濤(どとう)のスパートで、リーグ最速Vを成し遂げた。

大きな目から涙がこぼれた。工藤監督が泣いた。「正直、ほっとしている。昨年クライマックスシリーズで負けてから、このことだけを思ってやってきた…」。優勝監督インタビューで目を赤くして言葉を詰まらせた。15年のリーグ優勝、日本一でも見せなかった初めての涙だった。胴上げでは7度舞った。「今回はみんなの触れる手がすごく温かかった。勝っていくごとに結びつき、絆を強めていった。選手たちのあの笑顔を見たら本当にやって良かった」。今まで味わったことのない感覚に浸った。

V奪回への分岐点は8月2日だった。京セラドーム大阪での試合前、球場の監督室にサファテが現れた。守護神は前日1日にサヨナラ弾を被弾。先発陣の早期降板が続き、報道陣を前にぶち切れていた。一夜明け、サファテは面と向かって「申し訳ない」と謝罪してきた。36歳ながら、4連投も8回からの回またぎも志願してくるサファテに、工藤監督は「そんなやつ、ほかにはいない」と全幅の信頼を置く。そんな右腕に頭を下げたのは、逆に指揮官だった。「こちらこそ申し訳ない。お前にそういうことを言わせてしまった。俺は反省している」-。一選手に言わせてはいけない言葉を吐かせたことを悔いたからだった。「あれから、さらにサファテと俺の距離も近づいた」と、対話の意義を前向きに話した。

西武での現役時代、工藤監督にも「造反」とされた一件があった。88年10月、近鉄とのデッドヒートの中、当時の森監督の中3日登板指令に反発したと報じられた。工藤監督には「頼むぞ工藤、と言ってくれれば気持ち良くいけたのに」との思いがある。「投げられないのか」と言われたことに腹を立てただけと、約30年前に感じた選手の気持ちを思い出す。今は監督として、選手の士気を下げることは避けようと決めていた。

監督と選手が同じ方向を向く重要性は、昨年嫌というほど味わった。つい何でも口出ししてしまう性格。そのスタイルを受け入れられない選手もおり、16年は選手と溝が深まるばかりだった。結果、最大11・5ゲーム差を、日本ハムに逆転されての屈辱V逸。今季、達川ヘッドコーチを呼び、自身は選手と距離を置いた。休日の投手練習や捕手のミーティングなどにも顔を出さなかった。距離を作る一方で、各選手のスタイルを尊重する姿勢を示した。

距離は置いたが、厳しい練習を乗り越えた選手への信頼は増した。昨秋キャンプ初日には、ハードなダッシュメニューに倒れる選手が続出。それでも「嫌われても厳しい練習をやらせるのが監督」と練習量は減らさなかった。骨太になったチームは揺るがなかった。指揮官が頭を下げたその日(8月2日)に首位に立つと、8月以降に8連勝以上が2度。あわやチーム崩壊のふちで絆を深め、強さを増し、独走態勢に入った。「僕が課した苦しい練習を乗り越えてくれたおかげ。昨年の屈辱を絶対に晴らすという思いで戦ってくれた。夢がひとつかなった。最終的な目標は日本一奪還」。新たに3年契約を結んだ初年度。パ最速Vで王座を奪回したが、物語にはまだ先がある。【石橋隆雄】

◆8月1日サファテ発言 京セラドーム大阪の延長12回、サファテがオリックス・ロメロにサヨナラ弾を浴びた。試合後、サファテは「先発投手がこれだけ連続で早いイニングで降りていたら、そのツケはこっちに回ってくる。先発投手はツケを感じ取ってほしい。首脳陣も先発をもっと信じてイニングを投げさせるのも1つ」とまくし立てた。

◆工藤監督“舌禍事件” 西武が、近鉄に166日ぶりに首位を譲った88年10月5日。当時の森監督の「中3日登板もありうる」との発言を報道陣から伝え聞いた工藤が「中3日じゃ100%の力なんか出せないよ」などとコメントして騒動になった。翌6日に森監督に謝罪。辻を中心にナインも「工藤を救ってやろう」と一丸に。工藤は同9日の南海戦で完封勝利。3年連続の日本一へつなげた。

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