米大企業はもはや高給にあらず、縮まる賃金格差

米大企業はもはや高給にあらず、縮まる賃金格差

  • WSJ日本版
  • 更新日:2018/01/12
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米国で企業規模による賃金格差がこの数十年間に急速に縮小していることが新たな調査報告書で明らかになった。特に低賃金労働者でその傾向が顕著だ。

エコノミストらは、20世紀には大企業と中小企業の賃金格差は大幅だったと指摘。1980年代初めには従業員1万人以上の会社の賃金は、100人未満の会社に比べ50%近く高かった。

しかしスタンフォード大学のニコラス・ブルーム教授(経済学)らが1970年代終盤から2013年までの連邦所得データを分析したところ、賃金格差は近年になって大幅に縮小し、わずか20%になっていることが分かった。この調査結果は6日にフィラデルフィアで開催されたアメリカ経済学会(AEA)の年次大会で公表された。

「企業規模による大幅な賃金格差は100年間ずっと続いていたが、この3、40年の間になくなってきたようだ」とブルーム教授は述べる。

従業員100人未満の企業から1万人超の企業へ転職した際の昇給率の変化

同教授によれば、とりわけ低賃金労働者や大卒未満の従業員の間の賃金格差はほぼ消滅した。2013年には賃金が下位50%の労働者については企業規模による格差はほぼなくなったが、その一方で大卒の従業員の間では依然として格差が残っている。

「格差縮小はほとんどの場合、大企業が同じような経歴の従業員に対する賃金を切り下げていることで起きている」とブルーム教授は指摘し、こう続けた。「大企業の従業員の質が低下しているからではなく、単にボーナスが相対的に減額されているからのようだ」

同教授によれば、賃金格差が縮小しているのには、いくつかの理由がありそうだ。まず、大企業では低賃金労働はアウトソーシングが進んでおり、直接雇用した同じ職種の従業員の賃金は引き下げやすいことがある。また労組の組織率が低いことも、多少は影響しているという。従業員の労組加入比率の低迷は、すでに1980年代には民間部門で顕著になっていた。

最後に、物言う株主などの圧力で、経営陣が営業費用の削減を強いられていることもある。「資本主義の喜ばしくない副作用かもしれないが、労働者の賃金は相対的に低下している。それが、株価を最大限高めることになるのだ」とブルーム教授は指摘する。

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