銀座、そこらじゅう新ホテル乱立で“ホテルだらけ”になった理由...五輪後に一斉淘汰の懸念

銀座、そこらじゅう新ホテル乱立で“ホテルだらけ”になった理由...五輪後に一斉淘汰の懸念

  • Business Journal
  • 更新日:2018/11/07
No image

生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画は、東京・銀座に日本初の無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA(ムジ ホテル ギンザ)」と新たな旗艦店を2019年4月4日に開業する。

MUJI HOTELはこれまで、18年1月18日に中国・深圳、6月30日に北京でオープンしており、これらに続く3カ所目となる。

ホテルの運営は小田急電鉄の子会社UDSが行う。UDSは良品計画とライセンス契約を結び、良品計画が提供するコンセプトと内装デザインのホテルを運営する。

MUJI HOTELのコンセプトは「アンチゴージャス、アンチチープ」。公式サイトでは「高級で過剰なサービスも、質を削りすぎた殺風景な客室もありません」と謳っている。無印良品の世界観を体験してもらい、ブランド力の向上につなげる。

MUJI HOTEL GINZAは読売新聞東京本社と三井不動産が中央区銀座3丁目の並木通り沿いに建設中の複合ビルに入居する。ホテルは6~10階で、6階にはフロントのほか、ものづくりやデザインに関する2つの展示スペース、コーヒーやお酒が飲める空間、デザインやアートの書籍を集めたライブラリー、イベントも開けるラウンジなどを設ける。7階から10階に客室(全79)室が入る。1部屋の面積は約13~51平方メートル。

同ビルの地下1階から6階には、世界最大規模の旗艦店「無印良品銀座」が開業する。東京近辺の農家が生産した青果などを使ったジュースやデザートのイートインコーナーのほか、茶葉の量り売りもする。地下1階にはレストランも入る。

無印良品の創業者であるセゾングループ代表の堤清二氏は、無印良品のコンセプトによるホテルの開業を構想していた。しかし、堤氏は経営から離れ、13年に他界。後継者たちが堤氏の遺志を継ぎ、無印のホテルを実現した。

無印良品を展開する良品計画の18年3~8月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益は前年同期比10.0%増の2012億円、営業利益は11.5%増235億円、純利益は24.1%増の181億円で、いずれも過去最高。昨年から衣料品や家具、雑貨など2700余りの品目で値下げを継続しており、直営既存店の客数は同8.2%伸びた。

ところが決算発表の翌日10月4日の株価は、一時前日比8%(2850円)安の3万700円を付け、年初来安値を更新した。昨年9月以来の安値水準だ。国内事業が減益だったことや、中国の既存店売上高が減ったことが嫌気された。10月26日には2万7970円と、さらに安値を更新した。

国内事業は、ファミリーマートが無印良品を置く棚を減らしたため、ファミマを販路とした売り上げが26億円と半減したことが響き、4%の営業減益となった。ファミマとの取引縮小は「想定外」と投資家は受け止めた。中国の既存店売り上げが2%減ったことも売りにつながった。人気商品の化粧水でライセンス更新の遅れにより品切れが続いたことが原因という。

とはいえ、営業利益は7年連続で最高となり、全体としてみれば業績は決して悪くはない。

●銀座はホテルの進出ラッシュ

20年の東京オリンピック・パラリンピックや、その先をにらみ、銀座はホテルの進出ラッシュとなっている。

三井不動産は17年10月、銀座8丁目の旧日航ホテル銀座の跡地に、宿泊特化型の新ブランド「ホテル ザ セレスティン銀座」を開業した。客室は104室で、広さは23.5平方メートルからだ。

高級ブランドや老舗の店が軒を並べる銀座の並木通りに、今年1月22日「ハイアット セントリック 銀座 東京」がオープンした。昨年10月に竣工したばかりの「東京銀座朝日ビルディング」(中央区銀座6丁目)に入る。同ビルの敷地は、朝日新聞が東京で創刊した年に社屋を構えた創業の地だ。二葉亭四迷や夏目漱石、石川啄木といった文豪や詩人たちが、ここで働いていた。

同ビルは地下3階・地上12階建て、延べ床面積は1万8000平方メートル。設計・施工は鹿島建設が手がけ、「銀座の街並みに調和した品格と格調ある外装に仕上がった」と自慢する。

3~12階に入るホテルの経営は、ホテルエリアを賃貸するオリックス不動産がハイアット・ホテルズ・アンド・リゾーツに運営を委託した。「セントリック」は、米ホテル大手のハイアットが15年1月に立ち上げた新しいホテルブランドで、アジア初進出。客室は164室(35~127平方メートル)。30~40代を中心に幅広い年代の旅行者をターゲットとし、平均で1泊4万円台を想定している。

海外旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)グループは2月1日、ロボットホテル「変なホテル東京 銀座」を開業した。東京メトロ有楽町線新富町駅から徒歩2分。ビジネスパーソンや個人で行動する訪日観光客の利用を見込み、全98室のうち61室を1人用とした。宿泊料金は1室7000円から。

フロントには、従来多く配置してきた恐竜型ではなく、女性の人型ロボットを2台配置。床清掃や窓拭き、空気清浄用のロボットも導入した。同規模のホテルの4分の1の計7人が交代で運営する。「変なホテル」は、長崎県佐世保市のレジャー施設、ハウステンボス(HTB)で始めて導入し、人気を得た。その勢いで全国展開を開始し、変なホテルとして銀座は5カ所目である。

東京建物は11月9日、「ザ・スクエアホテル銀座」を開業する。東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅から徒歩1分。地上16階建で、延べ床面積5700平方メートル、客室数は182室。

ホテルの運営は、ソラーレ ホテルズアンドリゾーツが行う。米企業再生ファンド、ローンスターの子会社で、地産から引き継いだ「チサンホテル」を中心に、外資系企業としては最多のホテルを保有している。

阪急阪神ホテルズは銀座8丁目に宿泊主体型ホテル「レムプラス銀座」を19年冬に開業予定。地上16階、地下1階で客室数は238室。

大手不動産デベロッパーの森トラストは、20年春に米マリオット・インターナショナルに運営を委託し、高級ライフスタイルホテル「東京エディション銀座」を銀座2丁目に開業する。エディションはマリオット系としては最上級と位置付けられているブランドだ。

東武鉄道と米マリオット・インターナショナルは、20年夏に「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」を銀座6丁目に開業する。地上15階、地下2階、客室数は296室。運営は東武ホテルマネジメントが担当。ACはアジア初進出の若者向けホテルだ。

マリオットは、高級ブランドは森トラスト、若者向けブランドは東武鉄道と組んで、銀座に進出する。

●オリンピック後、ホテルは閑古鳥が鳴く

17年の訪日外国人客は前年比19.3%増の2869万人。政府は、20年までに4000万人へ増やす目標を掲げている。そこで以前から懸念されているのが、ホテルの不足だ。特に外国人を含め1000万人もの観光客が押し寄せるといわれる東京オリンピックの期間中のホテル不足は解消されていないというのが定説だ。

ところが、みずほ総合研究所が1月26日に公開した「インバウンドの新たな注目点とホテル不足の試算アップデート」では、新規開業の増加や今年6月の民泊解禁、クルーズ船利用者の増加などで、20年には東京では客室数は不足しないという結果となった。

逆に、都市部を中心にホテルの建設ラッシュの様相を呈しており、供給過多を指摘する声が出ている。オリンピック期間の一時的な需要に合わせてホテルをつくっても、終わった後に閑古鳥が鳴くのは、過去のオリンピックのホテル事情を見れば明らかだ。乱立したホテルの淘汰は待ったなしで始まる。

新しいタイプのホテルが銀座に続々と誕生するが、どこが生き残れるのだろうか。
(文=編集部)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
RIZAPグループが赤字に転落と発表 社長が陳謝
ローランド、キャリングケース&オーバーレイシート・プレゼントのシンセサイザーキャンペーンがスタート
モンキー、125cc版登場で中古バイクの人気が急騰 goo+dランキング
「空飛ぶクルマ」来年にも試験飛行 政府が素案提示
IT企業「規制はイノベーションを阻害」と反発
  • このエントリーをはてなブックマークに追加