フィギュア団体戦5位の日本、課題と収穫

フィギュア団体戦5位の日本、課題と収穫

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  • 更新日:2018/02/14
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2月12日、団体戦が終了して平昌オリンピックにおける最初のフィギュアスケートのメダルが授与された。オリンピックにフィギュアスケートに団体戦が加わったのは、2014年ソチオリンピックからで今回でまだ開催2回目。どの国に対しても、4種目バランス良い選手の育成を奨励するために作られた競技である。

男子SP唯一の100点越えを果たした宇野選手

過去の大会の成績から、今回団体戦に選抜されたトップ10か国は、カナダ、ロシア(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)、アメリカ、日本、イタリア、フランス、中国、イスラエル、ドイツ、韓国だった。それぞれの国が男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目で競い合い、SPのトップ5か国が決勝に進出するというシステムだ。日本は最終的に総合5位だったものの、男子SPでは宇野昌磨が10人中トップに立ち、個人戦に向けて幸先の良いスタートをきった。

宇野昌磨選手(写真:ロイター/アフロ)

米国のNBCの放映時間に合わせて朝の10時から開催という慣れないスケジュールの中、男子SPは失敗が続出。カナダのパトリック・チャン、アメリカのネイサン・チェンなど、メダル候補たちがバタバタと転倒していった。そんな中で、宇野は最初の4フリップでステップアウトした以外はノーミスで決めて唯一の100点越えを果たし、2位に大きく差をつけた。

「(オリンピックの)特別な緊張はなかった。全日本選手権のほうが緊張しました」と胆の太いところを見せた宇野。

北米メディアの大多数は、それまでアメリカのネイサン・チェンを優勝候補とみていたが、この試合の後、宇野昌磨を金メダルの最有力候補だという声が高まった。

女子は宮原知子がSPで、ジャンプの回転不足を厳しくとられて思いのほか点が伸びなかったことが話題となった。選手や専門家の間でも、この判定には疑問の声が寄せられた。

ジャンプの回転の判定、スピンのレベルの判定はその大会のテクニカルパネルの顔ぶれによって、緩やか目、厳しい目と、ある程度のばらつきがあるのが現実だ。残念ながらストップウォッチなどできっちり測れる競技ではなく、人が判定する限り、常に白黒がきちんと納得のいく形でつくわけではない。それでも受け入れざるを得ないところに採点競技の厳しさがある。

「あんまり悪いジャンプだったと思っていないので、少しの修正で頑張って直したいと思います」と前向きにコメントした宮原。個人戦も、同じテクニカルパネルの顔ぶれになるはずである。女子SPの本番まであと1週間少し。少なくても団体戦のおかげで傾向がわかり、濱田美栄コーチとともに、しっかり対策を練っているに違いない。

フリーを担当した坂本花織は、出だしのジャンプで少々着氷がつまり、勢いをそがれた演技になってしまった。また男子フリーで出場した田中刑事は、やはり出だしのジャンプ2つを連続して失敗。「この失敗を個人戦に生かすしかない」と決意を述べた。

今回の団体戦に出た日本男女シングル4人は、いずれもオリンピック初挑戦である。それだけに団体戦は日本チームにとって経験として有意義だった。

金メダルは「一番手」作戦のカナダ

一方ペアの須崎&木原組、アイスダンスの村中&リード組は、いずれもショートでは持てる実力を発揮した好演技を見せて、日本チームのSP通過に貢献した。

だが勝ち残った他の4か国は、ペアもアイスダンサーもGP大会でメダルを取る強豪ばかりが顔を並べた。緊張もあったのか、フリーでは2組ともミスが目立って日本チームはソチオリンピックと同じ、総合5位に終わった。だが少なくても日本が4種目揃って団体戦で健闘したこと、そして個人戦前に選手たちが本番リンクの雰囲気を味わえたことは、大きな収穫だった。

初の団体戦金メダルを手にしたのは、カナダチームだった。ソチオリンピック王者だったロシア(OAR-オリンピックアスリートフロムロシア)は2位、長洲未来がフリーで3アクセルを成功させて健闘したアメリカが3位という結果になった。

この3か国はいずれも長い伝統を持つフィギュアスケート王国で、シングルとカップル競技の両方で層が厚い。団体戦の普及によって、日本にも少しずつではあるが、ペアやアイスダンスを目指す若手たちが増えつつあるのは、喜ばしいことだ。

今回のカナダチームは、女子以外はカナダチャンピオンと2位の実力差が大きく、SPとフリーの選手を入れ替えることなくすべて一番手が出場という作戦で、みごとに金メダルを獲得した。中でもパトリック・チャンとアイスダンスのバーチュー&モイアは、4年前のソチオリンピックで、惜しくも銀メダルで涙をのんだ選手たち。今回は団体戦で、念願の金メダルを手にして幸先良いスタートとなった。

「この嬉しさは、とても口では言い表せない。チーム全員が、平等に貢献できました。みんなのことを誇りに思います」とパトリック・チャンが嬉しさを語った。

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