ネット炎上を演出する「くすぶりっ子」の正体は?

ネット炎上を演出する「くすぶりっ子」の正体は?

  • TOKYO FM
  • 更新日:2017/09/19
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文筆家の古谷経衡がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「TIME LINE」。8月8日(火)の放送では、コンテクストデザイナーの高木新平さんをゲストに招き、ネット炎上の周辺に生きる「くすぶりっ子」について伺いました。

ソーシャルメディアの視点から企業や選挙などの新しいコミュニケーションづくりに取り組んでいる高木さん。「くすぶりっ子」は異性の気を引こうとする女性「ぶりっ子」や、物がよく燃えないで煙ばかり出す意味の「くすぶる」から思いついた高木さんの造語で、炎(注目を集めた人・テーマ)の周りに集まって、煙(議論に値しないリプライやコメント)を出すような人々を指すそうです。

高木さんの記事『「くすぶりっ子」という人種』によると、炎上事案の周辺に集まる「くすぶりっ子」は集団行動化するため、一斉に煙が出て視界を悪くしてしまうんだとか。そのため周囲から見たときに「実際に何が起きているのか」が捉えにくくなり、煙によって現場は混乱すると言います。

【参考記事】高木新平『「くすぶりっ子」という人種』(https://note.mu/shimpeitakagi/n/n92f68aa0b31a

くすぶりっ子が関わる最近のネット炎上は、昔の炎上と違うという高木さん。

「昔の炎上で有名なのが、白人の女性がアフリカへ向かう旅の最中に『エイズにならないといいな。冗談です、わたしは白人だから大丈夫』とツイートし、世界中から差別だと非難されたというものがあります。

ただ最近の炎上というのは、たとえば著名人が自分の子育ての実態を話した途端、『母失格』『性格悪すぎ』などと言われるようなものばかりです。もはや燃えてすらなくて、周辺で煙が出てるだけのこと。煙だけ見て『火事だ』という情報だけ広まるようなことが最近起きていると思います」と言います。

「確かに白人だからHIVが云々っていうのは明白な差別で燃える材料ですね。一方、子育てでこんなことがあったというのは元々の(燃える)ネタがないわけですから。おっしゃる通り、『くすぶる』というのは面白い表現ですね」とうなずく古谷。

高木さんは、炎上する人を「新しい価値観に基づいた行動で、目立っている人」と分析。一方のくすぶりっ子は、「どちらかというと大きい企業に勤めていたり、しがらみがあり新しいことができない保守的な人。30代や40代になると、くすぶりっ子化する人が増えてきているんです。歳がいけばいくほど増えるというのはあるかもしれません」とその傾向について教えてくれました。

さらに、30代や40代でくすぶりっ子が増える背景について、「寂しいんだと思います。この前、出演した番組で飲みニケーションが減っているという議論になったんですが、中年は若手に武勇伝や愚痴を聞いてもらいたいけど、そういうガス抜きの場所がない。多分それがSNSに漂流してると思うんです」と言う高木さん。

古谷も「なんとかくすぶりっ子のガス抜きをして社会を前向きにしたい。とはいえ不況なので飲み会をしようにもお金がかかりますし、下手に飲み会参加を強制するとパワハラって言われちゃう。(くすぶりっ子の)クレーム自体は脅迫でも強要でもないので、事件ではない。名誉毀損で民事(裁判)というのも難しい」と課題を指摘します。

高木さんは「くすぶりっ子がガス抜きできなくなっているから、目立つ人を(叩いて)何もできなくしているところもあります。だから煙ばかりが増えて、何かやると叩かれるという閉塞感が広がっているのでは。もしかしたら、くすぶりっ子ばかりがリアルで集まる会が生まれ、現状不満な保守層という一大勢力になるかもしれないですね」と話していました。

【番組概要】

番組名:「TIME LINE」

放送日時:毎週月~木曜19:00~19:52

パーソナリティ:佐々木俊尚(月)、速水健朗(火)、古谷経衡(火)、ちきりん(水)、飯田泰之(水)、小田嶋隆(木)

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/timeline/

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