「仮面ライダーアマゾンズ」主演の藤田富が受験生にメッセージ――やりたいこと、好きなことって、どんどん変わっていい

「仮面ライダーアマゾンズ」主演の藤田富が受験生にメッセージ――やりたいこと、好きなことって、どんどん変わっていい

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  • 更新日:2018/02/16
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「最初に仮面ライダーアマゾンズの主役に決まったとき、うれしくて母に電話したら『だから何?』って(笑)。いや、今では親子仲良くなってますけど」(撮影・植田真紗美)

「人生って、どうなるかわからないものですよね」

2012年に東京医科歯科大学歯学部に入学した(いまは休学中)。物心ついたころから「医師になる」という目標を掲げて受験勉強に励んできた。

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「完全に親の影響です。僕に医者になってほしかったみたいで、幼いころから『お医者さんってかっこいいよね』と言われ、医療関連のテレビ番組なんかもよく見せられていました。特に疑問も抱かず、僕は医学部に入って医者になるんだと思っていました」

といっても、両親が医師だったわけではない。

「父は会社員で、母は専業主婦。ただ、母はかつて米国の大学にいて、英語がペラペラなんです。『富』と書いて『トム』と読む名前にも、海外で通用するようにという意味が込められています」

お医者さんになる――そう決意した藤田少年は大阪から東京に転居後、中学受験に臨む。東京学芸大付属世田谷、駒場東邦、巣鴨などの難関校に挑んだ。

「出身者に医師が多い駒場東邦が第一志望でしたが、落ちちゃいました。結局、自宅から自転車で通える中高一貫校・国学院久我山に進学し、『この学校でトップ5を維持してやろう』と考えました。過去の進学実績を見たら、5位以内に入っていれば、いい大学に行けそうだったので」

とはいえ、国学院久我山も有数の進学校。トップ5の維持は簡単ではない。

「じつは僕、中学までは太ってたんです。それが高校でテニス部に入ってから痩せてきたんですね。で、色気づいちゃって、そのせいで成績も下がっちゃって(笑)。東京医科歯科大の医学部をめざしていたのですが、現役のときはセンター試験の結果がいまひとつだったので、福島県立医科大学を受験しました」

結果は不合格。私立の杏林大学医学部には受かった。

「でも、私学の学費は高くて。両親の間では大阪の家を売って学費を捻出しようという話まで出たので、『ちょっと待って。来年、国公立を受けるから』って」

予備校での浪人生活に入った。

「医学部入試では、学校で教わらない問題も多いんです。現役のときは塾に行かず、医学部受験用の参考書の演習をひたすらやっていました。予備校で学ぶと、独学では穴だらけだったことが分かりました。1年間で、その穴がどんどん埋まっていく実感がありました」

もともと理系科目が得意で文系が苦手。医学部だと、センター試験の文系科目でも高得点が求められる。国語や社会は「箸休め的」に勉強したという。

「休憩というと変かもしれませんが、『数学やって頭が疲れたから、いったん社会に飛ぼう』みたいな感覚で。センター試験対策では、ひたすら過去問を解いていました。暗記は得意なほうなんです。僕、数学も暗記だと思うんです。単語や年号の暗記ではなく、考え方・解き方の暗記ですね」

そうして臨んだセンター試験で9割の得点を確保。前期日程で横浜市立大医学部への挑戦を決めた。後期日程で、かねて志望していた東京医科歯科大医学部を受けるかどうかで迷った。2浪は避けたいと考え、医学部でなく、歯学部を選んだ。その結果、横浜市大は不合格、東京医科歯科大は合格だった。

「正直、手放しで『うれしい!』とは言えませんでした。ずっと医学部をめざしてきたのにという思いがあって……。それが、芸能への道を選ぶことにもつながっている気がします」

浪人時代、「バイト感覚」で美容サロンのモデルをし、雑誌にも掲載されていた。入学後も続け、徐々に顔も売れてきたが、あくまでも歯科医をめざしていた。ところが、ある“事件”が起きる。

「駅の改札付近で、人が倒れているのを見かけたんです。『助けにいかなきゃ』と気がせく一方で、『でも俺、歯学部生じゃん』と考え、一瞬、駆け寄ることを躊躇してしまいました。このとき、目標だった医学部を選ばなかった事実にコンプレックスを持っていたことに気がついたんです」

自分の進むべき道について思い悩んでいた大学2年の終わりごろ、東京・赤坂でファッションイベントに出演した。おおぜいのファンから声援を浴びた。

「応援してくれる人がこんなにいるんだって……。このとき、『俺は芸能やろう!』と決意しました」

その思いを両親に告げると、大反対された。「今まで何のために勉強してきたんだ」「もう大学に戻れなくなるよ」――。

「僕は、やりたいからやるという、それだけでした。親にはしんどい思いをさせたかもしれません」

その後、芸能事務所に所属し、大学を休学。一人暮らしを始め、舞台や映画など演技の仕事をスタートさせる。半年に6本の舞台に出演するなどの経験を重ね、15年末、「仮面ライダーアマゾンズ」の主役・水澤悠役に抜擢された。テレビ番組「仮面ライダーアマゾン」(1974年)のリブート作品だ。

「現場に入ったら、でかいカメラが何台もあって、スタッフが何十人もいる。『よーい、スタート!』の声で、すべてが僕に集中してくれる。なんて気持ちいいんだろうと思いました」

「仮面ライダーアマゾンズ」は、Amazonが運営するAmazonプライム・ビデオで、16年と17年に独占配信された。その2作が好評だったため、劇場版『仮面ライダーアマゾンズ 完結編』が制作され、今春公開される。

「本当に楽しくて仕方ないんですよ。役者でメシが食えるなんて最高だなって」

常に疑問を感じながら選んできた進路。ようやく見つけた自分の道。

「今、迷いはまったくないです。ぶっちゃけ、大学には戻らないかもしれない。医者や歯医者って、大学の6年と研修期間を合わせて約10年、その道一本で努力した人たち。僕はすごく尊敬しています。でも、好きなこと、やりたいことって、どんどん変わってもいいんじゃないでしょうか。大学の選び方も、そこに入ることがゴールではない。今の自分が受験生だったら、歯学部とは別の選択をするかもしれない。自分を見つめ、幸せと思える選択を続けるのが人生かもしれません」

(週刊朝日・太田サトル)

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