健康なら「ゴールド免許」のインセンティブを~小泉進次郎議員らの「人生100年時代の社会保障」

健康なら「ゴールド免許」のインセンティブを~小泉進次郎議員らの「人生100年時代の社会保障」

  • HEALTH PRESS
  • 更新日:2016/12/01
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いよいよ、わが国の財政状態はひっ迫の度合いを増し、「経済」にとどまらず「健康」にまで格差が拡大するようだ。

この問題への理解を深めるために、簡単な設問をくり返して考察しよう。まずは、健康に関する一問め。

●あなたはかぜ薬や湿布薬、うがい薬などの軽微なリスク対応は自己負担になっても構わないと思いますか?(Yes,No)

●もし、医療保険の自己負担分が3割から2割に減るならば、あなたは従来以上の健康管理に努めますか?(Yes,No)

Yesと答えた方への三問め。

●定期健診などを受ける努力が報われる制度が導入されたら、うれしいですか?(Yes,No)

どの設問にも「Yes」と答えた方々は、今後の報道で頻出するだろう「健康ゴールド免許」という用語と、その行く末に注目していただきたい。

次いで、「セーフティネット」に関する問いに進んでみよう。

●企業の厚生年金や健康保険は、すべての非正規労働者にまで拡大すべきだと考えますか?(Yes,No)

●低所得の就労者に関しては、社会保険料負担を免除ないしは軽減すべきだと考えますか?(Yes,No)

どちらも「Yes」と回答された方への三問め。

●上記に伴う保険料が、事業主負担増となるぶん、「解雇規制の見直し」が行なわれてもやむを得ないとあなたは考えますか?(Yes,No)

自民若手陣のポスト安倍計画

さて、ここまでのYes事項を全部実現しようというのが過日、自民党の小泉進次郎・農林部会長ら若手議員が「人生100年時代の社会保障」と銘打って打ち出した提言だ。

聞けば、安倍総理肝いりの<働き方改革>や、2020年度までの<社会保障改革>の工程表が視野に入れていない中長期の課題に軸足を置いているという。

一部では、ドイツ経済復調の取り組みになぞって「これぞ、日本版シュレーダー改革だ!」と称賛する声もある一方、党議決定したわけではない提言を「若手議員のお勉強に過ぎない」と見る冷ややかなベテラン議員もいる。

この、小泉議員が主導する自民党「2020年以降の経済財政構想小委員会」による提言の骨子をもう少し理解するため、年金改革案も設問形式で考察してみよう。

●現行70歳未満しか納められない厚生年金の保険料ですが、70歳を超えていつまでも納付可能にすべきだとあなたは考えますか?(Yes,No)

●年金受給の繰り上げ/繰り下げ期間も現行(60~70歳)から、もっと柔軟にすべきか?(Yes,No)

定年を迎えてもまだまだ働きたいという元気な高齢者が増えている昨今。にもかかわらず現行下では、年金を受給しながら働くと当の年金が減額されている。

そこで年金問題の三問め。

●働けば年金が減額される構造(=在職老齢年金)は廃止すべきか?(Yes,No)

健康管理に努めれば「ゴールド免許」

いったん話を整理してみよう。

健康管理に努めれば「ゴールド免許」という名の特典が得られ、どんな雇用形態の労働者でも全員が社会保障を受けられ、高齢者でも限度額を気にせず働き続けられる――。

医療・介護、雇用から年金問題までを見渡した真っ当なインセンティブ政策にも映るが、もちろん議論はこれからが本番。「健康管理に努めた人」の基準定義ひとつにしても難しそうだし、導入時の特典規定も難航必至だろう。

あくまでも自助努力を謳うこの医療・介護改革案は、他にも、年齢ではなく負担能力に応じた負担への切り替えを掲げている。「人生100年型年金」への改革案として、高所得高齢者の公的年金等控除の縮減も打ち出した。

小泉議員が「厚生年金の異次元の適用拡大である」と自賛する雇用面では、兼業・副業の推進を奨励し、定年制も廃止、企業側には「再就職支援の抜本的強化」も併せて説いている。

もちろん、ポスト安倍/ポスト2020年を見据えた、これらの提言が、いささかキレイごとの羅列にしか映らないという意見もある。

しかし、それが単なるキレイごとに終わるのか、思いのほか実現されてゆくのか、彼らのお手並みを拝見してみたい。

一方、日本健康会議(=昨年7月、全国知事会や全国市長会、日本経団連や日本商工会議所、健康保険組合連合会や日本医師会などが官民連携・協働で発足させた組織)の調査によれば、何らかの健康づくりのインセンティブを設けて推進事業を実施している市町村が394。「予定あり」と回答した市町村も158で全体の約3割を占めていた。

日本健康会議の掲げる2020年までの達成目標(=一般住民を対象とする予防・健康づくりのインセンティブを推進する自治体の数)は、800市町村以上にすることだという。

いよいよ、政府から各市町村に至るまで、「健康」へのインセンティブ旋風が吹き荒れそうである。
(文=編集部)

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