サウナブームに専門医が警鐘! 「整う」より正しい入浴法の基礎とは!?

サウナブームに専門医が警鐘! 「整う」より正しい入浴法の基礎とは!?

  • サイゾーウーマン
  • 更新日:2019/11/21
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リラックス効果やデトックス効果が期待できるといわれるサウナ。昨今、そんなサウナを舞台にした漫画やテレビドラマが登場し、情報番組などでも特集を組まれるなど、空前の“サウナブーム”になっている。サウナ愛好者を「サウナー」と呼び、そうしたサウナ―が使う「整う」といった言葉がネット上で散見されることも。しかし一方で、サウナの利用が原因となった死亡事故なども報告されており、その危険性も見逃せない。そこで今回、『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)など、お風呂・温泉と健康にまつわる著書を執筆している温泉療法専門医・早坂信哉氏に、サウナによる健康効果と危険性についてうかがった。

サウナには「デトックス効果」も「ダイエット効果」もない

――サウナに入浴することによって、大量の汗が流れ出ます。それが「デトックス効果」につながるといわれていますが、それは本当なのでしょうか。

早坂信哉氏(以下、早坂) 体の中に溜まった「悪いもの」、つまり老廃物や有害物質を排出するという意味での「デトックス効果」は期待できません。研究でも報告されていますが、サウナ入浴で出た汗には、ほとんど老廃物や有害物質は含まれておらず、これらのほとんどが、糞便や尿によって排泄されることが明らかになっています。ただ、温熱効果で血流の巡りは確かに良くなるので、肝臓や腎臓に血液が送られることにより、排せつ器官の運動が活発になり、老廃物などが体の外に出やすくなるということはあります。血流の改善が本来のサウナのデトックス作用と言えるので、発汗は排せつではなく、体温が十分に上がったというサインとお考えください。

――サウナ入浴後、体重が減っていることがありますが、ダイエット効果があると期待していいのでしょうか。

早坂 サウナによって出た大量の汗は、上がった分の体温を下げる“体温調節”のための汗です。体重が減っているのは、体内の水分が出ているだけなので、ダイエット効果は期待できません。だいたい、80度ぐらいのサウナに10分ほど入浴すると、500ミリリットルぐらいの汗をかくと言われているので、それぐらい体重が減ることもありますが、ただの脱水。なので、水分補給をすれば、すぐに戻ってしまいます。熱を与えられることによって、多少なりとも代謝は上がるものの、運動のように脂肪燃焼をしているわけではないのです。また、500ミリリットルほど体内の水分が出てしまうと言いましたが、それにより熱中症にかかってしまう可能性もあるので、水分補給をしてほしいですね。

――どれぐらいの水分補給が必要なのか、目安を教えてください。

早坂 入浴前にコップ1~2杯を飲んでください。また、500ミリリットルぐらい汗をかくので、入浴後にも1~2杯の水分を摂ってほしいですね。水でも十分ですが、ミネラルが入ったむぎ茶、スポーツ飲料やイオン飲料の方が吸収もいいですし、より適しているかもしれません。入浴後に水分補給を怠ると、血液の流れが悪くなり熱中症になる可能性もありますし、血液の粘り気が出て血の塊(血栓)ができやすくなります。血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねません。

――また、飲酒後にサウナで大量に汗をかくことで、アルコールが早く抜けるといったことを聞いたことがあるのですが。

早坂 アルコールが抜けるといった効果もありませんね。飲酒をすると血圧が下がったり、眠くなりますが、そのような体調でサウナに入浴すると、気を失ってしまう場合や寝てしまうケースがあり、熱中症になることもあります。飲酒後のサウナ入浴は危険なのでやめましょう。また、アルコールを代謝するためには、たくさんの水分を必要としますが、サウナに入浴することで、その分の水分まで失われてしまい、結果的にアルコールの代謝が逆に遅れてしまう可能性が高くなります。二日酔いの時にサウナでスッキリしたいという方もいるようですが、同様の理由からオススメできません。
――そのほかに、危険な入浴方法などはあるのでしょうか。

早坂 水風呂の入り方には注意してほしいです。熱いサウナから10度前後の冷水にいきなり浸かると、急激な温度差によって体調不良を起こす「ヒートショック」を自ら発生させるような状況になります。血圧が大きく変動することで、脳卒中や不整脈、狭心症を発症し、最悪の場合死亡することも。意識を失い、水風呂の中で溺死するといった事故もあるので、十分注意してください。

――サウナの醍醐味は「水風呂」というような声もあるのですが、どうしても水風呂に入浴したい場合、注意すべきポイントなどがあったら教えてください。

早坂 冷たすぎる水風呂は避け、“25~30度”ぐらいの「ちょっと冷たいな」と思うぐらいのぬるま湯の風呂に、“ドボン”と浸かるのではなく、手足に少しずつ水をかけ、静かに少しずつ体を慣れさせながら入浴してほしいです。水風呂より刺激が少なく安全なシャワーや外気浴などの方が、体のことを考えるとオススメですね。

――最近はスーパー銭湯など、食事もできる複合型温泉施設などもあります。食事の前後にサウナに入浴するのはどうなんですか。

早坂 できれば食事の前後30分~1時間程度は避けた方がいいです。というのも、皮膚の表面が温められると、全身の血液が皮膚の近くに集まり、消化器官の血液が少なくなります。その結果、消化不良を招く可能性も。また、熱や急な体の痛みが出始めている時、腰痛など慢性的な痛みがひどくなり始めている時なんかもやめた方がいいです。サウナは刺激が強いですし、疲れすぎている時に入浴することによって、逆に体調を崩すことも考えられます。

――サウナに入浴する際、女性が特に注意するべきポイントなどお聞かせください。

早坂 体調については男女ともに、熱中症やヒートショックなどのリスクに差はありません。ただ、美容という点では、注意が必要でしょう。ドライサウナや遠赤外線サウナなどは、湿度が低くとても乾燥しているので、毛髪の乾燥を防ぐために濡れタオルやサウナハットを着用した方がいいかもしれません。霧状のミストが出るミストサウナは乾燥を防げますし、通常のサウナよりも体への負担も少ないので、乾燥が気になる方はこちらの方がいいのではないでしょうか。

サウナで「整う」よりも無理をしない

――“サウナー”と呼ばれるサウナ愛好家の方たちは、サウナと水風呂の入浴を1セットとして、何セットも繰り返すことによって「整う」といった感覚を楽しんでいますよね。

早坂 「あと〇分……」などの我慢大会のような入浴方法は危険ですし、やめてほしいです。汗が流れ出たということは、体温が1.5度ぐらい上昇し、血流が良くなってきた証拠なので、自分にノルマを課していたとしても、ひとまず出るようにしましょう。あくまでも目安ですが、80度のサウナであればどんなに長くても10分まで、100度なら5~6分まで、初心者の方は60度ぐらいの低温のサウナにせいぜい15分ぐらいまでに抑え、自分の体調と相談し、とにかく無理をしないでください。汗をかけばかくほど毒素が出るというわけではないですし、正しい入浴方法で血行促進やリフレッシュに役立ててほしいです。

早坂信哉(はやさか・しんや)
東京都市大学人間科学部教授、一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、温泉療法専門医、博士(医学)。著書に『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、『入浴検定公式テキスト』(日本入浴協会)がある。

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