大島優子も炎上した「Fワード」 丸山ゴンザレスが海外で使ってみたら...

大島優子も炎上した「Fワード」 丸山ゴンザレスが海外で使ってみたら...

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  • 更新日:2018/01/14
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誰も教えてくれなかった「Fワード」。海外ではどう扱われているの? (イラスト/majocco)

世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレス。取材やインタビューの基本は英語である。それもフィリピンで習得したアジアン・イングリッシュ。ブロークンであるがゆえに、恐ろしくも奇妙で日常生活ではまず使うこともないようなやりとりも生まれてしまう。そんな危険地帯で現地の人々と交わした"ありえない英会話"を紹介する本連載、今回は危険地帯でよく耳にするFから始まるあの放送禁止用語、いわゆるFワードについて。昨年、AKB選抜総選挙の開票イベントで結婚を発表したメンバーに対し、女優・大島優子が動画でこの言葉が書かれた帽子を見せて苦言を呈し、炎上したことも記憶に新しい。そんな危険ワードを「使いこなしてみたい!」という衝動にかられたゴンザレスはいったいどうなったのか?

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*  *  *

世界の常識は日本では非常識であるということが、時々議論のテーマとされることがある。それぐらい日本人には実感として理解できていないことがあるのだ。そのなかのひとつに言葉の問題があると思う。たとえば映画や海外ドラマを見ていると「ピー音」が入って消されている単語がある。いわゆるFワードである。国際的に、特に英語圏ではタブーとされており、公の放送はもちろん、子どもに聞かせてはいけない言葉として扱うことが常識になっている。一方、日本国内においては、言語の違いもあり、堂々と「Fuck」と表現されていても規制されない(さすがにテレビなどの公の場では飲ましくないだろうが、現状では自主規制の枠を出ていない)。

では、欧米に行くとFワードをまったく耳にしないかといえば、英会話のなかではよく耳にする。Fワードは相手をひどくののしったり、「クソ」と強調的な意味で使われたりするので、私が取材するスラムなどでは、わりと日常的に使われる(あくまで私の肌感覚だが)。実際の使用について、一例として挙げてみよう。

「It's fucking cold today!」(今日はくっそ寒いな)

毎年のように厳しい冬を迎えるニューヨークあたりでは、きっといまごろ毎日この言葉が飛び交っていることだろう。つまり、Fワードは公に使えないし、子どもに聞かせられないような汚い言葉だけど、日常的な使用頻度は非常に高いのが現実だということである。とはいえ、発展途上の英会話能力しかない私には、このFワードを上手に使いこなすことができない。だが、知らなければトラブルを避けることもできないし、正直、使いこなしてみたいという気持ちはある。そこで以前、ニューヨークを取材で訪れた際に、北部にあるブロンクス区に暮らす知り合いにFワードの使い方について聞いてみた。

「How I use “Fuck”?」(ファックってどう使うの?)

「Hey you! You should not use it.」 (その言葉は使うなよ)

「Sorry. But I think that most American people use that word.」(アメリカ人って、よく使うよね)

「Yes. But that is bad word!」(使うね。でも、良くない言葉だから)

「I see. But, if I could use it, it might be cool.」(わかってるけど、上手に使えたらカッコイイと思って)

「Are you a teenager?」(ティーンエイジャーかよ!)

日本人的には、「Fuck You」のように、相手をののしる表現の代表格で、簡単に使い方ぐらい教えてもらえると思っていた。だが、実際には間違っても口に出すことは許されない言葉になっていることがわかった。拒絶されたとはいえ、知人自身が実際に使っている現場を何度も目にしていたので、一般的な使用例を知りたいとしつこく聞くと、難色を示すものの、具体的な使用方法についても教えてもらうことができた。

「Is it a verb?」(これは動詞として使うの?)

「Verb.」(動詞だね)

「For example, please.」(例えば?)

「I fucked up!」(やっちまった!)

「Other please.」(ほかには?)

「“You're fucking beautiful”. This word can be used a lot.」(「すげえキレイだ」。この単語は何にでも使えるのさ)」

「It is convenient.」(便利だね)

ののしる表現以外にも強調や感情の高ぶりなんかを表現する言葉としても使えることがわかった。だが、教科書で英語を学んできた日本人としては、法則性など基本的なルールを知りたくなる。特に私が気になるのは使うタイミングだが、これはなかなかの難易度である。下手な場所で使ったら非常識の烙印を押されてしまうであろうことは容易に想像がつくからだ。

「When can I use it? I have no idea.」(どういうときに使うのか。それがわからないんだけど)

「Just feeling.」(ノリかな)

語学を習得していくうえで、単に文法や単語だけではなく、文化や国民性といった肌で触れないとわからないことも重要な要素となる。特に肌感覚のようなものは、英語を母国語とする人ならば、育ってくる環境で自然と身に着けてくるもの。それを教えろといっても難しいだろう。実際、誰に聞いても規則的な使い方は教えてもらえなかった。親切な知人からは「男性的な強調のため」だとか、「言葉のノリや相手との関係性もあるから」と、さらに高難度な返事をもらってしまった。

ちなみに、Fワードと同じように使い方がわからない言葉がある。それが、「What's up, man?」など、文末に付く「Man」である。こちらは、文法的には説明することがFワードより、さらに難しいようで、語尾につけるという以外に明確な使い方を説明できる人はいなかった。

とはいえ、せっかく習ったので、いざストリートで軽く実践してみたのだが……。

「Hey! What's up, (一呼吸入る) man?」(やあ、どう…してる?)

「What?」(なに?)

「Sorry,my fuckin' English……」(俺のクソ英語が……)

「What did you say?」(何言った?)

このとき相手は若い黒人男性で、友達に紹介された程度の関係性。manとfuckの使い方に自信が持てない状況で、聞き直された時点で心が折れてしまった。おまけに照れがあったのか、変な間まで入ってしまった。

私としては仕事柄、こうしたノリで使うような言葉こそ取材先で使いこなしたいのだが、いざ口に出してみると想像よりも難しかった。

いまでも言ってみようとは思うものの、もし上手に言えなかったら、怒られるかもしれないなという懸念が強すぎて、どうにもうまくいかない。そんな恥ずかしい思いをした経験のある私からのアドバイスとしては、どうしても使うなら自信をもって堂々とすればいい、ぐらいだ。ただし、使ったとしてもそもそも、自分の母国語に存在していないニュアンスや背景が多分に含まれる言葉であることを忘れないでもらいたい。下手をするととんでもないトラブルにつながってしまうかもしれないからだ。

(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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