重圧を力に...ルーキー左腕・浜口の“熱情”

重圧を力に...ルーキー左腕・浜口の“熱情”

  • ベースボールキング
  • 更新日:2017/09/16
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ここまで9勝を挙げているDeNAのドラ1左腕・浜口遥大

◆ 背水の陣

9月15日現在、ベイスターズはCS圏外に追いやられている。残り13試合で、3位のジャイアンツとは1ゲーム差。今シーズン最後となる16日、17日の直接対決2連戦(東京ドーム)は、逆転でのCS出場を果たすために極めて重い意味をもつ。

17日の先発登板が予想されるのは、ドラフト1位ルーキーの浜口遥大だ。カード初戦が白星であれ黒星であれ、何としても勝っておきたい大一番。ここまで9勝(5敗)の左腕の出来がチームの命運を左右すると言っても過言ではないだろう。

◆ 手応えと課題と

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浜口のプロ1年目は波乱万丈のシーズンだ。

開幕ローテに入って4月のうちに2勝を挙げたが、5月はプロの洗礼を浴びた。交流戦で3連勝と復活を遂げるも、7月13日に左肩機能不全のために登録抹消。ちょうど1カ月後の8月13日、一軍の舞台へ帰ってきた。

復帰後のコンディションについて、浜口は言う。

「勝ったり負けたりというのが続いてますけど、正直なところ、試合が始まった時点で『今日はいけるぞ』と思えたことはないですね」

後半戦は5試合に登板して3勝1敗。初回に失点を重ねる試合もあれば、しっかりとゲームメイクする試合もあり、たしかに調子の良し悪しがはっきりと結果に表れている。

象徴的なのは、直近の2試合だろう。

まずは9月3日のジャイアンツ戦。カード1戦目、2戦目と連敗を喫していたベイスターズは、この試合に敗れれば4位転落の危機に立たされていた。

ここで浜口は今シーズン最高の内容と言ってもいい好投を見せる。8回を投げて被安打2、課題の四球も3つに抑えて無失点のままマウンドを降りた。するとその裏、柴田竜拓の犠牲フライで1点を勝ち越し、濵口は9勝目を手に入れたのだ。

「チームにとって大事な試合だということは意識していましたし、過去2度の対戦でジャイアンツにひどい負け方をしていたので個人的にも気合いが入っていました。相手のマイコラス投手もいい投球をしていて、絶対に先に点はやれないという気持ちで投げているうちにゾーンに入っていった。3回、4回と進んでいく頃には、もう打たれる気がしませんでした」

ところが次戦、同10日のタイガース戦では初回に先制される苦しい立ち上がり。4回まですべてのイニングで失点を重ね、結局5回途中5失点でリードを許したまま降板した。

「やっぱり立ち上がりですね。初回、先頭打者(糸井)と3番(福留)に打たれてきれいに1点取られたところで焦ってしまった。2回に味方に勝ち越してもらったのに、ピッチャー(メンドーサ)に打たれて打点をあげさせてしまったり……。しっかり投げていれば絶対に勝てる試合だったと思うので、本当にもったいなかった」

◆ 諸刃の剣

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ゾーンに入っていたというジャイアンツ戦の浜口は、その表情にギラギラした熱情がにじみ出ていた。一方のタイガース戦では、気持ちの整理がついていない胸中が顔に表れていた。

浜口自身、そうした精神状態の不安定さを自覚している。

「一度は映像を見返すようにしていますけど、(タイガース戦は)不安そうに投げてるなと、自分で見ていて感じました。5月に勝てなかった時もそうでした。自信なさげな時が多いので、そこをなくしていきたいという思いはあります」

気持ちでガンガン押していける時と、不安に苛まれて腕が振れなくなる時。まるで2人の浜口遥大がいるのではないかとさえ感じることもあるが、両極端な姿が表出する源は、実は1つ。

それは浜口の心の根っこにある“負けず嫌い”の性格だ。

絶対に勝ってやる。マウンドに持ち込む熱い魂は、順調にアウトを重ねられる時ほど強く燃えさかるが、いきなりピンチに立たされた時には行き場を失い、空回りしてしまう。時にトップアスリートが口にする「心は熱く、頭は冷静に」という心理状態をつくることができず、「心も頭も熱い」状態になってしまう。

◆ 頼れるルーキー

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浜口は根本に“負けず嫌い”の性格があることについて「本当にその通りだと思います」と認めたうえで、こう自己分析する。

「いい時と悪い時の差が出てしまうタイプなんです。大学の時もそうでしたけど、なかなか安定できないというか。大崩れしない、何とか粘る、ということができない。そこは課題ですね」

ただベイスターズファンにとって頼もしいのは、大一番になればなるほど、いい方の浜口が出てくるという本人談だ。

「大学時代、優勝のかかった試合や全国大会で投げることが度々あった。そういう試合では結構勝てたんです。プレッシャーが重荷になって腕が振れなくなるわけでもなく、いい緊張感で投げられるというか。(好投した)ジャイアンツ戦でも、心のバランスがとれていたなと感じます。だから嫌いじゃないです。そういう試合が好きなのかなと思い込んでます」

昨シーズンはテレビ画面の向こうにあったCSを何としても経験したい、と浜口は言う。自身2ケタ勝利を目前にし、その先に新人王の称号も見据えてはいるものの、いまは何よりチームに勝利をもたらすことが最重要ミッションだ。

「投げるとしても残り2試合か3試合。全部勝つつもりで出し切るしかない。調子が悪いからダメでした、というのは『だから何?』って感じじゃないですか。とにかく粘り強く投げたいなと思います」

9月、4勝8敗と苦戦が続くチームを救うことはできるのか――。ドラフト1位の評価を得た22歳の爆発力に期待したい。

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