金崎夢生、勝負のE-1選手権へ。不言実行の男がハリルJで見せたい雄弁な仕事

金崎夢生、勝負のE-1選手権へ。不言実行の男がハリルJで見せたい雄弁な仕事

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  • 更新日:2017/12/06
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久々の日本代表招集となった金崎夢生【写真:Getty Images】

2016年6月以来、約1年半ぶりの日本代表復帰

12月9日から始まるE-1選手権に向け、準備を進めている日本代表。国内組のみの編成で新顔も多くなっているが、メンバー発表時に最も大きな注目を集めたのが金崎夢生だろう。久々の代表復帰となった鹿島アントラーズのFWはハリルジャパンに何をもたらすことができるか。メディアに多くを語らない不言実行の男は牙を研いで決戦を待つ。(取材・文:元川悦子)

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12月9日の初戦・北朝鮮戦(東京・味の素)から熱戦の火ぶたが切られるE-1選手権。すでに東京都内で強化合宿に入っている日本代表は、2日目の5日から本番を想定した実戦形式のトレーニングをスタートさせた。初日から別調整の杉本健勇(C大阪)は2日連続で全体練習に加わらず、大会参戦は難しそうだ。

夜にJリーグアウォーズが開催されたため、この日のトレーニングは昼前開始となった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の熱血指導は相変わらずで、ボードを使いながらデュエルの重要性を再三強調。身振り手振りで選手たちを鼓舞したうえでゲームに入った。

主力組と見られたのは、GK中村航輔(柏)、DF(右から)室屋成(FC東京)、三浦弦太(G大阪)、昌子源(鹿島)、車屋紳太郎(川崎)、ボランチ・今野泰幸、井手口陽介(ともにG大阪)、トップ下・清武弘嗣(C大阪)、右FW小林悠(川崎)、左FW阿部浩之(川崎)、1トップ・金崎夢生(鹿島)の11人。

今野をアンカーに置いて井手口と清武をインサイドハーフに並べる形、あるいは小林と金崎を2トップに据える形もテストしたが、このメンバーで北朝鮮戦に挑む可能性が高そうだ。

金崎が最前線に陣取ることになれば、2016年6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(吹田)以来の国際Aマッチ。ご存知の通り、途中交代を命じた鹿島の石井正忠監督(現大宮)との握手を拒否するという昨年8月の一件をきっかけに、代表から遠ざかる格好となっていた。

直後の9月に2018年ロシアワールドカップアジア最終予選が始まったが、当時の1トップ争いは岡崎慎司(レスター)を軸に武藤嘉紀(マインツ)や小林悠らが絡む展開だった。

しかし、昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)から大迫勇也(ケルン)が一気に台頭。今や絶対的な地位を勝ち得ている。今季急成長した杉本らも存在感を高めていて、金崎の滝川第二高校の2学年先輩である岡崎でさえ、10月以降は招集見送りとなっている。それだけサバイバルが熾烈を極めているのは間違いない。

E-1選手権はW杯へのラストチャンスか

とはいえ、大迫以外は誰がロシアワールドカップの1トップ要員に滑り込んでもおかしくないのが実情だ。金崎にもロシア行きの可能性がないとは全く言い切れない。

本人も以前「慎司さんや清武のようなうまい選手とサッカーをやるのが楽しい。彼らとまた一緒にプレーしたい。もちろんワールドカップも行けるものなら行きたい」と代表への秘めた思いを吐露したことがあった。

それは今も変わっていないはず。メディアの前では多くを語らないため、現在の心情は推し量ることしかできないが、エネルギッシュかつアグレッシブなパフォーマンスが彼のメンタリティを物語っている。今回のE-1選手権は世界の大舞台へ行くためのラストチャンス。ここまで地道に蓄えてきた力を今こそ遺憾なく発揮するしかないだろう。

金崎に求められるのは、まずゴールという結果。今季J1ではリーグ終盤の浦和レッズ、柏レイソル、ジュビロ磐田戦で3試合不発に終わり、王手をかけていた鹿島を連覇へと導くことはできなかった。とりわけ、12月2日の最終節・磐田戦は1点を取っていればタイトルを得られただけに、自らの力不足を痛感したことだろう。

その悔しさを思う存分、ぶつけるべき場所がE-1選手権だ。今回は今季22ゴールを挙げた杉本の欠場が濃厚で、得点王の小林も主に右サイドで使われる。追加招集の川又堅碁(磐田)も控えてはいるものの、やはり最前線で圧倒的存在感を示せるのは金崎だろう。

彼にはドイツ・ブンデスリーガ1部のニュルンベルク、ポルトガル2部・ポルチィモネンセでの国際経験があり、泥臭く相手とぶつあり合いながらゴールを奪う術を体得している。それを高く評価しているから、ハリルホジッチ監督もスタメン抜擢に踏み切ろうとしているのだ。

公私ともに仲の良い清武との相乗効果を

期待に応えるだけの底力は彼にはあるはず。2015年大会(中国・武漢)での日本は川又や興梠慎三(浦和)といったFW陣が不発に終わり、3戦未勝利でまさかの最下位に沈んだ。その二の舞を避けるためには、どうしても点を取るべき選手に取ってもらう必要がある。

2013年大会(韓国・ソウル)で柿谷曜一朗(C大阪)が得点王に輝き、2014年ブラジルワールドカップへの道をこじ開けたように、金崎にもチームを勝たせる仕事に徹してもらいたい。

ゴールという結果を現実にするためにも、周囲との連係を向上させ、攻守両面でスムーズなプレーができる環境を整える必要がある。初戦まで5日間しか準備期間がないため、そのハードルは非常に高いが、金崎には清武という最高のパートナーがいる。

大分トリニータ時代の2008~2009年の2シーズンをともに過ごし、ニュルンベルクでも半年間一緒にプレーした1つ下の清武とは公私ともに仲がいい。古巣・大分がJ3降格を余儀なくされた2015年のJ2・J3入替戦も揃って観戦に出かけたほどの深い絆が彼らにはある。

繊細なパッサーである清武とゴールへ突き進むエゴイストタイプの金崎とは特徴も性格も異なるが、彼らが競演することで日本代表に相乗効果がもたらされるのは間違いない。

この日のゲーム形式の練習でも、清武が金崎にタテパスを送り、清武がゴール前の空いたスペースに飛び込むという好連係を披露。ハリルホジッチ監督からも「イエス」「ブラボー」という言葉を贈られた。彼らがあうんの呼吸でプレーしてくれれば、周囲にいる小林や阿部、井手口といった面々も合わせやすい。前線の2人が攻守両面でスイッチを入れる役目をしっかりと果たしてくれれば、日本は思惑通りの戦いができるだろう。

不言実行の男・金崎夢生がピッチ上で雄弁な仕事を見せられるか否か。そこに今大会の成否、そして彼自身のロシア行きの行方がかかっている。

(取材・文:元川悦子)

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