「生活力ゼロだが稼ぎのある女」と結婚し扶養に入った"主夫芸人"

「生活力ゼロだが稼ぎのある女」と結婚し扶養に入った"主夫芸人"

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2017/12/07
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専業主“婦”が減る一方、急速に増加している専業主”夫”たち。厚生労働省の調査によると、妻の扶養に入っている男性の数はこの10年でじりじりと数を増やし、2013年には11万人に。

働き方が多様化する中、男姓よりも稼げる女性が登場したとみるべきか、家事・育児に専心することに抵抗を持たない男姓が増えたとみるべきか──。主夫芸人・中村シュフさんに”専業主夫”家庭の実態を伺った。

僕が”シュフ”になった理由

主夫業の傍ら、扶養控除内で芸人活動を行う主夫芸人・中村シュフさん。結成半年足らずのコンビで「M-1グランプリ」準決勝に進出、という輝かしい経歴を持つ。その後、コンビは上昇気流に乗ることができず数年で解散、しばらくピンで活動した後、結婚して主夫となったという。

高校における家庭科が男女必修となった最初の世代であり、家庭科教師を目指すべく家政科のある大学に進学。「家政」には昔から縁のあるシュフさんだが、女性に「家庭に入ってくれ」と言われることに抵抗はなかったのだろうか。

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「もともとお付き合いしているときから、ほぼ全ての家事を僕がしていたので、違和感は全然ありませんでした」

モットーは、基本的に「苦労(面白いこと)は買ってでもしろ」。そんなシュフさんだからこそ、彼女のプロポーズをすんなり受け入れることができたのかもしれない。

そして、若手時代からかわいがってもらっているマキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんらのアドバイスもあり、”パート”として主夫芸人を始めることになった。最近では、主夫芸人としての仕事も増えてきているというシュフさん。目下の悩みは、「”主夫”としてのアイデンティティ」について。専業・兼業の線引きについては諸説あるが、目安になるのは「所得税・扶養控除の壁」。

「パートタイマーで、配偶者控除の範囲内でというのが重要なんです。だから、来年はちょっとこっち(芸人)の活動を自粛しようかなと。”主夫芸人”と名乗ってはいるんですが、芸人が本業になってしまうとアイデンティティが崩壊してしまう。”兼業主夫芸人”というのでは、ちょっとヒキが甘い(笑)」

生活力のなさに定評のある妻

そこで気になるのが、シュフさんに大きな決断をさせた妻の人物像だ。争いを好まないシュフさんには、もともと「一緒にいてラクな人」を選んで付き合いながらも、どれも長続きしなかったという過去がある。そんな経験を経て、「次に付き合うときは自分と(性格が)真逆の人を」と決めた。そんな時に出会ったのが現在の妻なのだという。

「『この人合わないな』って思ったときに、それをマイナス要因にしない、楽しんでいく、と決めてから出会ったんですけど、だいぶ強敵でしたね(笑)。僕は正反対であるという部分に魅力を感じていますけど。彼女にとっては、『生きる力がある』ということと『ユーモアがある』というのが決定打になったみたいです」

何か問題が起きても、どう面白く乗り越えるか、そのアプローチを考えることができる「生きる力」を持つシュフさん。そして、シュフさんが壁にぶつかったときに「これ、横から見たらベニヤ(板)じゃん。壁じゃなくて薄いぜ」と、あっさり新しい視点を提示してくれる妻。夫婦で問題に当たらなければならなくなったときも、この二人だからこそ突破力が発揮できるのだという。

「趣味が同じだったり性格が似ていたりすればもっと穏やかなんでしょうけど、(合わないから)けんかしかしないです。でも、芸人でいう”コンビ”として考えると、凸凹コンビの方が面白いじゃないですか」

几帳面で平和を愛するシュフさんに対し、破天荒でマイペース、家事能力ゼロの妻。そんな妻を母親も心配していたのだろうか、妻が就職して一人暮らしを始める際も、「中村さんが近くにいてくれるなら、防犯の面でも家事の面でも安心ね」と中村さん頼みだったという。

「僕がいるならご飯を食べずに仕事に行くとか、遅刻・寝坊もなさそうって。お義母さん自身も娘の独創的なスタイルに心配を持っていたみたいで」。

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一人暮らしを始めてからは、家事はずっとシュフさん任せ。子どもが生まれる前は「私が優しさを担当するから、あなたが怒る担当をして」といっておきながら、生まれてすぐに「(優しさ担当は)無理だわ」と投げ出した。

「子どもたちの前では本当に”昭和のガンコ親父”みたいなんですけど、ツンデレなところもあって(笑)。『私じゃ(主婦は)無理だわー』ってしみじみ」

妻も”シュフ”としてのシュフさんの働きには感謝しているそうで、二人きりの時はちゃんとねぎらいの言葉をかけてくれるのだそう。シュフさんはそんな妻との未来に思いをはせる。

「彼女としては『今まで10割私にエネルギー割いてくれていたのに、なぜ2割なの』といういらだちがあるんですよね。子どもは世話しないと死んじゃうから、今は7~8割は子どもなんですけど、相変わらず10割を求めてくる。娘には早く結婚してほしいです。早く(面倒を見る相手が)妻だけになってほしい」

シュフさんの妻に対する深い愛情が覗く一言だった。

全てが妻を中心に回ってる

そんな妻の印象深いエピソードを紹介してもらった。

「ちょっとね、不思議な人なんです。まず、家族写真がほとんどない。子どもがふざけて撮ろうとしてもダメ。ガチ怒りです」

とはいえ、写真嫌いの人というのは一定数いるもの。ただ、シュフさんの妻はその理由が普通ではない。

「普通、切手って舐めて貼りますよね? 妻は必ずノリを使うんですよ。『唾液からDNAを採取されたらマズい』って理由らしいんですけど……とにかく個人情報の管理に敏感で。僕、スパイだと思ってます、いつか消えちゃうんじゃないかって」

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取材でシュフさんが妻のことを語るのはいいが、実際に登場するのは絶対にNG。そして、スパイには、趣味もない。友人もいない。

「唯一情報を開示する仲間が妹なんです。その他の人脈はほとんど見たことがないですね。もともと妹は実家にいたんですが僕たちの結婚に合わせて近所に引っ越させたんです。さらに、僕の友達の、すごく子ども好きなやつとくっつけようとしてるんです。『義理の弟になるのはあの人がいい』って」

全てが自分を中心に回っているという「主人公感」。それがシュフさんの妻に関する1つのキーワード。妹さんの人生も自分軸でプロデュースしようとしているのだという。むちゃくちゃな願望ながら、着々と実現に向けてお膳立てを進めている。

「むちゃくちゃなんですけど、そうやって引っ張ってくれてるので助かっているんです。たぶん彼女がいなければ、僕はまだ結婚していなかっただろうし。リーダーとして物事を“推し進める”力は僕にはないので、見切り発車含めて、彼女がいてくれるからこそ新しい世界を見れるという感じ」

妻の無茶振りを楽しめないとやっていけないと言いつつ、もともとそういうことを面白がれる気質を持っていたシュフさん。一般的な「理想の夫婦」像とはかけ離れてはいるが、お互いの足りないところを補い合い、新しい地平を切り開いていくという意味で、「理想の夫婦」の一つの姿なのかもしれない。

〈取材・文/富澤比奈〉

中村シュフ(なかむら・しゅふ)主夫芸人・家政アドバイザー。1979年生まれ。大学で家政学を学び、家庭科教員免許を取得。現在は主夫業をメインに、主夫芸人、家政アドバイザーとして活動中。著書に『主夫になってはじめてわかった主婦のこと』(猿江商會刊)。公式ブログ 「日刊 主夫の友

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世の中には「100%シュフの人」もいなければ、逆に、「100%シュフじゃない人」もいないんです。イクメン家事メンが当たり前の時代を生きる全夫婦必読。

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