Huaweiのスマホ事業ナンバー2に訊くビジネスの現状と今後の展開 - Pシリーズに加えてMateシリーズでもライカの技術を投入

Huaweiのスマホ事業ナンバー2に訊くビジネスの現状と今後の展開 - Pシリーズに加えてMateシリーズでもライカの技術を投入

  • マイナビニュース
  • 更新日:2016/10/18

●品質が高くクリエイティブなスマートフォンを作っていく

Huaweiのスマートフォン担当部門のナンバー2であるLi Changzhu氏が、中国・深センにある同社本社でインタビューに応じ、スマートフォンビジネスの現状や今後の製品について語った。

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HuaweiのVice President Handset business CBGであるLi Changzhu氏

Huaweiは、スマートフォンで拡大を続けている。中国でのシェアは20%程度で1位を確保。日本でもSIMフリー市場で4カ月連続で1位を獲得しており、グローバルでも14%のシェアは第3位に位置する。しかし、Changzhu氏は、「色々な国でシェアが低いのが現状」と吐露。逆に言えばシェア拡大の余地が大きいという認識で、これから伸ばせていけると自信を見せた。

ここ10年の技術の進歩によって、スマートフォンは生活の中で大きな役割を果たす、中心的な存在になった、とChangzhu氏。「スマートフォンはなんでもできるようになり、総合的なハブになっている」と指摘した。Huaweiのスマートフォン開発では、「競争力を必ず維持する」ことが命題で、そのためにまずは高い品質を確保することが「一番重要」だという。

カメラなどの既存技術もイノベーションによって高機能化し、新しい技術も投入することで、他社に対する競争力を確保することを目指している。こうした「技術」が基本にあり、そのためにグローバルのリソースを統合して、研究開発を推進するとのことだ。売上の10%以上が研究開発投資のベースにあり、イノベーションを継続することが求められているそうだ。「品質が高く、その上でクリエイティブなスマートフォンを作る」という2点について注力しているとChangzhu氏は語る。

もともと、Changzhu氏はワイヤレス通信システムを担当していたという。デバイス部門に異動して6年が経ったが、当初はワイヤレス通信システムが難しい分野だと考えていたものの、現在は「端末部門の方がはるかに難しい」と感じているそうだ。ネットワーク技術の発展にともない、端末に必要な要素技術が何十個とあり、そのすべての技術を小さなスマートフォンに統合することが「非常に難しい」とChangzhu氏。

その中で、ディスプレイ、カメラ、SoC、バッテリー、本体構造、外観、材質といった点を特に消費者にとって重要なポイントとして挙げるChangzhu氏。「Huawei自身がすべてをやるのは不可能」であり、自社でできないことはパートナーと共同開発を行うことで対応する、と。SoCは子会社のハイシリコンが研究開発を続けており、そうした製品も利用することで、高品質でイノベーティブな製品を実現していく考えだ。

ただし、Changzhu氏は「ユーザー体験が悪ければ意味がない」とも言う。どれだけ優れた技術でも、ユーザー体験が悪ければ役に立たないと一刀両断。「技術ではなく、ユーザー体験に注目することが重要」だと強調した。

Changzhu氏によれば、ユーザーがスマートフォンで重視する項目は、外観・手触り、バッテリー持続時間、カメラ機能、速度を含む通信周りの機能、音質などのオーディオ機能の5点だという。この5点を考慮して、リソースを優先的に配分して開発を行う方針だ。

こうした中で、iPhoneやGalaxyが耐水/防水性能を搭載してきており、グローバルでのニーズが高まっていることをうかがわせる。Huawei自身は、「Ascend D2」で過去に防水対応を実現したことがあり、「防水の技術は持っている」(Changzhu氏)。ただ、国によって消費者のニーズが異なる点、本体の構造、サイズ、コストといった面で防水端末がなくなった、と明かす。とはいえ、2大巨頭の耐水/防水対応によって、「これからはハイエンドモデル、特にフラッグシップモデルには防水を導入したいと考えている」とChangzhu氏は漏らした。

HUAWEI P9を始め、急激に画質が向上した同社のカメラだが、Changzhu氏は「これからまだ発展できる領域」という見解を示す。2014年に2つのカメラを搭載したモデルを投入。今年に入って初めてフラッグシップのHUAWEI P9にデュアルカメラを採用した。iPhoneも今回の新モデルでデュアルカメラを装備して追随してきたが、P9では同じ画角のレンズを採用し、一方はカラーセンサー、もう一方はモノクロセンサーを使うことで画質を向上させることを狙っている。2つのレンズを使うことで距離測定を行って絞りをシミュレートするなどの特殊効果も可能になるほか、モノクロセンサーによってモノクロ写真が撮影できる点もポイントだろう。

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HUAWEI P9について質問に答えるChangzhu氏

Changzhu氏は、「デュアルレンズは重要な機能として継続していきたい」とコメント。2つのカメラがあることで、3Dスキャニングとモデリングも可能になるとして、今後VR/ARの分野にも活用できるという思惑を覗かせた。

さらにHUAWEI P9では、ドイツの名門カメラメーカー・ライカとの協業を実現。モバイル向けレンズで初めてライカ銘の「SUMMARIT H 1:2.2/27 ASPH」が搭載された。パナソニックもデジタルカメラ向けにライカ認定のレンズを開発しているが、この認定は非常に厳しいことで知られており、一定の品質を確保することが求められる。Changzhu氏はこのライカレンズの開発の苦労も述懐する。

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深センのHuawei直営店で販売されていたブルーカラーのHUAWEI P9。日本未発売のカラー

小さいスマートフォン向けレンズでライカの基準を満たしながら、しかも量産もできなくてはならないのが課題で、「1,000個のレンズを作って2個しか使えないなら意味がない」とChangzhu氏は語気を強めた。モジュールメーカー、Huawei、ライカが協力して、一定の画質を実現しながら量産もできるレンズが設計できるようになったという。その画質は、「光学性能が優れており、繊細な色再現性能を備え、豊かな階調表現が可能。ライカならではの色も表現でき、色も飽和しにくい。緑はやや翡翠色に寄っていて、赤も深くて穏やかな赤になる」とChangzhu氏はレンズ性能を自賛する。

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同じく未発売のピンクカラーと合わせて、電源ボタンにライカのレッドカラーが加えられているのも違い

もう1つの協業の重要な点がレンズ以外の画質だ。ライカの品質評価の基準には色、周辺・中央の解像度、コントラスト、そして「ライカのスタイルがあるかどうか」などといった項目があるという。ライカの技術者とともに主観的評価、客観的評価の双方から画質評価を行い、画質を改善してきたという。「ライカの技術者はほとんどがカメラマンでもあり、優れた写真の技術を持っている人ばかりだった」とChangzhu氏。こうした技術者たちとの長時間の開発の結果、最終的にライカロゴを利用することが許可されたのだという。

ライカには、モノクロセンサーを搭載した「ライカMモノクローム」があるが、HUAWEI P9も同様にモノクロセンサーを搭載しており、これも重要な点だとChangzhu氏は鼻息を荒くする。このモノクロセンサーによって「階調豊かなモノクロ写真が撮れる」ことに加え、ライカとの協業によって「素晴らしいモノクロ写真が撮れるレンズを開発した」と胸を張った。

同じようにデュアルカメラを搭載したHonor 8は、発売タイミング的にはHUAWEI P9と同時期だが、最上位のHUAWEI P9に比べると「低い位置づけの製品」だという。デュアルカメラでは、「画像処理のアルゴリズムがライカのものではなく、"Huaweiスタイル"で、明るく透明感があるような処理をしている」そうだ。

同社のハイエンドモデルは、PシリーズとMateシリーズの2製品で、ライカとは長期的かつ広範な協業を結んだそうで、「ライカカメラをPシリーズとMateシリーズに搭載する」とChangzhu氏はコメント。Pシリーズに加えて、Mateシリーズでもライカの技術を投入することを明らかにした。

SamsungのGalaxy Note 7におけるバッテリー問題について問うと、Changzhu氏は、「品質保証、製品の安全確保のために多くのリソースを投入している。安全性を含む製品の品質は、コアの競争力の1つだと思っている」と返答してくれた。

Changzhu氏は「良い製品、良いサービス、パートナーとの良い関係、良いユーザー体験の提供などをしていけば、自然に市場シェアが拡大していくと思っている」と所感を述べた。ライバルから学んでいく必要もあるとしつつ、「競争相手は自分自身」と自省し、ハイエンドでもエントリーでも、スマートフォンで最高のユーザー体験を提供することが重要だと言明した。

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