怪我に泣いた右腕・斉藤和巳氏が松坂大輔に愛あるエール「同情はしません」

怪我に泣いた右腕・斉藤和巳氏が松坂大輔に愛あるエール「同情はしません」

  • フルカウント
  • 更新日:2017/09/15
No image

元ソフトバンクのエース右腕・斉藤和巳氏【写真:編集部】

松坂と同じ肩の怪我から復帰を目指した日々「すごくも大変でもない」

シーズンが大詰めを迎え、残すところ1か月弱となったプロ野球。激化する順位争いがファンを楽しませる一方で、1軍復帰を目指しながらファームで地道に調整に励む選手もいる。今季開幕前、誰もが復活を期待しながら、いまだ果たせずにいるのが、ソフトバンク松坂大輔投手だ。2015年に右肩にメスを入れた右腕は、昨季は1軍で1試合に登板し、オフはプエルトリコのウインターリーグにも出掛けた。今季は再び1軍のマウンドに上がるべく、日々調整に励む。

2006年には史上7人目の投手5冠(勝利数、防御率、奪三振数、勝率、完封数)に輝いた、元ソフトバンクのエース右腕・斉藤和巳氏も、現役時代には怪我からの復活に挑んだ。2008年に3度目の右肩手術を受けた後、再び1軍マウンドに立つことを目指し、5年余りをリハビリに費やしたが、2013年7月に現役復帰を断念。その過程はさぞかし辛かったと想像されるが、「いや、すごくも大変でもない。自分で選んでやったことですから」と、当時を振り返る。

「確かにしんどいですよ。楽なことは選んでないから。でも、みんなが思ってるほど、しんどいとは思ってない。何で?って言われるんですけど、それは自分で選んだことだから。誰かにやれとは言われてない。自分で選んでやってるのに『もうやってられへんわ』っていうのは、ちょっと違うやろって。嫌なら辞めたらいい。簡単なことです。人生は常に二者択一やから。やるかやらないか。その選択権は、みんなが常に持てているわけですから」

「同情って一時的な痛み止め薬みたいなもの」

現在は、トミー・ジョン手術(肘靱帯再建手術)のように肘の手術から戦列復帰する投手は数多いが、肩の手術から完全復帰した投手は少ない。自身と同じく肩の手術を受けた松坂も、覚悟を持って復活の道を歩んでいると信じている。だからこそ「しんどいのは分かるけど、同情はしません」と言い切る。

「心配はしますけど、同情はしません。同情されるのを喜んでいるうちは一人前にはなれない。同情されても、現実は変わらないですから。同情って一時的な痛み止め薬みたいなもの。もちろん、痛み止めになる優しい言葉が必要な時もある。でも、現実は変わりません。

よく『プロ野球選手って大変やね』って言ってもらったんですけど、そんなことはない。ある意味、恵まれているんですよ。いいも悪いも、目の前の結果が分かりやすくて、それに対してのサラリーは一般の人の一生分を稼げる可能性がある。しかも、怪我をすれば同情してくれるし、成功すればよかったなと思ってもらえる。もちろん、叩かれることもあるけど、有名税ですから」

「投げるだけで人を動かせるって、考えようによっては面白いなって」

2014年オフにソフトバンクと3年12億円の契約を結んだ松坂は、2シーズンでの1軍登板は1試合にとどまり、今季はここまでゼロ。契約が高すぎたという批判の声が飛ぶことも多い。

「叩かれますよ。あれだけの金をもらえば。でも、あの契約を否定する権利は誰にもないです。別にルールを破っているわけではない。あれがホークスから見た松坂大輔の評価なんです。でも、批判されても当然。結果としては出していませんから。

メジャーに行って、30代に入ってからは満足する野球人生は過ごしていないと思うんですよ。今までずっと続けてきた大好きな野球で、多分、今一番悩んでいる時期だと思います。打者を抑えることではなく、投げること自体で悩んでいるんじゃないかと。でも、大好きな野球について根本的なことで悩めるのは、いい時間やと思うんです。投げることがホンマに好きだから。

ここからが楽しみですよね。これを乗り越えたら、どんなピッチングをするんやろ。どういう野球人生を送るんやろ。それに対して、周りの反応はどう変わっていくんやろ。だから、僕は大輔に批判の声を覆してほしいんですよ。上っ面のことを見て批判する人は、すぐに手のひらを返しますから。僕はそれが見たい(笑)。

僕も若い時に同じようなことを少し経験しました。厳しい世界にいるけど、ある意味それは醍醐味。人が手のひらを返すっていうことは、自分がその人を動かしたっていうこと。なかなか人を動かすって難しいじゃないですか。投げるだけで人を動かせるって、考えようによっては面白いなって思いますね」

ストレートな物言いの中には、後輩への愛がぎっしり詰まっている。人生は二者択一。松坂が復帰への道を選択し続けるうちは、心配はしながらも同情はせず、サポートを続けていく。(佐藤直子 / Naoko Sato)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

プロ野球カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
西武・野上、4年ぶり10勝!プロ9年目先発141試合目で初完封
プロ表明の早実・清宮、鷹ドラフト1位指名確実!?王会長「欲しい」
阪神・横田慎太郎「22歳で脳腫瘍と宣告されて」
ロッテ井口「ありがたい、光栄」監督就任に前向き
多摩大目黒vs駒場学園
高校野球ドットコム
  • このエントリーをはてなブックマークに追加