「WHIP」で見る投手の安定感...抜群の菊池、異次元のサファテ【パ編】

「WHIP」で見る投手の安定感...抜群の菊池、異次元のサファテ【パ編】

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  • 更新日:2017/11/13
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ソフトバンクのデニス・サファテ【写真:藤浦一都】

西武・菊池が1イニング当たりに出した走者の数は…

現在、NPBは秋季キャンプ真っ只中。すでに12球団は来季に向けて始動し、今季の大きなイベントと言えば、11月20日に開催される「NPB AWARDS」のみとなった。各タイトルは決まっているが、ここでは改めて今季の投手陣について振り返りたい。

投手の能力を示す数値の中に、WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)というものがある。投手が1イニング平均で与四球+被安打で許した走者数を示したものだ。大前提として、投手は託されたイニングを無失点で終えることを目指す。そのためには走者を出さないことが重要だ。投手の安定感を示す数値でもあるWHIPは、MLBでは公式記録になっているが、NPBでは導入されていない。

パ・リーグで規定投球回数以上に達した投手をWHIP順に並べた。

菊池雄星(西)0.91(26試16勝6敗 187.2回 防御率1.97)
岸孝之(楽)1.02(26試8勝10敗 176.1回 防御率2.76)
野上亮磨(西)1.0556(24試11勝10敗 144回 防御率3.63)
則本昂大(楽)1.0557(25試15勝7敗 185.2回 防御率2.57)
千賀滉大(SB)1.07(22試13勝4敗 143回 防御率2.64)
美馬学(楽)1.10(26試11勝8敗 171.1回 防御率3.26)
東浜巨(SB)1.12(24試16勝5敗 160回 防御率2.64)
バンデンハーク(SB)1.14(25試13勝7敗 153回 防御率3.24)
金子千尋(オ)1.17(27試12勝8敗 184.1回 防御率3.47)
二木康太(ロ)1.19(23試7勝9敗 143.1回 防御率3.39)
山岡泰輔(オ)1.27(24試8勝11敗 149.1回 防御率3.74)
涌井秀章(ロ)1.32(25試5勝11敗 158回 防御率3.99)
有原航平(日)1.38(25試10勝13敗169回 防御率4.74)

今季パ・リーグでは、菊池雄星が最も優秀な先発投手だったことに異論を唱える人は少ないと思うが、WHIPの値もそれを裏打ちしている。13投手のうち、WHIPが1以下、つまり1イニングに出す走者が1人以下なのは菊池ただ1人。走者を出すことが減ったため、自責点も少なく、勝ち星も上がったと言える。

続いて、楽天の岸。打線の援護が少なく8勝しか挙げられなかったが、投球内容は素晴らしかった。WHIPが1.10以下の投手は、先発として合格点と言えよう。

ロッテの涌井は1.32だった。わずか5勝に終わったのは、味方の貧打も影響しているが、涌井自身も多く走者を出したため。海外FA権を行使したが、MLB関係者はこの数値をどのように評価するだろうか。

日本セーブ記録更新のサファテは約2イニングに1走者

続いて、50試合以上投げた救援投手のWHIPも見ていこう。

サファテ(SB)0.67(66試2勝2敗54S3H 66回 防御率1.09)
鍵谷陽平(日)0.88(60試2勝3敗1S17H 57回 防御率2.53)
増田達至(西)0.96(57試1勝5敗28S4H 56.1回 防御率2.40)
岩嵜翔(SB)0.98(72試6勝3敗2S40H 72.1回 防御率1.99)
牧田和久(西)1.02(58試3勝3敗0S28H 62.2回 防御率2.30)
福山博之(楽)1.06(65試6勝0敗7S23H 59.2回 防御率1.06)
近藤大亮(オ)1.078(55試1勝1敗1S25H 55.2回 防御率3.07)
松井裕樹(楽)1.082(52試3勝3敗33S5H 52.2回 防御率1.20)
武隈祥太(西)1.099(58試5勝2敗0S13H 57.1回 防御率3.14)
増井浩俊(日)1.101(52試6勝1敗27S7H 52.2回 防御率2.39)
宮西尚生(日)1.131(51試4勝5敗0S25H 40.2回 防御率3.32)
森唯斗(SB)1.135(64試2勝3敗1S33H 64.1回 防御率3.92)
ハーマン(楽)1.15(56試3勝1敗1S33H 53回 防御率2.72)
有吉優樹(ロ)1.16(53試2勝5敗1S16H 53.1回 防御率2.87)
大谷智久(ロ)1.17(55試3勝2敗0S23H 52回 防御率3.12)
黒木優太(オ)1.22(55試6勝3敗2S25H 53.1回 防御率4.22)
松永昂大(ロ)1.24(50試1勝3敗0S18H 36.1回 防御率3.22)
平野佳寿(オ)1.27(58試3勝7敗29S8H 57.1回 防御率2.67)
内竜也(ロ)1.31(50試5勝1敗16S11H 49回 防御率2.94)
シュリッター(西)1.37(64試1勝5敗0S32H 63.2回 防御率2.83)

NPBのセーブ記録を更新したサファテのWHIP0.67は、異次元とも言うべき凄さだ。救援でマウンドに上がって、ほとんど走者を出さなかった。多くの打者は手も足も出なかったのだ。

今季サファテに続いて優秀なクローザーだったのは楽天の松井裕樹だが、彼のWHIPは1.08。決して悪い数字ではないが、失点リスクという点において、サファテとは大きな違いがあった。それでも防御率1.20だったのは、塁上に走者を置いた場面で松井が良く踏ん張ったということを意味している。

西武のシュリッターは32ホールドを記録するなどセットアッパーとしては優秀だったが、WHIPは1.37でサファテの倍以上もの走者を出した。シーズン前半はそれでも何とか抑えきったが、後半は打たれることが多かった。西武がシュリッターと来季の契約を結ばなかったのは、成績は上げても安定感に欠けたからだろう。

次々と新しい指標が生まれるMLBでは、WHIPは一昔前の数値とされているが、NPBではまだ浸透していない。一昔前の数値であっても、WHIPを使えば投手の安定感が浮かび上がってくる。1つの評価として、まだまだ有効な数値と言えそうだ。

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