コンビニ+驚きのコラボも!「異業種一体型店舗」に挑むファミマ、その成否は?

コンビニ+驚きのコラボも!「異業種一体型店舗」に挑むファミマ、その成否は?

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2018/01/13
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コインランドリーやフィットネスジムを備えた店舗を拡大すると発表したファミマ。同社が展開してきた「異業種一体型店舗」の延長線上にある事業だが、コンビニ内からフィットネスクラブに入れるという斬新な店舗の成否やいかに?(ファミリーマート公式サイトより)

ドラッグストアに書店、道の駅、はたまたスポーツチームやゲーム、アニメ…今やコンビニの「異業種コラボ店舗」といえば珍しくなくなったが、そのなかでも他社とは毛色の違う一風変わった「一体型店舗」を生み出しているのがファミリーマート(以下、ファミマ)だ。

ファミマは近年、他業種・他業態とのコラボ店舗の展開を積極的に進めており、2018年からはコインランドリー、そしてなんとフィットネスジムなどとの一体型店舗を新規開発すると発表。コンビニと異業種との融合により、新たな消費者ニーズの発掘をすることで顧客の拡大を図る方針だ。

コンビニ内にフィットネスクラブが出来るとは驚きであるが、こうした異業種コラボには、うまくいったものもあればパッとしないまま終わったものがあるのもまた事実。“合わぬ蓋あれば合う蓋あり”な異業種コラボの現状から、新事業の成否の行方が見えてきた。

◆成功のはじまりは「中堅ドラッグストア」とのコラボだった

ファミマの異業種コラボにおける成功の走りとなったのは、2012年頃からはじまった中小ドラッグストアとの連携だ。

近年のドラッグストア業界では、インスタント食品や菓子などのEDLP(エブリデイロープライス)で集客して高単価な薬で稼ぐスタイルで西日本最大手となったコスモス薬品や、イオン傘下のもとでM&Aを重ねて売上高1位、2位にまで登りつめたウエルシア薬局、ツルハドラッグといった勢力が業界の覇権を握る展開になっており、これらの大手チェーンが郊外への大型店出店や都心への多店舗展開を推し進めている。

その一方で、小規模店の展開が中心となる中堅ドラッグストアは価格競争や品揃えで大手に歯が立たず、大手への吸収や規模の縮小を迫られるチェーンも少なくない。

そんな苦境の中堅ドラッグストアに「救いの手」を差し伸べたのはファミマだった。

ファミマは2012年5月に「ヒグチ薬局」(東大阪市)との一体型店舗を東京都千代田区に開業させて以降、全国各地で中堅ドラッグストアとの一体型店舗を続々と展開。中堅ドラッグストアの弱点となっていた食料品や日用品の販売をファミマが担い、さらに公共料金の支払いや印刷サービスといったコンビニ独自の機能を付加価値として提供している。

こうしてファミマという“虎の威”を借ることで、中堅ドラッグストアは大手各社への対抗の芽を見出したのだ。

また、中堅ドラッグストアに続いて調剤薬局もファミマとの一体型店舗の展開を開始。調剤の待ち時間をコンビニで潰せるとあって好評を得ている。

2017年現在はファミマに続いてローソンやセブンイレブンなどのコンビニ他社もこうした「ドラッグストア・薬局一体型店舗」の展開を開始しており、登場から僅か6年にして、早くも業界では「定番コラボ」となりつつある。

また、中堅ドラッグストアに続いて調剤薬局もファミマとの一体型店舗の展開を開始。調剤の待ち時間をコンビニで潰せるとあって好評を得ている。

2017年現在はファミマに続いてローソンやセブンイレブンなどのコンビニ他社もこうした「ドラッグストア・薬局一体型店舗」の展開を開始しており、登場から僅か6年にして、早くも業界では「定番コラボ」となりつつある。

◆スーパー、書店、CD店…裾野広げるファミマ+◯◯

ドラッグストアとの連携で「異業種一体型店舗」の運営ノウハウを得たファミマは、さらなる異業種コラボを積極的に進めた。なかでも近年出店数を伸ばしているのが、各地の書店やCD店との一体型店舗だ。

具体的に挙げると、ポイントカード事業でファミマと提携関係を結ぶ「TSUTAYA」(フランチャイズ店舗含む)やファミマと同じ西武セゾングループ発祥の「リブロ」をはじめ、ワンダーグー(茨城県つくば市)、西村書店(兵庫県加西市)、啓文社(広島県尾道市)などの地方チェーンがファミマ一体型店舗の展開を進めている。

本屋やCD店はいずれも出版不況により元気がなく、“逆境”を跳ね除けるため売場の一部を減らしてコンビニの集客力を借りるという「捨て身の覚悟」をおこなっているのだ。

こうした異分野とのコラボ店舗は、これまでコンビニのライバルであったミニスーパーとの“呉越同舟”も生んだ。

2017年12月現在、都市部におけるコンビニとミニスーパーとの一体型店舗はユニー・ファミマHD傘下の「ミニピアゴ」(横浜市)をはじめ、関東地場の「カスミ」(つくば市)、多摩エリア地場の「カネマン」(瑞穂町)、関西大手の「イズミヤ」(大阪市)、そして国境を超えて台湾の「天和鮮物」(台北市)など広がりを見せつつある。

通常はライバル関係にあるミニスーパーとコンビニだが、スーパーは生鮮・惣菜部門に、コンビニは加工食品や印刷・支払サービス、営業時間などにそれぞれ強みを持っており、その優位点は互いに異なる。そこで、ファミリーマートはファミマの売場をベースに、ライバルであるスーパーの力を借りてスーパーマーケットが得意とする生鮮食品や惣菜の売場を設けた一体型店舗の出店を提案。スーパーが存在しないものの土地の余裕が少ない駅前など、スーパー単独では規模が大きすぎコンビニ単独ではニーズに応えきれない「コンビニ以上スーパー未満」が求められる地域に展開することで、商圏の隙間を埋めている。

◆二兎を追う者は……不発に終わった「コラボ」も

順調に進められた異業種コラボがある一方で、壮大な出店目標が打ち出されながら「不発」に終わった一体型店舗もある。

2014年7月に和食店「まいどおおきに食堂」などを展開するフジオフードシステム(大阪市)との提携で豊島区東池袋に1号店を出した「まいどおおきに食堂」との一体型店舗は「都心のコンビニ内に和食店」という異色コラボで注目を集め、当初は「5年間で200店」という出店目標が掲げられたものの、面積敵制約もあって飲食店としての機能は中途半端なものに留まっており、2017年現在も2号店の出店には踏み切れていない。

ファミマとの異業種コラボの先駆け的存在であった大手家電量販店「ベスト電器」(福岡市)との共同出資会社(2006年設立)も思うような成果を出せず、都市部を中心に一部のベスト電器店内や店舗の駐車場に通常タイプのコンビニを出店したのみで会社は解散。2017年現在、同社とのコラボ店舗は姿を消している。

また、カラオケ大手の第一興商(東京都)が展開するカラオケ店「カラオケDAM」との一体型店舗は、2014年4月以降に大田区蒲田、松戸市に2店舗を構えたが、「3年間で30店」という目標には到底及ばなかった。

一見、ファミマとコラボ企業の「いいとこ取り」にも思える一体型店舗だが、都市部のテナントビルやもともとあったカラオケ店や家電量販店内といった限られたスペース内に異なる機能を同居させようとすれば、個々の売場は単独出店した場合よりも狭くなるうえバックヤードなどの制約も増加する。そうした面積的な障壁が品揃えやサービスの質を悪化させ、「二兎を追う者は一兎をも得ず」となってしまうなら、業種・業態によっては「一体型」よりも「単独出店」の方が賢明な選択肢となるのだ。

もちろんそれは2019年度末までに500店設置が目標のコインランドリー、5年をめどに300店展開を目指すフィットネスジムにも当てはまる理屈だ。

広い土地が確保できる郊外のみでの展開となるならまだしもフィットネスクラブとのコラボ店舗の1号店は東京都大田区で、店舗面積など様々な制約から理想的なサービスの提供が難しいと判断された場合は、目標数に届くことなく展開が打ち切られる可能性もある。

このように、都市部におけるファミマの異業種コラボ店舗は、「面積的な制約」や「店舗の使い勝手」が事業の成否と切っても切り離せない状態となっている。しかし、これとは逆に土地の広い地方の郊外地域では、今回紹介したものとは全く異なる目的を持った「異色のコラボ店舗」の展開も進みつつあるのだ。

※次回「異色のコラボ店舗」についての考察は近日公開予定。

<文/若杉優貴 佐藤 取材・撮影/淡川雄太 佐藤(都市商業研究所)>

都市商業研究所
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken

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