年収は2万円でも株で「億り人」。元お笑い芸人・井村さんに聞いた資産1億円の道

年収は2万円でも株で「億り人」。元お笑い芸人・井村さんに聞いた資産1億円の道

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  • 更新日:2017/10/13

「芸人年収は2万円で、しかも源泉徴収で2000円引かれる感じです。月収じゃなくて年収の話ですよ」

井村俊哉さんは今年6月まで芸能プロダクション「人力舎」に所属するトリオ芸人「シンブン」として活動していました。冒頭の言葉にあるように、お金に苦しい芸人生活を送っていた一方、株で資産1億円を超える「億り人」を達成した「株芸人」でもあります。

現在は芸人を引退し、セカンドキャリアを模索している井村さんに、1億円を達成するまでの苦労や今の心境を伺ってみました。

◆井村俊哉さんプロフィール
生年月日 : 1984年9月10日生まれ
血液型 : O型
出身地 : 茨城県
学歴 : 群馬大学卒
サイズ : T173cm/B91cm/W80cm/H90cm/S27cm
趣味 : 決算書を読む、株主優待の「タダ取り」、節約
特技 : 株式投資。株歴は2005年~。2011年100万円から6年で資産100倍を達成。1カ月の過去最高利益は1687万円(2016年1月)、最高損失1024万円(2016年2月)
資格:中小企業診断士
所属:中小企業診断士協会、エンゼル投資研究会

■お金への関心が強かった子供時代

ーー本日はよろしくお願いします。まず井村さんのご経歴からお伺いさせてください。子供時代はどんなお子さんだったのでしょう。

子供時代からお金への関心は強くて、お年玉もらったら使わないで貯金する。口座の数字が増えるのを眺めるのが好きな子供でした(笑)。

お正月になると裏面が買取価格一覧になっている中古ゲームショップのチラシが入るのですが、そのチラシを注意深く見ていると、A店の特売ソフトを買ってB店で中古買取に出すと、数百円儲かることに気がついたんですね。

それから、リストを自作して、価格差のあるソフトをチェックするようになりました。まだ「せどり」なんて言葉が一般的になる前の話です。

ーーお笑い芸人を目指したキッカケは?

父親は堅い職業の人で、バラエティ番組も、ほとんど見させてもらえないような家庭でした。

ところが国公立大学に合格後、一人暮らしを始めて、そこではじめて自由にTV番組を見られる環境を手に入れることになりまして。そうしたら、とにかくTVが楽しくて。特に好きだったのがNHKの『爆笑オンエアバトル』でした。ネタを披露して、多くのお客さんを笑わせている芸人さんの姿に強烈に憧れました。

あとは、子供の頃ゲームをやっていると、よく父親からこう小言を言われてました。「他人が創ったもので楽しんで満足するな」と。

それならば、自分が芸人になって楽しませる側にまわればいいと考えて、人力舎の養成所に入所することにしました。

■「芸人 生活」でネット検索、株をスタート

ーー株式投資を始めたのは2005年ということですね。

大学生の頃でした。芸人を志望するにあたり、一番気になったのが生活のこと、主にお金のことで、ネットで「芸人 生活」みたいなキーワードでググってみたんです。そこでヒットしたサイトのQ&Aで、

Q.芸人の人は、生活費をどうしてるの?

A.芸人は急なオーディション、仕事が入るので、普通のバイトは出来ません。そのため、芸人のなかには株やFXを副業にしている人もいます(証券会社へのリンク)。

みたいな記事を読んで妙に納得して、「よし、それなら株だな!」と思ったんです。

今思うと、これって口座開設を目的としたアフィリエイトサイトだったのかもしれませんが、当時はそんなこと、全く気にもせずサイトのリンクから芸人さんに近づけるなら! と、証券口座を開設した感じです。

お年玉や、せどり、バイトで貯めた100万円が軍資金でした。

ーー株式トレードはどのようなスタイルで始めたのでしょうか。

最初に触った銘柄は、どこかの地銀だったように思います。なぜその銘柄を選んだかというと、一単元が100万円くらいで買えたので自分の資金サイズにピッタリだと思ったのと、1日の値動きを見ていると、毎日5円くらい上下していたからです。

それを見て「値動きを1円取れれば、1日1万円儲かるから十分じゃね?」と単純に考えて、一番最初にやったトレードは「デイトレードの1円抜き」でした。多少取れたけど、あまり上手くいきませんでしたね。

リバウンド狙いのナンピン(株などを購入した後、価格が下がったところでさらに買い増す投資手法)で大失敗したこともあります。「OHT」というメーカーの株が大暴落していて、「これはリバウンドするはず」と思って買ったんですけど、結局、上場廃止に……。

この失敗でコツコツ増やした自己資金の半分を失ってしまい、その後しばらくは、株の成績はパッとしない状態が続きます。

■結成3年でキングオブコント準決勝進出の快挙も

ーー芸人活動ではどのような感じでしたか。

2011年のことなんですけど、芸歴3年目でキングオブコントの準決勝に進出することができました。

それまで、どちらかと言うと同期のなかでも僕らは落ちこぼれみたいな自覚もあったので、「もし、これで1回戦敗退だったら引退しよう」くらいの決意で臨みました。

事務所の先輩芸人さんですら敗れていくなかで、準決勝まで勝ち残れたことは、運も味方した結果だとは思いますが非常に嬉しかったですね。

その後、キングオブコント効果でしばらくはライブや営業の仕事が入ったりしましたが、それも3、4ヶ月したら、パッタリなくりました。バブル崩壊は早かったですね。完全にミニバブルでした。

そんな感じで、キングオブコント準決勝進出の勲章はすっかり色褪せてしまいました。

■1億円達成に最も貢献した銘柄

ーー株で資産1億円を達成したのは今年(2017年の春)だと伺っています。達成に最も貢献した銘柄は何だったのでしょうか。

2011年に買った、インフォマート <2492> で、後に株価10倍となる、「10バガー」を達成しています。

同社の株に注目したのは、ビジネスモデルが良く、配当が良くてPERが低かったからです。総会にも出席して社長の発言に注目すると、自信のほどが伝わってきました。

さらに調べると、システムの減価償却が終わることで、同社の利益が2倍になるのが、ほぼ確実であることがわかりました。そこで株を購入したところ、読み通り株価は上昇して株資産が一気に数千万円まで膨らみました。

ちょうど、その頃にアベノミクスがはじまり、デイトレードでも1000万円くらい稼げたので、その年の年間パフォーマンスはプラス580%となりました。

この経験で優良銘柄に集中的に投資して、その傍らで、デイトレードなど儲かるなら何でもやるという投資スタイルが強固になりました。

デイトレードで触る銘柄は、ボラティリティと前日の出来高で決めていました。前日ストップ高した、テーマ株とかが対象です。そんな感じで激しく売買していたら、証券会社からのレポートで、年間売買代金が120億円を超えていました。

ーー逆に、失敗談や印象深いトレードはありますか。

印象深い、というか九死に一生を得たのが、オリンパス <7733> でのトレードでした。

2011年ごろ、オリンパスの粉飾決算問題で同社の株価は乱高下していました。僕は大きく値を下げたところで、リバウンド狙いで買ったところ、さらに株価が下がりました。それでも我慢して、大底圏で信用買いでナンピン、買い増しました。幸い、株価も持ち直してきて、プラス圏に浮上しました。

ところが、僕は「引成(ひけなり)注文」(※その日の終値に対して成行注文を出す方法。株価が激しく動いていると、注文は無効となる)を出したのですが、引け前に突如暴落して持ち越しになってしまったのです。その日は金曜日だったので、土日の週末を持ち越しリスクを抱えることになりました。

もし何か悪い材料が出れば、株資金がゼロになるどころか、数百万円の借金が残ることになり、「最悪、株も芸人も引退」を覚悟していました。

それで、週末に出た材料が「東証がオリンパスの上場を維持する」というニュースで、そのおかげで週明けからは、3日間ストップ高が続きました。

結果、そのトレードで100万円くらい儲かりましたが、生きた心地がしませんでした。

ーー「億り人」になった後のトレードはどのような感じですか。

2017年の春に、株資産1億円を達成し、デイトレをやめることにしました。

やめたきっかけは奥さんからの指摘で、その日はデイトレでマイナス400万円やられた日だったこともあり、げっそりした顔で子供をあやしていたんですけど、奥さんから「そんな顔して娘を抱かないで。子供に悪影響がでるから」と注意されてハッとして。

それからは特に決算などイベントがあるとき以外はほとんどトレードしていません。

■「シンブン」解散、芸人引退への決意

ーー株で1億円を達成した一方、「シンブン」の解散発表がありました。解散の話はいつ頃からあったのですか。

2016年秋くらいに「このままだとジリ貧、先が見えない」という話があり、3人で相談をしてトリオ名を「シンブン」に改名して、社会派コント集団として出直すことにしました。情報バラエティ番組が全盛の時代なので、「需要があるのでは」と読んだのですが、なかなか結果に結びつきませんでした。

そのうち相方から「引退しようかと思う」という相談を持ちかけられて、話し合いの結果、「シンブン」は解散として、3人それぞれの道を歩むことにしました。

僕に関しては、ピン芸人や、コメンテーターとして活動する道もあったけど、引退を選びました。

ーーそれは、なぜでしょうか。

たとえば、株芸人として活動する道もあったと思います。しかし、それだと自分のなかで、芸人としての自尊心が満たされたない。

それはきっと、『オンエアバトル』を見て芸人を志した自分が、憧れていた姿とは少し違うからなのだと思います。そう考えて、きっぱり引退することにしました。

周りからは、「せっかく有名な事務所に居るのだから、そのまま残れば」という声もありましたが、自分の力で活動領域を広げようと思い切って退社しました。

■エンジェル投資に興味

ーー芸人引退後、どのような活動をされる予定ですか。

投資事業の分野の先輩から、「半年くらいかけて、ゆっくり決めたら」というアドバイスをもらったので、今年いっぱいは色々なところに顔を出しながら、自分探しや、勉強をしていきたいです。己のライフワークとは何なのかを模索する感じです。

ちょうど今、村上世彰さんの『生涯投資家』(文藝春秋)を読了したところで、非常に感銘を受けたので、自分もこうありたいなと思ってます。

興味があるのが「エンジェル投資」の分野です。中小企業診断士の広報を見ていたら、会合のお知らせを見つけて、最近、参加してみました。

そこでは、会員が足で稼いできた情報がシェアされて、時には社長を連れてきてプレゼンが行われています。「ゆくゆくはIPOを目指していて、今はこういう資金需要があります」と言った具合に。

実際に投資するかの判断は、株式投資の経験や自分の中小企業診断士の資格が多少は役に立つかなと思ってます。非常にレベルが高いコミュニティなので勉強になっています。

事業自体にも興味があるので、ベンチャーに出資しながらハンズオンで支援、というのもやってみたいですね。

■情熱があるなら、そのまま突っ走ろう

ーー芸人も然りで夢を追う生き方を選んでいる人たちがいます。そういった方たちへのアドバイスはありますか。

自分は夢敗れたタイプなので「敗軍の将、兵を語らず」ではあるんですけど、強いて言うなら、投資の世界では「損切りは早いほうがいい」とされています。

でも、今情熱を持って走ってる人は、そのまま突っ走るべきだと思います。もし、悩んでいるなら、世界は広いからいろいろ試す、それも可能性です。

僕の周りには才能ある仲間が多かった。しゃべりやクリエイトする能力に長けていた。それでもブレイクするかどうかは別の話となります。

そういう世界で血みどろになって戦っていかないといけない。それが出来る人は、カッコイイし、そうありたい。一方で性格的に競合を避けたいという、投資家的な思考と言うか、葛藤もありました。

今日の食い扶持があると、芸人は夢を描きにくいのかもしれません。厳しい環境だからこそ、ハングリーであり、ブレイクして輝けるという面があると思います。だから、芸人として貫ける人は本当にカッコイイと思ってます。

ーーありがとうございました。

栗林篤
明治大学政経学部卒業。東証一部上場IT企業で年収300万円のSEとして働きながら株式投資、不動産投資を実践。著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)。好きなフルーチェはいちご。

(提供:DAILY ANDS)

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