銃乱射に遭遇したら? 米で護身教室人気

銃乱射に遭遇したら? 米で護身教室人気

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/11/13
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【クリフトンパーク(米ニューヨーク州)】テキサス州教会など相次ぐ銃乱射を受け、米国民は図書館や教会、学校や会社オフィスで銃撃者に立ち向かうことを学び始めた。

閑静なニューヨーク州北部にある黄色い煉瓦作りの公共図書館に、200人もの人が8日集まり、アクティブシューター(無差別殺傷)対策の訓練を受けていた。この図書館が実施する今週2回目のクラスだ。

退職者、大学生、若い親らが机の下に身をかがめ、地元史の部屋に立てこもり、近くの森に逃げ出す。参加者の多くは、自分の無力さを乗り越え、恐怖心を克服し、生き残る術を身につけるためにここにやって来たと話す。

「これからも事件は起こり続ける」。退職する前は一般医を務めていたニネバ・アラナスさん(77)はこう話す。「教会も、買い物に行くのも安全ではない。だから、われわれは備える必要がある。公園をただ散歩するのも、安全ではないんだ」

同様のクラスは今週、ミシガンのホテル、サウスダコタの大学、テネシーの教会、ウエストバージニアの病院、マサチューセッツ州の中学校でも予定されている。

全米でこうしたクラスへの需要が高まっていることは、生涯に一度は銃乱射事件に遭遇するかもしれないと多くの米国民が受け入れ始めていることの表れだ。

ジョージア州ジェサップの保険代理店でパートナーを務めるブライアン・グリフィスさんは、ウェイン郡の商工会議所が来週開催する「アクティブシューター防衛クラス」に従業員5人を連れて参加する。「われわれは計画を策定する必要がある」と話す。

米国では今年これまで、大都市や田舎町、病院、教会、議員らが参加していたバージニア州の野球練習場、フロリダ州の空港荷物受け取り場所、コロラド州郊外のウォルマートで銃撃事件が起こった。多くの犠牲者を出した2つの銃乱射事件は最近発生しており、ラスベガスのカントリーミュージック音楽祭では58人、先週5日には小さな町の教会で26人が命を落とした。

5日テキサス州サザーランドスプリングスの教会で発生した銃乱射事件の捜査を担当する米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・コームズ氏は今週、テレビ中継された記者会見で、アクティブシューターの数は増加傾向にあり、人々に備えるよう呼びかけた。「どこにいるかに関わらず、全員がこれについて考える必要がある」

多くの犠牲者を出した事件が最近、立て続けに起こっているものの、2014年にアクティブシューター問題に関するFBIの調査を共同執筆したJピート・ブレア氏は、米国ではなお比較的まれで、00〜09年に増加した後は、年平均およそ18件程度で推移していると述べる。

FBIはアクティブシューター事件について「限られた区域に多くの人々が集まる場所で、ある人物が積極的に殺害に関与する、または殺害しようとすること」だと定義している。そしてFBIが推奨している防衛対策が「逃げる(Run)、隠れる(Hide)、戦う(Fight)」だ。

ブレア氏によると、アクティブシューター事件の被害は中央値で、死者が2人、負傷者が4人。同氏は「一連の事件が発生し、そして致死率も上昇している」とする一方、「極めて不幸な数週間だった可能性もある」と述べる。同氏はテキサス州立大学で、連邦政府が資金を拠出する法執行当局者向けの緊急対応訓練の責任者を務めている。

地元警察や保安関連の講師は、防衛訓練の需要はとりわけ一般市民の間で高まっていると話す。ブレア氏は、2年前のプログラム開始以降、同氏のチームが13万人以上を訓練したとしている。

チャド・レムリーさんは、セントルイスで受講した防衛クラスの知識を実践することになる。レムリーさんと妻は10月、あのラスベスガスのカントリーミュージック音楽祭「ルート91ハーベスト・フェスティバル」の会場にいた。そこに男が突然、観客に向けて自動小銃を撃ち始める。

レムリーさんは壁と液体が銃弾を阻止すると判断し、コカコーラの保冷器の後ろに妻を引き寄せ、銃声が止むまで待った。そして転ばないよう走らず、覚えていた非常口がある会場の右側の方へと足早に歩いた。

その3週間後、レムリーさんは9歳の娘が歌手ケイティ・ペリーさんのコンサートに行くことを望んだ時、非常口を確かめ、冷静さを保つことについて娘と話し合った。レムリーさんの妻は恐怖のあまりコンサートには行けなかったが、レムリーさんの決意は固かった。「僕が恐れるようなことではない」

テネシー州マウントジュリエットのアバンダント・ライフ教会は、地元警察の協力を得て、安全対策の策定に着手した。9月には、同教会から15マイル(24キロメートル)離れた教会で銃撃事件が発生。5日にはテキサス州の教会で銃乱射が起こったことで、対策強化が急務になった、と主任牧師のラリー・グレンジャーさんは語る。「人々が聞いて来るんだ。われわれは何か行動しているだろうか? われわれは備えるために何をやっているだろうか?とね」

その200人足らずの教会では、監視カメラの設置が進む。オフィスは施錠され、事務員は来客をビデオカメラで確認する。礼拝開始後およそ30分で、教会の扉はおそらく鍵がかかる見通しだとグレンジャーさんは話す。

また教会指導部は、軍や法執行当局の経験があるメンバー3人を選んだ。彼らは銃を携行し、事実上のセキュリティーチームとして機能してもらう予定だ。グレンジャーさんは「このいずれも実際に使われないことを望む」と語る。

冒頭で紹介したクリフトンパーク・ハーフムーン公共図書館のクラスを指導するサラトガ郡の保安官オフィスには、他にも歯科オフィス、医療関連施設、木材店、保険代理店などから講習の要請が寄せられるという。

8日午後1時30分、図書館での訓練は拡声装置の厳しい警告から始まった。「建物内に侵入者、建物内に侵入者。ロックダウン、ロックダウン、ロックダウン」

(訳注:ロックダウンとは安全な場所を確保して避難し、外部から侵入できないよう封鎖すること)

参加者は90秒以内に避難場所を確保するよう指示される。その後、講師を務める保安官代理が図書館内を足早に回り、扉を開け、机の下をのぞく。うまく隠れている人もいれば、数人は本棚の後ろに立っていた。中には動けずに凍り付いている人も。保安官代理のケネス・クーパー・ジュニア氏からは「凍り付けば、死ぬ運命だよ」との声が響く。

孫娘とよくこの図書館に訪れる元幼稚園教師、スーザン・マチエイェフスキさん(68)は、石造りのパティオを乗り越え、できるだけ森の深くまで走った。これは訓練で推薦された方法で、木、れんが壁、建物は銃弾から身を守ることができるという。

マチエイェフスキさんは訓練が始まる前、こう話していた「とっても緊張しているわ。私たちはどうにかして立ち向かわなければならない」

マチエイェフスキさんは木の後方に立って、肘を体の横にしっかりとつけ、花柄のバッグを前に握っていた。そして強風の吹く寒空の下でじっとしていようと戦っていた。彼女の心臓は激しく鼓動していた。

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