リア充感あふれる「舐め犬」と会う。挿入ナシでただ舐めたい若者の真意って?

リア充感あふれる「舐め犬」と会う。挿入ナシでただ舐めたい若者の真意って?

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  • 更新日:2017/09/15
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果たしてちんぽは届くのか。イラスト/大和彩

子宮は誰のためにある? 赤ん坊のためか? 男のためか? 両親のためか? 世間のためか? NO!! 答えはそのどれでもない。 子宮は、子宮の宿主である女性のためにある! 子宮を使うか、使わないか? 選択するのは、お前(女性)自身だ!

*   *   *

よう、また会ったな、子宮だ。

前回は、お願いした性感マッサージにて、夢子がこのプロジェクト始まって以来、初の快楽を得られたかと思いきや、帰宅してから肉体と精神、両方の具合が悪くなったところまで話したよな。

中年男性と性的なことをすると、過去に父親に虐待されてきた夢子のPTSDが炸裂することが実証された。

あれから3日経つが夢子は過去のトラウマがよみがえったせいで、吐き気と戦いつつ、布団に寝たきりだ。食事は1日1回カロリーメイトをひと箱むさぼるだけ。お腹が空いてないわけじゃない。食べないほうが精神的にラクなんだとさ。あいつ、自分にはメシを食う資格がないと思ってやがる。腹が減っても食わないことで自分に罰を与えなくてはいけない、という間違った認識をもっている。

「夢子! お前はなにも悪いことはしていない! なぜ自分に罰を与えるんだ! 布団に寝ていても何も解決しない。俺とPDCA回すんだ」

呼びかけたが、夢子は「ううう~」とうめくばかりで返事はなかった。

精神的な問題だけじゃないようだ。下腹部の痛みと出血はまだつづいている。これまでピルを1日でも飲み忘れると不調になってきた我々のボディ、いまや休薬から数週間経過している。体調が悪いのだ。

子宮内膜症はとにかく、痛い。全細胞が、全身全霊が、痛い。自分は痛みを感じるだけに生まれ、存在しているのではないかと錯覚するほど、「痛い」以外の感慨はいまの夢子にはなかった。

性感マッサージは気持ちよかった、けど。

この苦痛に苛まれると、夢子がいつも思い浮かべるイメージがある。美術史で習った絵画に、生きたままの人間の小腸をウィンチで巻き取りつつ体から引っ張り出す中世ヨーロッパの拷問の様子を描いたものがあった。持病の痛みに苦しめられるとき、いつも夢子はこう思う。

(子宮内膜症の痛みは、「小腸ウィンチ巻き取りの刑」の痛みに匹敵するんじゃないかしら……)

夢子自身、「寝ていても何も解決しない」のは承知しているから痛み止めを使っていた。飲み薬タイプのものでは効かないのでアナルにぶっ刺すタイプのやつだ。本当は6時間の間隔をあけて使用するものだが、辛抱ならないので2時間から4時間置きにぶっ刺していた。袋いっぱいの痛み止め座薬があっという間になくなってゆく。

体が冷えてたまらん。パジャマの下には常に股引を履き、腹や尻にホッカイロを4枚くらい貼っている。小型ホットカーペットを布団に持ち込んで常に臀部がそこに載っているようにしなければならない。それを怠るだけで夢子のけつっぺたは冷え、耐えがたい痛みに悩まされる。

布団にくるまって寝ようとしても、目をつぶると性感マッサージの様子を思い出してしまって胃液がせり上がる。夢子は悟った。相手がとても親切で、気持ちよいマッサージを施してもらったとしても、PTSDは発症することを。

なんとか気を紛らわせたいとネットを眺めていたら、「きょう舐め犬の空きあります。興味ある方は連絡ください」という書き込みを発見した。以前連絡を取った「モデルばりの美女を舐めたい」と語った舐め犬さんとは別人によるものだった。

いま発症しているPTSD症状から逃れるために、新たな性経験で記憶を上書きしたい。舐め犬をお願いしてみるのもいいかもしれない。

その募集をかけていた舐め犬さんに年齢制限や体重制限、費用のことなどをメッセージしてみると、またたく間に返信が来た。女性の年齢・体重制限はなし、ホテルの費用は舐め犬もちだとのこと。

「ではお願いします!」ーー夢子は「鉄は熱いうちに打て」とばかりに返事をし、部屋から出る支度を始めた。夢子は痛み止めの座薬をアナルにぶち込んだ。多少痛みはあっても、これで数時間は動けるだろう。

おいおい夢子、舐め犬さんの年齢も名前も顔もわからないぞ? ネットで「犬になりたい」と言っている男性なんだから、都会の闇に紛れて生きるちょっと妖しげなヤツなんじゃないか? 大丈夫なのか?

「子宮とちんぽをジャストミート計画」全体をとおしていえることだが、夢子は詳細を確かめないままにいつもアクションしてしまう。アプリでの出会いがどういうものなのか、ハプバーがどういうところなのか、性感マッサージでどういったことが行われるのか事前に知ることのないまま、現場第一主義で走り抜けてきた。これぞOJTというかんじである。

舐め犬さんと会ったらどうなるのか。ホテルではどういうことが行われるのか。今回だって、漠然としかわからない。

それでもこれまでは俺と一緒にPDCAを回して可能なかぎりベストな選択をしてきたつもりだ。論理的に、冷静に。だが今回はちょっと無鉄砲がすぎないか?

しかし夢子には俺の声はとどかなかった。shit! だからトラウマ持ちはやっかいなんだ。逸脱した性行為に走らなければいいが……。

川原でBBQしてそうなタイプ

だが思いのほか夢子は運の強い女だった。

待ち合わせ場所に着いたころには夜もふけ、卵管がもげそうなほどの寒さである。それでも夢子は緊張のあまり汗びっしょりで、保温機能のついた肌着がべちょべちょして気持ち悪い。

ダウンジャケットを開けたり閉めたりして換気していると、舐め犬さんが現れた。

彼は、偶然にも夢子の苦手なおじさんタイプではなく、おしゃれな若者だった。こういう若者、裏原宿で見たことあるぞ。相手がごく普通の、むしろイケメンといっていいような若者だったので、体のこわばりは少し解けた。だが、想像していたような影のあるタイプではなかったため「YOU はどうして舐め犬に?」という疑問で頭のなかがいっぱいになってしまった。

ホテルまで歩くあいだ、舐め犬さんは明るく話しかけてくれる。

「お仕事帰りなんですかー?」
「あっ、ハイそうです……」

生霊になりそうな痛みでのたうちまわってました、ともいえずに夢子は嘘をついた。

「なんてお呼びすればいいですかー?」
「アンジェリカでお願いします……」

不安気に答える夢子に、よいタイミングでにっこり笑顔を向けてくれる。舐め犬さんは接客慣れしていた。

コミュ障でも、人見知りでもない。笑顔も服装もさわやかだし、趣味が「川原で男女入り混じった大勢の友だちとのワイワイBBQ」でも違和感ない。いくらでもモテそうなのに、なぜ知らない女とホテルに行く必要があるのかますます謎だった。

だが、おかげでホテルの部屋に入ってからも、男性嫌悪を感じるときの、鳥肌、悪心、震えなどの身体的症状は出なかった。なにより、先ほどまであんなに悩まされていた吐き気がないことに驚いた。

「密室に男といて胃液がこみ上げないのってこんなに楽なのね! まだ若くてオトコオトコしていない男性なら、私はPTSD特有の症状で具合が悪くなることはないのかも!」

これは夢子にとっては天啓である。

ホテルの薄暗い部屋で、新発見に感激していると、舐め犬さんが口火を切った。

「いつもはどういうふうにしてるんですか?」
「私、10年くらいセックスレスなんですよ」

夢子が言うと、「えっ、でもひとりではしてたんでしょ?」と舐め犬さんが驚く。「ひとりでは年に一回くらいでしょうかね」と答えると、「えええええっ!」舐め犬さんは驚愕するのだった。

以前もどこかでこんな会話をした気がする。と思いながら夢子は本題に入った。

「あのう、どういう内容で進むかあまりわかってないんですけど、まずシャワー浴びたほうがいいですよね?」
「んーん、このまま……」

最後のほうは聞き取れなかった。舐め犬さんがさっと膝立ちになり夢子の股間に顔を埋めたからである。気がつくと、夢子は全裸でベッドにいた。舐め犬さんはフル着衣のままである。

名前のとおり、舐め犬は性器を舐めるのに徹するらしい。外側を刺激されても俺に快楽は届かないがな。まあ夢子が気持ちよかったならいいんじゃないか。俺が危惧したような性的逸脱行為もなかったしな。

「本番とかしなくていいの?」

と夢子が聞くと首を横にふりながら彼は答えるのだった。

「舐め犬ですから」
「舐めるだけだとフラストレーション溜まらないの?」
「挿入嫌いなんですよ。僕、変態ですから」

と、いう。

クンニは世界一エロい

「別に変態じゃないよ。こういう活動する男性がいることで救われる、すごーく切羽詰まった女性もたくさんいるだろうし」

と夢子が言うと「?」という顔をされた。おそらく舐め犬さんは、夢子が性欲発散のために彼と会っていると思っている。「どうして舐め犬になろうと思ったの?」とつづけて尋ねた。舐め犬さんはこう言った。

「舐めるってすごくエロいじゃないですか。フェラよりも、女性が男性に舐められる『クンニ』のほうが美しいし、世界でいちばんエロいと思うから。」

この世には挿入が嫌いな男性や「クンニ」に対して美学を持つ人がいると初めて知って夢子は驚いた。

舐め犬さんがクンニを専門にしているのは理解した。しかし自分で応募しておいてなんだが、「インターネットで募集をかけ、街に出、不特定多数の知らない女性の性器を舐める」原動力がなんなのか想像もつかなかった。この舐め犬さんはイケメンなんだし、彼女やセフレをつくって舐めたいだけ舐めればよいのではないか……? など疑問は多々残ったが、次々質問するのもなんなので黙った。

舐め犬さんは、一心に夢子の外性器や太ももと対話しているようだった。2時間ほど経っただろうか。突如、舐め犬さんは夢子(のおまんこ)からぱっと離れた。先ほどの愛想のよい姿は消え、無言でたばこを吸い、下をむいてスマホをいじりつづける。夢子が話しかけてもこちらを見もしない

(絵に描いたような賢者timeだ!)

夢子が少し面食らっていると、舐め犬さんはチベット砂狐のような目で告げた。

「もう出なきゃいけないんで、いいっすか」
訳:「さっさと起きて服着て帰れ」
「ああっはいすみません!」

放心していて気づかなかったが、もうそんなに時間が経っていたのか。時間が足りなくなりそうだったので、髪やメイクは直さないまま、あたふたとホテルを出た。

舐め犬さんはこちらの職業も最寄り駅もLINEも聞いてくることはなく、「じゃーねー」と軽いノリで消えていった。夢子は強く思った。

「そう、こういう後腐れのなさが好きなのよ!」

整体師さんも舐め犬さんもこちらのプライバシーを詮索してこないし、快楽のツボも心得ている。なのに腰が低い。「自分は変態ですから」と謙虚でもある。ハプニングバーでも感じたが、性に関して先進的な人ほど、他人に思いやりがあるのかもしれない。他人との境界線を尊重して乱暴に踏み込んでこない人に、夢子は心地よさを感じるのだった。

さらにこのMTGで、夢子は重大な気づきを得た。いままで自分は全男性に対して嫌悪感を抱くのだと思い込んでいた。だがどうやらまだ中性的な雰囲気が残る、見た目の若い男なら生理的に大丈夫らしい。証拠に、舐め犬さんと時間を過ごしたあと、ウディさんの後のように体からの暴力的な拒否反応はでなかった。

実技で気持ちよくなろうと、相手がとても親切だろうと関係なく、自分は男性の見た目で生理的拒否反応が出る。人を見た目で区別しなければならないのは悲しいことだが、夢子が健康に生活していくうえでは向き合っていかねばならない事実である。今後はそのことを頭に入れて活動していこう、夢子は思った。

今回の反省ポイントとは?

反省しなければいけないこともいくつかあった。

「シャワーしないままに性器を舐められただと? ばい菌が尿道に入って膀胱炎になるぞ! あとオーラルセックスの前は、自分もパートナーもマウスウォッシュでうがいするのが鉄則だ! お前は洞窟に住む原始人か? リスクの高いことをしやがって!」

衛生管理を怠ったことを、後に友人のキャリーにこっぴどく叱られた。

そうだった!! 夢子は震えあがった。膀胱炎になんかなりたくない。しかも性器エリアを手術する直前に不注意でなるなんてもっての外。今回のように相手のペースでなしくずしに行為を始めるのではなく、今後は自分で主導権を握らなくてはいけない。

さらにPDCAをまわさずに家を飛び出してしまい、肝心のちんぽが入らない可能性について考えずに行動してしまった。手術まで約2週間しかなく、今回はちんぽにかすりもしていない。

またひとり、挿入をしてもらえなかった。

計画なしに、成功はつかめない。こんなことが続くようではミッションをいつまでも果たせないままである。PDCAはもう、忘れないにしよう。

手術までの限られた時間までに必ずちんぽを迎え入れなくてはならない。そうじゃないと摘出の価値は半減だ。夢子は病気のために俺を卒業させざるを得なかった、とは絶対に思いたくなかった。俺の処置は自分の積極的な意思をもって選び取ったものなのだ、と今後の人生で胸を張れるようにしたい。子宮のあり・なしでの性感覚の違いを知り、伝えられる人になりたいのだ。入院までにまんことちんぽをジャストミートさせるよう、全力を尽くす!! 夢子は心にそんな決意が固まっていくのを感じた。

舐め犬さんがよいタイミングで笑顔になってくれたおかげで落ち着いたことを思い出し、今後、自分もスマイルを忘れないようにしようと考えつつ夢子はひとり、反省会をするのだった。

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